学校向けMVNO

制携帯を入り口に、風呂に浸かってるときにフト思ったのが、学校向け携帯電話MVNO事業というのは、どうなんだろう、という話。(普通の携帯電話かスマートフォンかは別として、とりあえず、データカードではなくて、通話のできる移動端末を想定。)

で、風呂から出てきたので、それを検証。MVNO事業として面白いと思うのは、既存キャリアだと提供できない価値を提供できるようなところで、わかりやすいのは、ユーザー単価を上げられるようなパターン、っか。同じ価値を低価格でだと、あんまり面白くないっかな。


まず、考えないといかんなっと思った事項は、

1: ユーザーメリットという面で、既存キャリアの法人営業部門の延長としての学校営業部門との違いや差別化は?

2: 誰が、その主体者となるべきか?

3: その社会的な価値は、どこにあるのか?誰が享受するのか?

の3点。3点といっても、3つが絡んでるので、分けにくい部分はある。


ちょっと、想像を膨らますために、他社事例を探してみると、国内事例で目を引いたのが、いくつかあった。

ECナビの事例

家電量販店の事例

在日ブラジル人向けの事例


ユーザーメリットという意味では、在日ブラジル人向けのポルトガル語サービスの事例とECナビの事例。ECナビの事例は、顧客メリットがちょっとわかりにくい気もした。でも、いずれも客単価が高いという感じはしない。
事業主体の収益向上という意味では、家電量販店の事例。どうせ、1台端末を売るなら、そのリターンが、売り切りではなくて、チャリンチャリンと継続的に入ってくる方が良い、というのは、わかりやすい。


で、あれこれ考えた結果。


主体者 : 地方行政団体・学校団体・学校

価値の軸 :

 狭いところだと、
             携帯教育の促進
             学校内外関係者のコミュニケーションの活性化
             制携帯を活用した効率化
 学校全体のIT化まで視野に入れると、
             IT教育
             学校内外関係者のコミュニケーションの活性化
             IT化による効率化

みたいなの。


【主体者】
学校教育を実際に実践している人達が自分たちで考えて、決めていくようなスキームが、教育戦略の一貫性が取れて、うまくいったときの上ブレが大きいのではないか、と思った次第。もちろん、実務として、IT業界の助けは必要だし、法律的にも、学校法人が出資できるのか、とか、NPOがいいのか、LLPがいいのか、とか、検討課題はある。なので、主体的な意思決定の段階で、とか、主体的な意思決定を、教育関係者側というか教育現場でやるというか、教育現場での運用まで一貫した考え方を担保できるようなスキームを想定。それができないと、教育現場関係者を主体者とする意味がない。
で、それを一つの学校単位ではなく、県とかの地域レベルでまとめて、その県の県立高校は、みんなそのシステムでやるような方策で規模のメリットを取れるのではないか、と思った次第。なので、市よりも、県とか地方(九州とか)の単位がいいかも。
で、収益があがったら、学校に還元するような、NPOっぽいスキームを想定。そのMVNOの社員数が何人か不明だけど、地方に雇用も生まれる。
もちろん、この場合、業者と意思決定者個人との癒着とか、そーいう問題がでてくるので、それはそれで考えなきゃいかん、っと。でも、まぁ、IT化とかコミュニケーションを軸にするのだから、個人の給料から入札の内容から、すべてを公開する、というようなことで、やれればいいなぁ、と思う次第。あとは、トップを、民間から登用するとかは必須だろうなぁ、と思う。教育x民間xITみたいなところだと、藤原校長とかいいなぁ、と思う。

言ってみれば、市とかで、複数の学校をまとめて給食センターを学校外に用意するように、ITセンターとか制携帯センターを作るような感じか。で、このセンターで、IT教育者とかIT管理者を研修したり、各学校へ派遣したりするとか。

あー、そうそう、まぁ、とりあえず、入り口として、文部科学省と戦う必要があるんだろーなぁ、これを地方レベルでやろうとすると。かといって、文部科学省主導で、全国一律とかなるとまた天下りの温床とか、政治家のIT利権とか、弊害が大きそう。なんとか、受益者とリスク負担者が近い地方自治範囲でトライして欲しいなぁ。



【付加価値・差別化】
地域のコミュニケーションとか、教育のIT化を軸とする時点で、既存キャリアとの差別化は明確になるし、何より、学校の生徒なりは、この携帯を使わないといけない状況になるので、加入者の獲得という意味での差別化みたいなところは、心配なしっと。

 狭いところだと、
             携帯教育の促進
             学校内外関係者のコミュニケーションの活性化
             制携帯を活用した効率化
 学校全体のIT化まで視野に入れると、
             IT教育
             学校内外関係者のコミュニケーションの活性化
             IT化による効率化

ただなぁ、既存キャリアの携帯ではできないことを提供できて、そこに価値があるといっても、行政の財政難や地方の経済状況を思うと、実際に単価を上げるのって、簡単じゃないよなぁ。でもまぁ、既存キャリアのコスト構造の中で、店舗運営費、広告宣伝費、営業費用とかのマーケティング費用が不要になるから、その範囲内で、付加価値の開発や運営ができれば、同じ値段で上のサービスが提供できるかもしれん。ここは数字の検証が必要。



【社会的な価値】
客単価が上がらないとなると、それって、価値の無いことか、もしくは、低価格戦略なのか、というと、どうだろうか?

・各ITベンダーやキャリアがサービスまで考えて、制携帯を売り込むよりも、教育的観点というかユーザー視点のサービスが構築できる(期待がある)。
・個別学校ごとに、制携帯を考えるよりも、地域でまとまる方が、コストが安そう。
      規模の経済のメリットが享受できそう。
      コミュニケーションツールのネットワーク外部性が高まりそう。
      地場に雇用が生まれる。
      学校ごとに要員を用意しなくて済む。
      私企業MVNOの無駄な競争が減りそう。→上の規模の経済のメリットの裏返しか。
・生徒がそれぞれに携帯電話を持つよりも、
      ビリングコスト、店舗運営コスト、営業コストが不要な分、サービス開発に投資とか、低価格の実現ができそう。
      サービスとか広告とかの収益がキャリアではなくて、個別地方のMVNO、引いては、学校に還元できそう。

まとめると、コストが減って、サービスが良くなって、受益者が、キャリアから地方とか学校へ回る、といった感じかな。今との違いとか、私企業MVNOとの違いというと。お、ちょっとブルーオーシャンっぽい、かも。

といった感じか。