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2009-06-14

[][]あずまきよひこの出した「応用問題」(前編)

あずまんが大王1年生 (少年サンデーコミックススペシャル)

あずまんが大王1年生 (少年サンデーコミックススペシャル)

ついに発売されました『あずまんが大王』新装版。

無印発売から10年ですか。早いなぁ。

内容ですが、「どうせ表紙書き直して書下ろしを追加しただけだろ」と思っていたのですが、ごめんなさい、スライディング土下座して謝ります。

最初のページから修正、というより「描き直し」。ある意味「リメイク」ですよね。

序盤はほぼ描き直しで、なんというか、あずまきよひこの本気とプロ魂を見た気がします。

作者自身blogで

そんなわけで久しぶりにあずまんが描きました。

違和感がある人もいると思いますが、あれが今のあずまんがです。

昔の絵にどこまで戻すのか、で悩みましたが、基本ラインは今の絵でいきました。

自分から見ると、昔の絵にするってのは、わざと下手に描くようなもんですから、それはちょっとやりたくない。

4コマの使い方も、今見ると昔のは甘いなと思えます。

なんで4コマとしても、今だから描ける要素を入れました。

いきなり応用問題を出しても大丈夫なんかな?って不安はありましたが。

描いている方としては、表面的な部分は変わってますが、あずまんがのコアになる考え方はそのまま使って描いています。

no title

と言っていますが、確かに無印と新装版の「間違い探し」以上に差分の比較が面白楽しかったので、備忘録代わりに無印と新装版の違う点を挙げてみることにしました。

まずはその1、「絵柄編」です。

絵柄は明らかに変わりましたよね。『よつばと!』の絵柄です。フジモリがぱっと感じた主な違いとしては、

(1)目

(2)顔

(3)おっぱい

の3つかと。

井上「尾田さんの『ワンピース』の何がすごいってね。ルフィの目が点なところ。これはね、大変なことなんですよ。”面白いものは、あれこれ足さなくても面白いのだ!”という尾田さんの、意志表示の象徴だと思う。作品を信じているブレのなさが、あの黒目の描き方に集約されていますね」

(雑誌「井上雄彦ぴあ」P36)

と書かれているように、「目」というのは主人公のみならずそのマンガの色を示す大きな要素です。

そういえば『バクマン。』でも

f:id:sangencyaya:20090606092012j:image*1

って言ってましたね。

最初の頃の『あずまんが大王』と『よつばと!』ではこの「目」が全く異なっていまして、

f:id:sangencyaya:20090613114514j:image*2f:id:sangencyaya:20090613114530j:image*3

と『よつばと!』ではけっこうシンプルになっています。*4

この「目」を『あずまんが大王』に戻したのがこちら。

f:id:sangencyaya:20090613114601j:image*5

新装版に違和感がある人は、無意識的にこの「目」の違いを感じているのかも。

「BSマンガ夜話」で『よつばと!』を取り上げたときに、いしかわじゅん

オレはこのマンガ(フジモリ註:『よつばと!』のこと)、すごく好きなの。

それは作者が、凄く自覚的に変わってきたから、って言うのが一番大きいんだけどね。

こんな変わり方をする漫画家は、いない。作者が成長したよね。

『あずまんが大王』1巻の頃は全然評価してなかった。

この人の絵ってね、典型的な萌え絵なんだよ。

いわゆる「アニメ絵」は、頬骨をすごく高くして、顎の頂点が中心線にないんだよ。こういう描き方をずっとしてた。

それを見事に捨てて『よつばと!』に来たというところに、この人の「前に進もう」という自覚を感じて、すごいなー、と思った。

と言ってました。*6確かに、『よつばと!』では『あずまんが大王』で描かれていた「顔(ほっぺ)の出っ張り」がとれ、スッとした感じになっています。

f:id:sangencyaya:20090613114631j:image*7f:id:sangencyaya:20090613114653j:image*8

目の変化もそうですが、この2点により顔が非常にスマートになっています。トーンなどをシンプルにしたこともありますが、なんというか、脂っこさが取れたというか、ヘルシーになったというか、そんな感じがします(笑)。

おっぱい

これは極・私的な感想ですが、デッサンが巧くなったのかその他要因があるのか、おっぱいの描き方がだいぶん変わりましたよね。

なんというか、無印ではゴムマリだったのが、新装版では「重力を意識した」感じ。

f:id:sangencyaya:20090613114713j:image*9f:id:sangencyaya:20090613114735j:image*10

ふと「ロマン主義」と「写実主義」という言葉が頭をよぎりました。・・・忘れてください。

まあどちらが好きかは各人の好みもありますし、基本的にどうでもよい差分ですよね、すみません(笑)。


とまあ、当たり前ですが10年で絵柄がだいぶ変わってますね。この違いを比べるだけでもほんと面白いです。

ただ、絵柄だけではなくマンガそのものも無印から描きなおされたところがあり、その差分もまた面白かったです。

そのあたりはまたのちほど。

あずまんが大王 (1) (Dengeki comics EX)

あずまんが大王 (1) (Dengeki comics EX)

よつばと! (1) (電撃コミックス)

よつばと! (1) (電撃コミックス)

あずまきよひこの出した「応用問題」(後編) - 三軒茶屋 別館

『あずまんが大王 1年生』新旧比較表 - 三軒茶屋 別館

*1大場つぐみ小畑健『バクマン。』巻3,P55

*2:あずまきよひこ『あずまんが大王』巻1,P29

*3:あずまきよひこ『よつばと!』巻7,P84

*4:『あずまんが大王』も巻が進むにつれて目がシンプルになっていきましたが。

*5:あずまきよひこ『あずまんが大王 1年生』P29

*6:抜粋・編集していますが、とにかくベタ褒めでした。

*7:あずまきよひこ『あずまんが大王』巻1,P56

*8:あずまきよひこ『あずまんが大王 1年生』P56

*9:あずまきよひこ『あずまんが大王』巻1,P81

*10:あずまきよひこ『あずまんが大王 1年生』P81

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