Google Analyticsでの申込みフォーム改善
Google Analyticsを使ったフォーム改善について色々考えたので、まとめたいと思います。
申込みフォーム改善(EFO)というと、専用のツールもあるかと思いますが、GAでできたら分析の幅も広がるし、いいなぁと思っていました。
様々な本を読んでみると、できそうなことは分かったのですが、正直プログラムが分からない著者は実装方法が分かりませんでした。。。
で、いろいろ試してみたらようやく取得できているようなので、備忘録を兼ねてメモッておきます。
概要
バーチャルページビューを使って入力フォームにカーソルを合わせたタイミングとカーソルが離れたタイミングで数値をカウントします。
カーソルを合わせたタイミング→入力開始数
カーソルが離れたタイミング→入力完了数
と定義して、その差やナビゲーションサマリー、滞在時間などを確認することで、ユーザーがつまづくポイントを特定(仮説立て)しようというものです。
フォームにフォーカスした数を把握する
こんな形でonFocusを用いて、数値を取得します。
カーソルを合わせたタイミングで /form/name/start.html というページが1カウントされます。
<input type="text" name="example1" onFocus="javascript:_gaq.push(['_trackPageview', '/form/name/start.html']);">
フォームからカーソルが離れた数を把握する
今度はonblurを用いて、数値を取得します。
カーソルが離れたタイミングで /form/name/finish.html というページが1カウントされます。
<input type="text" name="example1" onBlur="javascript:_gaq.push(['_trackPageview', '/form/name/finish.html']);">
2つを一緒に記述する
それぞれの項目について、カーソルがフォーカスした数と離れた数を把握する必要があるため、上記2つのソースをがっちゃんこします。
<input type="text" name="example1" onFocus="javascript:_gaq.push(['_trackPageview', '/form/name/start.html']);" onBlur="javascript:_gaq.push(['_trackPageview', '/form/name/finish.html']);">
実際に数値を確認してみる
GA上ではこんな感じで表示されます。(数値はダミーです)
これを見るとメールアドレス(mail)項目のstartとfinishの数に差があり、離脱率も高く、滞在時間も長くなっており、ユーザーはメールアドレスの入力でつまづいている、という仮説が立てられます。
改善案を考える
メールアドレスの入力で離脱してるユーザーが多いため、この項目に対する改善を行い、その改善策の効果を検証します。
注意点
この方法を実施すると、カーソルがフォーカス、離れたときにPVがそれぞれカウントされるため、過去のデータと比較するとPV数が増えることが予想されます。
会社によっては総PVを定期的に報告することもあると思うので、これを回避するために新たなプロファイルを作成し、formに絞ってPV数をカウントすることをオススメします。
まとめ
というわけで、自分なりに考えてみたのですが、これが最善とは思っておらず、さらに質の高い分析手法もあるのかな、と思っています。
私も実際の案件で試してみつつ、もし、こういう手法もあるよって言う方がいらしたら、教えていただければ幸いです。
evar7の勉強会に参加してきた
サイトカタリストのユーザー会「evar7」に参加してきました。
ユーザー会といっても内容はサイトカタリストに偏ったものではなく、広く利用できる考えや分析手法の紹介などがあり、とても参考になりました。
以下、メモをとった箇所です。
UX向上のためのA/Bテスト推進事例
このセッションではA/Bテストの考え方などを楽天島田さんが説明しました。
- A/Bテストは結果を見るだけではなく、必ずユーザーの分析を一緒にし、因果関係を明らかにする。
- これを行うことによって、他の施策にも応用が可能になる。
- 改善策を検討するときは、「実現可能性」、「コスト」、「予想される効果」の3つの軸でバブルチャートを用いると評価しやすい。
- A/Bテストの最適化のステップは、全体最適化→セグメント最適化→自動最適化
UX分科会中間レポート
このセッションではUX分科会のメンバーの方が今までの経緯や活動内容などを説明しました。
- 分析のステップは5つのステップで行う
- 整理 ゴール設定、コンテンツ整理
- 分析 セグメント、ギャップの分析
- 仮説 ユーザーシナリオ
- 改善
- 検証 導線、コンテンツ
- セッションベースではなく、顧客ベースで長期的なエンゲージを考える
- そのためには、顧客満足度を測るKPIが必要(例:購入後再来訪、再購入など)
- 優良顧客顧客を分析し、CVに至らなかったユーザーとのギャップを分析する(見ているページ、キーワードなど)
- ユーザーにアクションさせるためにチェックする3つのポイント
- コンテンツの質
- クリエイティブ
- 導線
この中でアクセス解析で改善することができるのは「1」と「2」
- コンセプトダイアグラムを作成する際のコツ
- コンバージョンを起点にその前後を考える
- ユーザーの行動ベース/思考ベースで考える
- 自サイト以外の行動も想像する
- コンバージョンをした後の行動も想像する
- 登場人物の利害関係を軸にする
- PVが高いがゴールに貢献していないページを改善する
感想
とまぁ、メモなどで若干分かりにくい箇所もあるのですが、この会を通じて僕が一番思ったことは、セッションでの分析からユーザー単位の分析が本格的になってきたという点です。
アトリビーションもそうですが、それ以外のサイト内行動/アクションについても点数をつけ、スコアリングをしていくことが大切になってくると思いました。
そして何よりも、このような似たような仕事している人たちが集まっている場に参加すると、モチベーションがかなり上がりますね。
さぁ9月も頑張ろう!
