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2018-08-20

私の苦手な似非ヒッチコック風フレンチスリラー〜『2重螺旋の恋人』

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 フランソワ・オゾン監督の最新作『2重螺旋の恋人』を見てきた。

 完全に好みの問題なのだが、私が苦手な似非ヒッチコックフレンチエクストリーム風味のニューロティクスリラーだったので全く楽しめなかった。個人的趣味問題なので、別にこれが面白いと思う人もいるとは思うが、私はこれ系の女の人が精神的な問題を抱えているというホラー映画はもうヒッチコックでたくさんなので、全然面白くなかった。これならモノクロもっと上品ニューロティクスリラーを見たほうがいい。ベクデルテストヒロインと隣のおばさんの会話でパスすると思う。

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2018-08-19

問題劇を問題なく解決する〜『ナイツ・テイルー騎士物語ー』(ネタバレあり)

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 『ナイツ・テイルー騎士物語ー』を見てきた。めったに上演されないシェイクスピアとジョン・フレッチャー共作のレア劇『二人の貴公子』のミュージカル化で、ジョン・ケアードが演出、主演は堂本光一井上芳雄ということで、チケットの入手が大変だったのだが、なんとほぼあきらめていた生協共同購入抽選で手に入れることができた…私もこの作品翻案を入れても2回しか見たことがないので、とても珍しい機会だ。

 この話は現代からするとかなり受け入れにくい内容を含んでおり、原作問題劇と言って差し支えないと思う。古代ギリシアアテネテーベ舞台で、いとこで熱烈な友情で結ばれたテーベ貴公子戦争捕虜としてアテネで投獄されていたアーサイトとパラモンがアマゾンの姫エミーリアに恋したせいで、同じ女性の愛をめぐって争うようになる…という物語なのだが、原作はエミーリアのために二人が決闘し、勝利したはずのアーサイト落馬して死んでしまい、結局エミーリアはパラモンと結婚するというオチになる。さらに脇筋として、パラモンに恋して彼の脱獄を助ける牢番の娘の話があるのだが、この娘は恋煩い狂気に陥り、治療と称して別の求婚者と結婚することになる。エミーリアは別に結婚したいのかどうかもわからないような感じだし、牢番の娘は騙されたみたいな感じでもとの恋を諦めて結婚することになるし、メインキャラクター決闘はなんだかよくわからない形で決着がつくし、実にすっきりしない終わり方の話だ。

 しかしながら『ナイツ・テイル』のほうは、このすっきりしない話をちゃん現代人も納得できるように落とそうと、かなり台本を変更している。まず、エミーリア(音月桂)は原作ではアテネ公シーシアスの妻となるアマゾン女王ヒポリタの妹で本人もアマゾンなのだが、この芝居ではシーシアス(岸祐二)の妹というふうに変更されており、ヒポリタ(島田歌穂)と女同士の友情を育んだ後、終盤で地元の森に住む牢番の娘フラヴィーナ(上白石萌音)と幼友達であったことが明かされる(原作では、フラヴィーナという女性台詞で出てくるだけで実際に舞台には出てこない)。牢番の娘をパラモン(井上芳雄)とくっつけちゃえばもっとすっきりした話になるというのは17世紀の人も考えていたことで、そういう翻案もあるのだが、こちらの作品もそういうオチになっており、パラモンは脱走した時からかなりフラヴィーナのことを気にかけていて、エミーリアに対する恋心についてはアーサイトと張り合うために好きだとか言ってるだけで、実はそこまででもないんじゃないか…という感じの演出になっている。一方でアーサイト(堂本光一)はちょっとバカな感じだが感じの良い青年で、エミーリアは子供っぽいところはあるもののもう少し思慮深そうなパラモンよりも、単純でからっとしたアーサイトに惹かれているという設定になっている。最後友情で結ばれたヒポリタ、エミーリア、フラヴィーナがシーシアス、アーサイト、パラモンという三人の勘違いした男たちを説得し、女神アテナのご加護で三組のカップルが愛し合って結ばれるというオチになっている。女性たちの友情、知恵、愛の力を強調した結末で、幸福感のある和解で終わる。原作のほうについては、異性同士の結婚で終わるにもかかわらず同性同士の結びつきのほうが価値があると思えるような妙な終わり方になっているとよく言われるのだが、この翻案は異性間の愛も同性間の友情も等しく重要だとメッセージをこめた話になっている。

 そういうわけで、原作のようないろいろ考えさせられる不思議なひっかかり感はなくなってしまったものの、現代風なよくできたお芝居として非常にすっきりした構成物語になっている。左右から舞台上方にかけては尖った印象を与えるちょっと冷たい感じのセットを配置する一方、真ん中には丸い花畑など柔らかい印象の場所を作って戦いと愛の対比をつけるという舞台デザインはゴージャスでかなりよく効いているし、女性陣のキャラクターがよくわかるドレスの色分けなど細かいところに気を配った衣装も素敵だ。とくに良かったのは細やかな友情をうまく表現していた女性陣の演技だが、微妙性格が違う堂本アーサイト井上パラモンのキャラクターにもメリハリがあったし、この二人がくだらないことで言い争いをしたりするような場面はかなり笑えた。歌については、堂本アーサイトに比べるとやはり井上パラモンのほうが明らかにミュージカルスターという感じで堂々としていて巧妙だったが、ダンスとか笑わせるほうでは堂本アーサイトもかなり芸達者で驚いた。

