「オルセーのナビ派展」  ヴァロットン

6日に都心で呑み部の集まりがあったので、東京駅(三菱一号館)まで出かけてナビ派展を観てきた。
前日にフランス返りのユキオ君に本を上げてから話しこんだ時に、ボクが学大赴任翌年にヨーロッパに行った際に、パリではオルセーには行かずにオランジュリーとかモロー美術館に行ったという話になった。
理由はオルセーにある絵画はいずれ日本で観る機会があるだろうけど、オランジュリーのモネの巨大なスイレンの絵やモローの絵は日本では見るチャンスが少ないだろうという判断からだった。
その流れというわけでもないのだけれど(暁斎展にも惹かれていたし)、現在近場で観られる美術展の中で一番観たいものにした次第。
(ルオー(とマチス展)もやっているのは知っていたけれど、何度も行ってるので除外した。)
結果は大成功の選択で、ものすごく充実した時間が過ごせた(お蔭で後半の2・3の部屋はジックリ観られなかった)。
観終わると1700円の入館料も高価とも思わなかったし。
そもそも素人たる身にはナビ派と言われてもピンとこなかったけれど、丁寧な解説が付いているので学習しながら観ることができたので納得できた。
印象派も含めた当時の絵画がリアリズムに閉じていたのに反し、ナビ派ゴーギャンの影響下でリアリズムを超えようとする模索がよく伝わってきた。
ドニ、ボナール、ヴァロットンなどは知っているものの、ベルナール、セリュジエ、ルーセル、ヴュイヤールなどという名前の画家など聞いたこともなかったけれど、解説のお蔭で理解した気になれた。
結城信一という作家が「ボナールの庭」という小説を書いていたのは覚えているけれど、「庭」がナビ派が好んだ素材だったというのは「庭の女性たち」という表題の展示室でよく分かった。
以前話題になったヴァロットンの「ボール」という不思議な作品は、中心的に描かれている子供に合わせてか「子ども時代」という展示室に置かれていた。
ハッキリ言って作品として評価しにくいものも展示されていたけれど、魅入ってしまうものも少なくなかったので飽きることは無かった。
おススメ! 5月21日までです。