「Loser's Parade」

for さえない日々

カッコイイナイト3@高円寺ShowBoat

毎年、夏、高円寺のショーボートでカッコイイナイトというイベントを福島ピートさんと企画してきましたが、今年も開催が決まりました!
http://sakerock.com/room/itou/log/eid62.html

と伊藤名人が宣伝してたので行ってきました。場所は、翌日阿波踊りが開催される高円寺。前夜祭ということもあって駅周辺はいろいろ騒がしかった。そういえばShowBoatって久し振りだー、と向かったのですが、最近来ない間にいろいろと新しい店ができていたりと変遷しておりました。東京の街は激しくうつろう。
開演時間になって主催者であるピート氏と伊藤名人がステージに上がりなんとなくの挨拶をしてイベントはスタート。こぼれ話としては「前回は“2”ということでデュオにこだわっていたので“3”ではトリオを呼ぶと宣言してたのにすっかり忘れてました」と伊藤名人談。「それ、覚えてたのに…」とはピート氏談。

4月にライブを見て、あまりのかっこよさにぶっ飛んだ、Cool Wise ManのミニバージョンのLittle Wise Man

1番目は「新人です!」を連呼していたLittle Wise Man。Cool Wise Manという母体を全く知らないのでミニバージョンがどういう変化を遂げているのかはわからない。音はレゲエ、ダブ、スカあたりの緩い横乗りの曲。他の濃いバンドに比べると安定して落ち着いた印象でした。

俺はグッドラックヘイワ野村卓史と10年前に組んでいたバンド、「ON THE ON THE BUSH」を再結成して出演します!
再結成ブームなので、その波に乗ってしまいました。
5人組の超カッコイイファンクバンドです。
源君はサケロック結成前、このバンドを見て俺をサケロックに誘いたいと思ってくれたそうです。そんな思い出たっぷりのバンドです。

2番目に早々登場した、今回の目当てであるON THE ON THE BUSH。グッドラックヘイワの二人にギター、ベース、ボーカルを加えたファンクバンド。ベーシストは10年ぶりにベースに弦を張ったとのことでしたが、地力があるためかそんなブランクを全く感じさせない。そして和田アキ子ばりのファンクネスボーカルがあまりかっこいいとは言えないルックスも相まってなんだかちょっと面白かったり。伊藤名人は忠実にビートを刻んでいたのに対し、野村氏が非常に楽しく激しく鍵盤を弾いていたのが印象的でした。「12月もライブをやる計画をしてます!あとホームページも作ります!(メンバーざわざわしだして)…まだメンバーには言ってなかったんですけど、作ります!」との発言から、一番楽しんでいるのは野村氏だと確信。先走り具合に顕著でした。そういやこのときに特に感じたんですけど、今回のライブ(というか、これくらいの規模でやるイベントのとき)は身内客が多かった気がしました。まぁ、それは当然と言えば当然なのですが、今回は10年前にやっていたバンドの再結成ということもあり、昔を懐かしんだ+久々にor初めてバンドでステージに上がる出演者の姿を見に来た人が多かったのでしょう。「今日は両親も双子の弟も嫁も来てます」ってボーカルの人言ってたし。あ、肝心の音はまさにファンクで楽しかったです。特に野村氏のメロが面白かった。

今回は濃いミュージシャンを集めようと思って浮かんだ名前がイルリメさん。

多分今回のイベントではアウェイだったはずなのに、今回一番持っていったのがイルリメ。この人のエンターテイメントっぷりはスゴい。百戦錬磨でこんなアウェイ空間は慣れ切ったものなのか、求心力が強すぎる。「ドラムを叩きながらラップをする」「お客さんを上げてサンプラーを演奏させる」「小道具が続々と現れる」「リスナーのお便りを紹介する」などなど、正統派とは言えないHIP HOPではありますが、だからこそ惹きつけられ、最後の『トリミング』ですべてを頂いていく感じ。こんだけ狭いとこで見るのは、それこそ7年前の京都メトロ以来なのですが、スゴかった。

そして、ファンクといえばハマケンの在日ファンクも出てくれますぜ。

まさかのトリの在日ファンク。在日ファンクって、そういや2年くらい見てなかったんですけど、スタイルが完成されつつあってなんだか笑ってしまった。「うわ、かっこいいけどなんかむかつく」というなんとも迷惑な感情です。ハマケンのJB魂炸裂で煽り方までキメていた。いや、音はいいのですよ、音は。スゴいシャープで。なんだろう、このなんとも言えないもやもやは…。ひとつ言うならば『段ボール肉まん』というワードがもう古くて最早元ネタもおぼろげだと思います。最後はまさかのアンコールもあり『京都』で〆。あー、バカバカしかった。


もしかしたらわりと身内向けのイベントだったのかもしれない。そして、自分は部外者だったのかもしれない。だけど、どうしてもグッドラックヘイワ、ひいてはサケロックの原型ともいうべきものを見てみたかったのです。20歳くらいの若者がファンクに行くっていうのが不思議だなぁ、なんて思っていたのですが、あくまでそれは主観的考え。周りが様々な音楽を受け入れる環境だったのだな、と。どうしてもロックしか頭になかった自分は凝り固まってていけない。10年前の一片を垣間見れていい経験でした。ま、なんだか続けていくっぽいですけど。