「問題解決プロフェッショナル」を読んだ
問題解決の本は何冊か読んだ気がしたのですが、
問題発見の本は読んだことがなかったので読んで見ました。
前半部分で考え方などの概念的な説明があり、後半でさまざまな分析手法が具体的に語られている構成です。
ウェブアナリストの仕事って、主にアクセス解析を駆使しサイトの問題点を探す→改善策を作る→実行につなげる ことが仕事だと思っているので、その辺りの知見を得ることを期待し読みました。
以下、参考になった箇所。
問題とは
問題とは一言で言うと「目標(あるべき姿)と現状のギャップ」である。
したがって、現状とギャップのない目標からは問題が発生しない。
問題を明確にする
ビジネス上の解決策のクオリティは問題発見の段階ですでに相当の部分が決定づけられている。
問題が明確になれば、解決策の精度が大幅に向上する。
問題発見ができない4つの理由
1、問題を定義する前提の「あるべき姿」を、的確に描けない
2、「現状」の認識・分析力が低く、正確な把握ができない
3、「ギャップ」の構造を解明して、問題の本質を具体化・優先順位付けすることができない
4、実行可能な「解決策」から逆順で短絡的に問題をとらえるために、拡がりを見失う
問題発見の4P
1、Purpose(目的軸)
2、Position(立場軸)
3、Perspective(空間軸)
4、Period(時間軸)
問題をとらえるにあたってはこの4Pに当てはめて整理してみると、「あるべき姿」がどのようなもので、そして「問題」が何なのかが以前よりもクリアに見える
感想
問題の定義(目標(あるべき姿)と現状のギャップ)の部分を読んで、アクセス解析のステップやプレゼン資料のまとめ方、自分の頭の中でなんとなく理解していたことがクリアになった気がしました。
当たり前と言えば、当たり前なのですが、、、
現状が把握できていないと、そもそも何が問題か分からないし、
あるべき姿を定義していないと、誤った方向に進んでしまう可能性があるし、
問題(ギャップ)をしっかりと分析しないと、根本的な解決はできないだろうし、
これは、業務に限らず、今後の自分のキャリアを考えるとき、はたまはダイエットをするとき(笑)など
大抵のことはこのように、「現状把握」、「あるべき姿の定義」、「ギャップの分析」という考えが通用すると思いました。
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「仮説思考」を読んだ
WEBサイトやデジタルマーケティングの改善、もといデジタル以外であっても、仮説の構築とその検証が不可欠だと思っています。
特にデジタル領域は施策の結果を把握しやすく、かつ改善も比較的簡単にできることもあり、この辺りの仕事がWEBアナリストの仕事の1つだと思っています。
ということで、前置きが長くなりましたが、「仮説思考」という本を読みました。
読むにつれ、アクセス解析関連の本で書かれていること同じような思考方法やプロセスが紹介されていて、驚きました。
本を読んだ後、今まで行っていたアクセス解析のプロセスはある程度間違いではなかったことが分かり、この思考方法は他の分野、職種でも活かせるとも思いました。
以下特に参考になった箇所。
まず仮説ありき
仕事の進め方で大事なことは答えから発想することだ。
課題を分析して答えを出すのではなく、まず答えを出し、それを分析して証明するのである。
情報コレクターではアクションにつながらない
分厚い報告書を作る手間だけでも大変だし、結局は実際のアクションにつながらない、意味のない報告書になることが多い。
それどころか意思決定を遅らせる元凶にもなりえる。
わずかな情報から全体像を考える
手元にあるわずかな情報で、
「現状分析をするとこんな結果が得られる。その中でも真の原因はこれで、その結果としていくつかの戦略が考えられるが、最も効果的なのはこの戦略だ」
というストーリーを、十分な分析や証拠のない段階で作り上げる。
この場合、自分が作ったストーリー、つまり仮説を検証するために必要な情報だけを集めればいいので、無駄な分析や情報収集の必要がなくなり、非常に効率が良くなる。
間違ったストーリーを作ってしまう可能性
間違ったストーリーを作ってしまった場合は、証拠集めを始めた段階で、仮説を肯定するような証拠がなかなか集まらない。そのため自分の作ったストーリーが間違いであることにすぐ気づく。
環境変化への対応力がある企業
まず仮説を立てる。そして、その仮設を事前に徹底的に調べるのではなく、ある程度めどが立った段階で、後は実施して検証したほうが早い、という考え方が浸透している。
仮説思考の2つのステップ
1、問題発見の仮説
2、問題解決の仮説
仮説の進化
仮説→実験→検証は、繰り返せば、繰り返すほど良い。繰り返すことによって仮説が進化していく。
立ち止まって考えるよりも、とりあえずの答えをもって、実験するという方法も有効。
実験によって検証し、さらに良い仮説をつくり、さらなる検証によって仮説の精度を高めていくことが肝心。
よい仮説の条件
・掘り下げられている
→仮説を立てるときは常に「SO WHAT?(だから何?)」を考えて、具体的になるまで仮説を掘り下げる
・アクションに結びつく
まとめ
こうまとめてみると、かなりアクセス解析と近しいですね。
最後の「よい仮説の条件」の箇所なんてKPIを定めるにあたっての注意点とまったく同じですね。
(詳しくはこちらWebアナリスト養成講座レビュー(5) - Web Analystの日記)
このような仮説検証のアプローチが多くの企業で浸透すれば、私たちの仕事ももっと理解されるのですがw
そのためにもまずは社内・社外の啓蒙活動ですね!