2018-08-18

レベル・ウィルソンが暴れてる箇所以外はそんなに…『ピッチ・パーフェクト3』(ネタバレあり)

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 『ピッチ・パーフェクト3』を機内で見た。

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 大学卒業したものの、なかなか人生がうまくいかないベラズのOGたちが再結成してアメリカ軍慰問に出かけたところ、誘拐されてしまい…という展開である。歌は相変わらずいいし、ベクデルテストパスするし(女性陣が合唱とかいろいろなことについて話し合う場面がたくさんある)、エイミーを演じるレベル・ウィルソンが大暴れするところはとても面白いのだが、それ以外はあんまりぱっとしない。アメリカ軍慰問ということで出てくる軍人フェチネタとかもあんまり効いているようには思えないし、全体的にけっこう展開は緩い。主役であるベッカ(アナ・ケンドリック)が成功に向かって前進しつつ、ベラズのメンバーたちとの友情も盛り上げて終わる落とし方は悪くないが、もうちょっと話を緊密にしてほしかったという印象だ。

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2018-08-17

実はものすごくリアルな設定の出産ホラー『クワイエット・プレイス』(ネタバレあり)

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 飛行機内で『クワイエット・プレイス』を見た。

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 舞台2020年地球盲目だが極めて聴覚が発達した怪物の襲来を受けた人々は次々と皆殺しにされるが、耳の聞こえない娘リーガン(ミリセントシモンズ)を育てていて手話で会話ができるアボット一家は、音を立てずにコミュニケーションできるという利点を生かして田舎農場で生き延び続けていた。しかしながらひょんなことから末っ子怪物に食われてしまい、リーガンは自分がそのきっかけを作ってしまったと後悔し…

 『ゲット・アウト』なんかをちょっと思わせる現代的なホラーで、盛り上げ方とかは大変うまい。『ワンダーストラック』に出ていたミリセントシモンズをはじめとする役者陣の演技もとてもよかった。設定にいろいろ突っ込みどころがあるのはまあこの手のホラーではしょうがないと思う…のだが、実はこの「音を出すと死ぬ」という基本の設定じたいは別に全然荒唐無稽ではないというか、極めてリアリティのあるものだ。第二次世界大戦沖縄戦で、防空壕に隠れた際、赤ん坊の泣き声で見つかってしまうので子供を殺せとか、出て行けなどという暴言が聞かれたという話が残っているが、今でもおそらくこの音によって発見されてしまうというのは世界中で起こっていることだ。つまり、たぶんこの怪物が襲ってくる状況というのは、実は人間が実際に戦場などで直面している状況にすぎない。

 それで、たぶんこの映画で一番注目すべきところは、親たちが子供を守るために命からから全てを犠牲にするということだ。父親リー(ジョン・クラシンスキ)は子供を守るため怪物自分を襲わせる。さら母親イヴリン(エミリー・ブラント)は末っ子を失った後新たに妊娠しており、怪物から家族を守るためには中絶をしたほうがいいんじゃないかとかそういうことを一切考えずに出産計画する。こういうポストアポカリプス的な怪物ホラー出産が出てくるというのは珍しいと思うので、ここは大変注目に値する点だし、話を面白くしてもいる。アメリカではこの映画プロライフ派(反中絶)の人たちに評判がいいらしいのだが、この作品反中絶にとどまらず、子供を守るためなら親は命を捨てるのだというかなり過激家族愛物語である。ただ、そのわりにはイヴリン出産から回復する時間が短すぎるんじゃないかとか、なんで水が入るようなところを産室にしたのかとか、ちょっといろいろプロットに穴がありすぎるようにも思った。

 なお、この映画はおそらくベクデルテストパスしない。リーガンとイヴリンが長く手話で会話するところがないかである

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2018-08-16

ユタ出張(11)ソルトレイクシティ「バーレスク&ザ・ビーツ」

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 最終日は移動のためソルトレイクシティに移動し、最後Prohibitionという禁酒法時代スタイルレストランバーで「バーレスク&ザ・ビーツ」というバーレスクショーを見た。ソルトレイクシティバーレスクが見られるとは思ってなかったので、かなり幸運だった。

 こんな看板のお店。しかペニーファージング(旧式自転車)は禁酒法より前に流行ったものだよね?

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 店内はこんな感じ。かなり暗い(これは光調整してある)。

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 ショーは地元ビーハイヴ・ブローズ・バーレスクの人たちが中心で、メンバーのデルタリー・ディクソンがポストモダンジュークボックスの"Seven Nation Army"に合わせて踊るショーから始まる。男性ダンサーによるベリーダンスとか、カリフォルニアからゲストのショーとかもあった。禁酒法時代スタイルレストランなので、ショーはゴージャスで20年代のものが多かった。

 大変気になったのは、19時からのショーだと規制?があるらしいということである。最初に「7時のショーは刺激の薄いバージョンでお送りします」的な放送があり、パフォーマーブラジャーまでとらない(ペイスティじゃなく、ブラジャータッセルがついてる)。ソルトレイクシティからなのか、何か規制があるんだと思う。しかし、入り口身分証確認があって大人しかいないのに規制があるとはずいぶんバカげていると思った。

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