或る日の”ム・ロ・ラ・ン*「八景」、に想いを寄せて


室蘭市が定めている*「室蘭八景」が決まったのは、昭和45年のこと室蘭市と室蘭観光協会による選考委員会が市民に呼びかけ投票されたものの中から選ばれて後、決められました。市民によって選ばれた八景とは、*「地球岬」*「測量山」*「トッカリショ浜」*「マスイチ浜」*「大黒島」*「金屏風」*「銀屏風」*「測量山からの夜景」然し室蘭には八箇所では納まらない沢山の見所(View Point)が在ると思います。
(国道37号線のルートが切り替わる前の景色「本輪西」側からの「測量山」)(地球岬灯台の画像は灯台守の居住棟が残っていた秘境感が、漂う頃のものです。オシャレな展望台もまだ出来上がって無かった)

だが折角の「室蘭八景」もベストに保全されているとは言えない。人々の生活の有り様、或いは都市計画其の物の問題で設計デザインの拙さから”我が町ムロラン”の修景の地も、いかにもシュールな醜景の地に変えられてしまう。
そもそも八景なる考えは、中国の瀟湘八景(しょうしょう はっけい)から来ていると言われている。
瀟湘八景は中国で伝統的に詩・画作品の題材になってきた湖南省の名所水景の地である。北宋の時代(11世紀)に活躍した画家、「宋廸(そうてき)」が二つの河の瀟水(しょうすい)湘江(しょうこう)が合流して、さらに他の川も流れて洞庭湖(どうていこ)が作られる辺りの景色から八通りの画題で「瀟湘八景図」を描いて世に表したのがはじまりで、「宋廸」が描いた八つの景観と言うのは・・
1)『山市晴嵐(さんしせいらん)』市の賑わい
2)『遠浦帰帆(えんぽきはん)』遠く海上を帆船が行き交い港に戻る様
3)『漁村夕照(ぎょそんせきしょう)』のどかな漁村の光景
4)『遠寺晩鐘(えんじばんしょう)』ひっそりとした山間の寺と鐘の音
5)『瀟湘夜雨(しょうしょうやう)』シトシトと降る夜の雨
6)『洞庭秋月(どうていしゅうげつ)』湖上に月明かりが映され浮かぶ様
7)『平沙落雁(へいさらくがん)』砂浜に雁が舞い降りるところ
8)『江天暮雪(こうてんぼせつ)』山に雪が降り積もる様子

八景なる思想は鎌倉時代頃に日本に入ってきているが、当時の日本人にとって中国は先進文明の憧れの国であり入ってくる詩文や絵画などの作品文物を通して瀟湘八景の地に想いを馳せていた。いつの世も美しい場所、名所旧跡の地を訪れて見たいといった願望は同じだと思う。私自身も、遠方から友人が訪ねてきたら、室蘭の美しい風景の場所に案内したいと思うし、絵は上手では無いが下手なりに室蘭の風景を描き”我がまちムロラン”の八景図を表して見たいと思っていた事がある。だが、あまりに都市の様相が似つかわしくなく、がっかり意気消沈してしまった。室蘭の景勝地は今も美醜混然とした状態が在ると思うが、出来る事なら沢山の景勝地を遺し街も美しく築き上げて貰えたならと・・・・・
《高平町(たかひらちょう)の高台から蘭東の夜景パノラマ見る。宇宙に巨大な鏡が有って地球の姿を映して見たら、・・・》

参考 フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』八景・瀟湘八景の項目
http://www.kyohaku.go.jp/jp/dictio/data/kaiga/70shosho.html「絵画のお話」瀟湘八景図を楽しむ