歴史研究家、作家の伊東成郎さんからお送り頂いた「歴史街道」


『杉文 真心をつくした吉田松陰の妹』(岩崎書店 フォア文庫)を執筆する時にはなかった歴史ガイド的な雑誌が今になって沢山出ていますが、これは別格。
というのは、新選組を書いて以来、親交のある歴史研究の先生方の中でも、私にとっては初めて出会った歴史研究の作家さんだったからです。そのご講演は、いつも興味深い新情報があって、もし東京在住だったら、もっともっとお話が聴けるのになあ…と思うことばかり。でも、伊東成郎さんは、時々、めったに手に入らない冊子などを送って下さり、それらは、どれも、イメージをふくらませるための大切な資料になってます。
そう、現代において、百何十年前の街並みや、その時代の人々の喜怒哀楽、時代の空気感などのイメージをふくらませるのは、大まかな資料ではなくて、たとえば、新選組の土方さんが育ったところはかつてどうだったのか、街道を歩いて上洛するというのはどんなふうだったのか…などを鮮やかに思い浮かべることができる資料なんです。つまり、その時代の気候や時間や空間がクロスする昔の人の証言が一番イメージを構築しやすいのです。
実際には、その証言者と私が書こうとする人物が、その時代においては一度も出会っていなくても、時代の空気感は直に伝わってくるものなんです。
そういう細やかなご研究のおかげで、私は歴史小説や時代ファンタジーが書けるのです。感謝しても感謝しても、し足りることはありません。
ありがとうございます、伊東成郎先生〜

歴史街道 2015年 02月号 [雑誌]

歴史街道 2015年 02月号 [雑誌]

文庫 杉文 真心をつくした吉田松陰の妹 (フォア文庫)

文庫 杉文 真心をつくした吉田松陰の妹 (フォア文庫)