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2017-05-28

フェステは誰に歌うのか〜インターナショナル・シアター・カンパニー・ロンドン『十二夜』

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 ポール・ステッビングズ演出インターナショナル・シアター・カンパニーロンドン十二夜』を明星大学で見てきた。

 後ろのついたて以外はほとんどセットもない簡素舞台で、台本は相当カットされている。立ち聞きの場面やマルヴォーリオを部屋に閉じ込める場面などは全部このついたてを使って行われる。7人だけで上演するため、船長フェイビアンアントニオがいなくなっており、船長台詞の一部を墓掘りが言うなど登場人物を少なくするための改変がいくつかある。個人的には、セバスチャンに思いを寄せている気の毒な海の男アントニオが消えたのがちょっと寂しかった。あと、フェステとヴァイオラの会話がわりとカットされており、フェステがヴァイオラの正体にどうも気付いているらしいというような描写はない。

 全体としてはシンプル面白おかしくまとめた手堅い演出だったと思うのだが、とくに特徴的だったのは、マライア役が長身男性(ジャン=ポール・フルゲール)であることで、普通マライアは小柄できびきびした女性として演じられることが多いと思うのでなかなか意外性があったものの、愉快で活発なキャラになっていてとても良かった。オリヴィア役はアフリカンの女優(シェービン・ダッシュ)が演じているのだが、これがなかなか表情豊かで可愛らしく、また品があっていかにも大きな屋敷の女主人という感じだ。前回の『テンペスト』同様終わり方に特徴があり、マルヴォーリオを慰めるよう命じられたフェステ(ジョン=ポール・ローデン)の歌がマルヴォーリオ(ガレス・フォードレッド)にかぶさっていくという演出になっている。複雑な哀感に満ちた終わり方だ。楽しいことが嫌いなマルヴォーリオが、楽しさの権化のようなフェステに慰められるというところに人生皮肉と意外なめぐりあわせを感じる。以前、アッシュランドでマルヴォーリオが最後復讐に戻ってくるという『十二夜』を見たことあるのだが、あれと対照的だと思った。

 細かい演出の特徴としては、サー・トウビーがサー・アンドルーを最後に怒鳴るところについて、ここはサー・アンドルーが本気で傷ついて暗い顔になって出ていくような演出と、「またまた酔っぱらいが…」みたいに皆が呆れて介抱するような演出があるのだが、このプロダクションでは後者解釈で、サー・トウビーがほんとにぐでんぐでんのしょうもない酔っぱらいになっていた。あと、マルヴォーリオを手紙で釣る場面で、もとから手紙を置いておくのではなく、ついたての後ろからその都度手紙を直接マルヴォーリオの前に投げ入れるというやり方をしているのが面白かった。

 

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2017-05-27

LOVE ATTACK! vol.14 〜面妖キャバレヱ〜

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 はじめて浅草ゴールデンタイガーラブアタックシリーズ、「LOVE ATTACK! vol.14 〜面妖キャバレヱ〜」に行ってきた。Bee Tiny TotMarie Horn、Maria Lunaがやっているイベントで、この日はその他にバーレスクのMummy Bombサイケデリックバンドのニューアクションが出演。

 前半はMaria Lunaの、ポストモダンジュークボックスによる「クリープ」のカヴァーを使ったショーがとてもセクシー雰囲気があって良かった。後半はMarie Hornのドイツキャバレーみたいな演目が良かったと思う。写真はニューアクション演奏に合わせて踊るBee Tiny Tot

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2017-05-26

歌と踊りはほぼいらない〜座・高円寺2『から騒ぎ』

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 座・高円寺2でタイプスプロデュース公演『から騒ぎ』を見てきた。前の『ロミオとジュリエット』よりはマシになったが、それでもイマイチなところが多い。

 まず、初日ということもあってか台詞がつっかえたり、もたついたり、間がおかしかったりするようなところが多い。笑いのテンポも前半はうまくいっておらず、後半でやっと調子が出てきたという感じだ。あと、役者によっては滑舌・声量がイマイチで、後ろを向いてしゃべったりする場面で台詞が聞こえづらくなるところがある。全体に台詞回しにもう少しこなれた感じが欲しい。

 最後に全員で踊るところ(ここは悪くなかった)以外の音楽はほぼ全部いらない。恋の罠にかかる前のビアトリスがひとりでラブソングを歌うところがとくに最悪で、からっとしたビアトリスキャラクターに全くあっておらず、ひどくセンチメンタルで話をつまらなくしている。この芝居の面白さは、それまで全く恋に落ちそうもなかった明るくプライドの高い2人が急に恋に落ちてあたふたするギャップなので、ビアトリスが恋に落ちる前から恋歌なんか歌ってたら「なんだ実は恋がしたいんじゃん」みたいになって著しく面白さが減少する。冒頭のダンス必要か疑わしい。あと、盛り上がる場面で急にバーン音楽がかかる演出は安っぽく見えるだけだし、あと全体に台詞回しがこなれていない役者がいるところでこれをやると台詞が聞こえづらくなるので、やめたほうがいい。

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2017-05-25

今後の登壇予定

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 今月から来月にかけていろいろ登壇があるので、自分で混乱しないためにも自分でいろいろメモ

6/3 (土) 「一夜限りのロミオとジュリエット&タイタス・アンドロニカス〜LOVE & DEATH PARTY NIGHT〜」…少しだけ『ロミオとジュリエット』の話をします。

6/24 (土) "Wikipedia Translation Class Project 2016: Shakespeare 400 and the Japanese Wikipedia", 2017 Shakespearean Theatre Conference: Shakespeare 401: What’s Next?にて発表(カナダストラットフォード)

7/1-2 (土日) 表象文化論学会大会(企画委員なので常駐しますが発表はしません)

7/4 (火) 文化社会学研究会(クローズド研究会、ディスカッサント)

7/10 (月) 江戸川高校模擬講義(シェイクスピア映画について)

7/22 (土) 夢ナビライブ模擬講義(ウィキペディアについて)

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2017-05-24

「絵本はここから始まった− ウォルター・クレインの本の仕事」

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 千葉市美術館で「絵本はここから始まった−ウォルター・クレインの本の仕事」を見てきた。非常に見応えがあり、キレイな本が単純にいっぱいあるというだけではなく、シェイクスピアものとかウィリアム・モリス政治的著作ケイトグリーナウェイなど周辺の芸術家作品も展示されており、クレインの業績がどういうものの中に位置づけられるのかもわかるようになっている。ただ、ただ、ガラスが壁にはめてある展示ケースについては、茶道お茶碗とかにあわせたやり方なのか少し本の位置が高く、私は身長が低いので少し見づらいと思うところがあった。

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