カジノ・マリノ

 ファイヴ・ランプス・アーツ・フェスティヴァルの展示をやっているということでカジノ・マリノに行ってきた。ここは初代チャールモント伯爵が18世紀に建てた小さい家である(カントリーハウスの本邸が近くにあったそうだ)。

 

家の外観。

屋根にロココ風の模様が。

柱のうちの何本かは中にパイプが通っており、雨水を池みたいなところにためる機能があったそうだ。

水を流す穴。

屋根にある取水口。

地下室にある洗い場の名残。見た目は1階建てみたいだが、中は3階建てで16部屋ある。

内装。なお、伯爵が借金のためにこの家をクリスチャン・ブラザーズに売った時に調度は全部持っていったので、当時の調度はまったく残っていないそうな。

天井の凝った装飾。

周りに地下道とストレージがあり、なんと内戦時にはここにマイケル・コリンズが武器を隠していて、試し打ちの弾痕なんかも残っていると…










 

ギルドフォード爆破事件を題材にしたひとり芝居~Paddy – The Life & Times of Paddy Armstrong

 ファイヴ・ランプス・アーツ・フェスティヴァルの一環としてショーン・オケイシー劇場で上演されたPaddy – The Life & Times of Paddy Armstrongを見てきた。『父の祈りを』と同じく、1974年のギルドフォードのパブ爆破事件による誤認逮捕と冤罪を扱っている。この時に逮捕されて有罪とされた4名は後に無実とわかったのだが、そのひとりであるパディ・アームストロング(ドン・ウィチャリー)が70代になって過去をふりかえるというような構成のひとり芝居である。パディは音楽好きでいいかげんな感じのおじいちゃんで、かなり濃いベルファストアクセントでしゃべる(そのためけっこうセリフが聞き取れなかったところもあった)。面白い話をしたかと思ったら警察のひどい尋問とか刑務所の暮らしの孤独にフっと話が移ったりして、メリハリのある作品だ。

 なお、劇場が入っているショーン・オケイシー・コミュニティ・センターはこんな建物である。

外観。

中にはちょっとしたオケイシー関連の展示も。
父の祈りを (字幕版)

父の祈りを (字幕版)

  • ダニエル・デイ=ルイス
Amazon

 

扇町ミュージアムキューブのイベントに登壇します

 4/29(火)の14時より、扇町ミュージアムキューブにて『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』トークイベントを実施します。初めて大阪でイベントをします。お気軽にお越しくださいませ。

passmarket.yahoo.co.jp

ベルファスト(4)リズバーン

 最後にベルファスト郊外の都市であるリズバーンに行ってきた。ここは布産業が盛んで、リネン博物館がある。

バス停のそばにあった銅像

リネン博物館の建物。

入り口。リネン産業の歴史に関する展示があり、織機なども多数ある。なお、この後の展示は撮影禁止だった。ほとんどが古い機械なのになぜ撮影禁止なのかは不明で、あんまりフレンドリーな感じの博物館ではない。

ホール。この他に街の歴史に関する簡単な展示や、現代のテキスタイルアーティストにフォーカスする特設展もある。

リズバーン城公園。第一次世界大戦戦没者慰霊碑などがある。

 

ベルファスト(3)アルスター博物館

 植物園の中にアルスター博物館がある。ここは自然科学から歴史的な遺物、美術品までいろいろなものがあり、けっこう充実している。

外観。

翼竜が戦っている。

『デリー・ガールズ』の黒板の展示。

巨大なアイルランドの十字が。

動物の展示。昔アイルランドに住んでいた動物のコーナーもある。

動物画。

鉱物コーナー。

元素や科学物質に関する展示。化粧品の毒物で死亡した人の話とか、けっこう怖いのもある。

古代エジプトの貴婦人タカブティのミイラ。アイルランドに持ち込まれた最も古いエジプトのミイラとしてずっとベルファストで展示されており、人気があるそうだ。

日本や中国の鐘など。

アイルランドの金銀財宝。

アイルランド無敵艦隊についての展示。

近世アイルランドについての展示。

近世アイルランドについての展示。

子どものおもちゃや家などについての生活史展示。

これも生活史展示の一環で、看護師だった女性の手紙などをまとめて紹介。

北アイルランド紛争の時代についてはそれだけに特化した大きな展示室があり、けっこう見ていてキツいような史料も展示されている。これは権利運動についての展示。

これは地元のパンクバンドであるアウトキャスツの衣装だそうな。ベルファストはパンクで有名な都市である。

グッドフライデーの投票に関する展示。

これは紛争で亡くなった人の数を表現したテキスタイルアート。

オマーの爆弾テロで亡くなった人たちがその直前にサインした博物館のゲストブックだそうな…

Brexit反対のポスター

ピノチェト政権の抑圧をテーマに作られたキルトアートの展示。

 なお、ここはテキスタイルをかなり持っており、『ゲーム・オブ・スローンズ』のタペストリも持っているのだが、今日は展示されていなかった。残念…