new iPadの性能課題に対する疑問

new iPadが発売されて、一番気になったことは、解像度が4倍になったこと。解像度が4倍になるということはUI開発者にとってはとんでもない問題であるはず。つまり、性能が4分の1に劣化することを意味する。この課題意識は解像度の問題に直面してきた携帯電話やAV機器の開発者にとってはあまりにも当たり前のことである。
しかし、あのAppleがいとも簡単に解像度を4倍にしてみせた。4倍にしつつ、性能劣化を防ぐことができたとしたら、new iPadは恐るべき能力を持つこととなる。Appleが解像度を4倍にしつつ、さくさく動くアプリを作る基盤を構築したとしたら、世界中の組み込み機器の技術者はいったい今まで何をしてきたのだろうか、と危惧した。
Appleに脅威を感じていた今日この頃であったが、そんなすごい技術をAppleが持っている訳ではないことを知り安心した。
http://satoshi.blogs.com/life/2012/03/ipad3.html
上の記事によると4倍の解像度に対応するためには、アプリ側でチューニング必要となるのである。ハードウェアアクセラレータのビットマップの転送速度はUIが求める60fpsを実現するにあたっては、それほど十分な性能を持っているわけではない。アプリ側でチューニングを施すことでユーザに気持ちよく使ってもらえるUIを実現することが可能となる。これは組み込み技術者がよくやってきたチューニング方法の一つである。
ハード性能とソフト性能のバランスを保つためのソフトチューニングは永遠の課題であると、再認識した。Appleでさえ、クリアできていない。Androidのフラグメントがよく取り上げられるが、アプリ開発者にとっては、Androidだけにそういった問題がある訳ではなく、iPhone/iPadにも根強く残る問題なのである。