今日のネタ

「はてな内での浅田彰氏のコメントまとめ@ARTIFACT」
先日の浅田さんのコメントについて、id:kanoseさんがおまとめになっております。本人の可能性が濃厚とのこと。そして、それを受けてのkwktさんのコメント。chikiは、「今回」の批判の主が本人であるか否かを問わず(ご本人だと思いますが)、そのような批判やデメリットについて、すなわち昨日のコメント欄にて受けたような指摘の要点については常々考えておりましたので、改めて省みる良いきっかけになりました(コメントをくださった皆様、本当にありがとうございます。それと、むなぐるまさん、長い間お疲れ様でした)。より立場を明確にするため、少し長くコメントを。


例えばid:kwktさんのイベントレポのモチベーションは、ご本人が「地方」出身者であることもあり、「地方の人にも最新の知を」というところにありました(「地方」では、講演会などのイベントがほとんどないそうです)。chikiのモチベーションも、当初大学生であったこともあり、「出不精な学生に、もっと刺激的な知を」というところにありました。つまり、こういうサイトを開設したのは、id:kwktさんもchikiも、相応のメリットを意識していたからです。しかし当然ながらリスクもある。仮に一字一句もらさずに記述出来たとしても、そのレポと本人執筆の文章をフラットに扱われては問題があるし、また、それもインターネットの「可能性」なのだ、という話をしたとして、その「可能性」を使いこなせる人材・状況がなければ意味がない、という事実もある。


メリットに関して言えば、例えば緊急集会の模様など、短期間で波及効果を望むものはレポをした方がいいかもしれない。また、質の高いレポを書いたため、「半・公式」というようなお墨付きをもらったサイトもいくつかある。ゆえに「レポートは一切しません」とは宣言しませんし、「レポートはすべからくやってはいけないことだ」、という意見になったわけではありません。「浅田彰」氏の発言も、「そういうシステムによって縛りをかけるべきだと言っているのではありません。そういう反動的な主張に対抗するためにも、ひとりひとりがもっと正確さを期して責任をもった発言をすべきだと言っているのです」とあるように、レポは悪だと言っているものではないと捉えています。しかし、サイトを運営しはじめてしばらくたち、多くの反応を見ていくうちに、現在の形ではメリットよりデメリットの方が気になりだしたので今は控えている、という状態です。つまり、id:x79xxxさんがおっしゃるように間違いを指摘する自由があったとして(それは、既にあるのです)、しかしそれはその自由を行使する人がいることが前提なのですが、そういう人は思ったより少ない、そして本人が行うのはあまりにしんどいというのが、いち元(?)レポ系サイト運営者の感想です。


これからは、イベントや講演会の「公式」なレポがネットにアップされる機会も増えてくるでしょう。また、もしかしたら特派員システムのような形で、ボランティアの人が文字お越し、メモ書きをし、それを受けて講演者が加筆し掲載する…という形を取ることで数日でアップすることが可能になる、というフローも夢ではないかもしれませんし、今こそ誰かがそういうサイトを開設するべきなのかもしれません(グーテンベルグ計画のイベント版?)。その点を含め、今後、色々と考えていきたいと思います。


なお、サイト開設時のモチベーションは現在、chikiの場合は多くのリンクを紹介することによってある程度満たされていますし、自分がレポを書くコストを払うよりは、むしろより多くのリンクを紹介した方が有意義とも考えたりしてます。



「ビデオジャーナリスト神保哲生のブログ」
ジャーナリストであり、とても啓蒙されるニュース動画配信サイト、「ビデオニュース・ドットコム」の運営を行っている神保哲生さんのブログです。貴重な情報とバランスの取れた意見を読むことが出来ますので、ブックマーク必須です。また、こちらのメルマガ、「神保哲生氏インタビュー「メディアの現状と良質なジャーナリズム」」にて、神保さんのスタンスやサイトへの意気込みの一片をうかがい知ることが出来ます。まる激つながりということで、「宮台真司さんの発言ライフを振り返るインタビュー」もどうぞ。


「新春座談会「思い出づくりのいま」」
哲学者の鷲田清一さん、美術家のやなぎみわさん、女優の藤谷文子さんによる、「思い出づくりのいま」という鼎談。一見すると「今の若い人は…」というお話。


「エイプリルフールで2chの日付が板ごとに変わっている」
まとめられております。不思議な文字列。


「整形ボタン ver 0.25」
無駄な改行の一斉削除など、テキスト整形が出来るフリーソフト。まさにこのソフトが欲しかったのです!

補足

上記コメントに対してid:using_pleasureさんから

そんなに気張らんでも、どこぞのwikiを使って(うちのwikiでも構わんし)イベント参加者であれば(べつに参加者でなくとも)誰にでも投稿内容を修正可能な状況にしてレポすればいいんじゃないかな。
世の中にはいくら待っても詳細が浮上してこないイベントなんてのは山のようにあるし、そういうのは待っててもしょうがないのだから、誰かがレポしてくれるに越したことはないと思う。けれど、それは情報の流れが一方通行になってしまいがちなブログでやるのではなくて、基本的に誰に対しても(もちろんイベントの登壇者本人にも)編集可能性が開かれたwikiをベースにして行えばいいのだと思うよ。結局情報の正確さというものが個々人のバイアスに依存する以上は、共同編集によって少しづつ暫時的に情報を修正していくしか手段はないと思う。

http://d.hatena.ne.jp/using_pleasure/20050406#1112753524

というご意見を頂きました。貴重なご意見、本当にありがとうございます。せっかくなので、もう少しの間、より公正でクオリティを維持することの出来るイベントレポサイトのシステムについて考えたいと思います(ここには前提として、ネットで講演などを読めることが良いことだ、という考えがあります)。実はchikiも、wikiの「誰もが簡単に手を加えられること」のメリットも考慮しており、そのうえで「自分がレポした快楽」を欲しがるからブログで行っている人が多いと思うので、wikiからレポーターをURL付きでランキング付けしてみるというのもアリかもしれない、などと考えていたりもしました。ただ、上記でwikiについて触れず、一見古臭い形のやりとりのみ提示したのは、場合によっては本人が編集したのを、聴講者が「それは違う」とさらに手を加えることがあったりすると恐ろしいな、なんて思いついたり(苦笑)、編集途中に読んだ人が誤解する可能性、およびに編集する者のリテラシー等について考えていたからです。現時点のwikiでは、「発言者の意向」を尊重出来るかどうかちょっと疑問が残っています。でも、重要なヒントになると思います。もちろん、「そもそもそんなもの(イベントレポ)なんてない方がいい」という考えもあると思うので、慎重に考察したいです。
あと、当然ですがこういう「案」があったとして、それを実際にシステム化できる人も必要になるんですね。そのあたりのバランスも吟味する必要がありますね。