Solitude Standing

 連休中満開だった桜がすっかり葉桜になってしまった。近所の桜並木も遠目に茶色く変貌していた。
 さて繰り返し述べているが、共通教育の英語文化演習という科目では10年近くロックやR&Bの歌詞を文化的背景も含めて読むという事をやっている。テキストは自分で選曲してプリントして配っている。
 半期20数曲の中から受講生に希望曲を出させ、1曲につき2名に絞って、毎回2曲程度発表してもらっている。
 読んで訳して、それなりに解釈をして、質疑を受ける。その後曲を聴くようにしている。それが昨年からYoutubeを利用するようになって圧倒的に便利になった。CDやテープ(まだ使っているんです)を用意しなくていい。画質は今一だが、当該曲の別バージョンや、当該ミュージシャンの別の曲も見る(聞く)事ができる。
 20数曲をラブ・ソング、プロテスト・ソング、ゴスペル風、ベトナム戦争など、8つくらいの章に分けています。その中で孤独を歌った曲を集めてSolitude Standingと名付けた。
 これは1987年のスザンヌ・ヴェガのアルバム名で、その中で児童虐待を扱った"Luca"が注目され、"Tom's Diner"がそこそこヒットした。
 この"Tom's Diner"はスケッチ風の淡いラブ・ソングで気に入っている。学生に聞くとあまり感心しないようだ。ビートルズのように受講生からの発表希望はない。
 この曲は、若い女性がダイナーでコーヒーを飲んで新聞を読んでいる、それだけなのだが、ダイナーの主人と常連らしき女性客との交流、外の雨から恋人と行ったピクニックで雨に降られた事を思い出すなど、さりげない描写が悪くない。このような淡彩の表現のニュアンスと、ドラマチックな表現の安易さなどを学生に説明できればいいのだが。
 教室にノート・パソコンを持ち込んで、モバイルでネットにつないでいるので、ダイナーってどんなお店なのか、とかシームのあるストッキングなど、言葉で説明するのには苦労するものが画像で見せると分かりやすい。