- 作者: 内田和成
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プログラムの分からない初心者がGoogle Analyticsを使いこなすための備忘録
GAのタグ埋め込みのディレクションを行う際、その度にはてぶやGAに関するブログを見て、制作担当者にコードを連絡して、というやり取りが面倒くさくなったので、よく使うコードを備忘録としてまとめようと思います。
コードはすべて非同期コードです。
※このブログを見てGAがうまく動作しなくても責任は取りかねますので、悪しからず。
また、まとめるにあたって様々なブログを参考にさせていただきました。
ありがとうございました。
1.バーチャルページビュー
外部サイトやPDFなどのリンクに設定することで仮想的なページとしてaaa.htmlがカウントされます。
イベントトラッキングと異なりページビューとしてカウントされます。
<a href="#" onClick="javascript:_gaq.push(['_trackPageview', '/aaa.html']);"></a>
2.イベントトラッキング
外部サイトやPDFなどのリンクに設定することでイベントとしてカウントされます。(ページビューはカウントされません)
新しいバージョンからはイベントもゴールとして設定できるようになりました。
<a href="#" onclick="_gaq.push(['_trackEvent', 'category', 'action', 'opt_label', 'opt_value']);">bbb</a>
_trackEvent() メソッドの仕様
- category(必須) トラッキングするオブジェクトのグループに付ける名前。
- action (必須) 各カテゴリとペアになる固有の文字列。
- opt_label(オプション) イベント データにディメンションを追加するためのオプションの文字列。
- opt_value(オプション) ユーザー イベントに関する数値データを指定するために使用できる整数。
詳細はgoogleのページをご覧ください。
http://bit.ly/1r0i3A
3.広告設定
バナーやリスティング、メールなどからの流入を把握するには以下のようにパラメーターを設定する。
?utm_medium=cpc&utm_source=yahoo&utm_term=keyword1&utm_content=01b&utm_campaign=summer11
各パラメーターの説明とGA上で表示されるレポートは以下の通り(WEB担当フォーラムの記事の表を抜粋しています)
詳細はWEB担当フォーラムの記事をご確認ください
http://t.co/etrgsPq
4.スクロール計測
ページの何%までスクロールされていたかが分かるようになります。
縦長のランディングページやブログなど活用できるかと思います。
スクロール量はイベントとして記録されます。
詳細はWeb Analytics Or Dieを参考してください。
http://bit.ly/fmZPsk
5.サイト速度
読み込み速度が最速のページや遅いページが分かるようになります。
通常のタグに
_gaq.push(['_trackPageLoadTime']);
を追記します。
追記後のコード↓↓
<script type="text/javascript"> var _gaq = _gaq || []; _gaq.push(['_setAccount', 'UA-XXXXX-X']); _gaq.push(['_trackPageview']); _gaq.push(['_trackPageLoadTime']); (function() { var ga = document.createElement('script'); ga.type = 'text/javascript'; ga.async = true; ga.src = ('https:' == document.location.protocol ? 'https://ssl' : 'http://www') + '.google-analytics.com/ga.js'; var s = document.getElementsByTagName('script')[0]; s.parentNode.insertBefore(ga, s); })(); </script>
詳細はgoogleのページをご覧ください。
http://bit.ly/jhXTD6
6. 検索エンジンの追加
GAが認識する検索エンジンはデフォルトではgoogle、yahoo、bingのみとなっています。
しかし、実際にレポートを見ると楽天やgooなどの検索エンジンからの流入しており、
それらは全て参照元サイトとしてカウントされています。
これらのサイトを検索エンジンとして追加することが可能です。
詳細はCinciさまのブログをご確認ください。
http://cinci.jp/report/google-analytics-001.html
7. gaAddons.js
gaAddons.jsを利用すると上述した外部サイトへの送客などをリンク部分のコード修正なしで、自動的にカウントしてくれるようになります。
自動で計測できる値は以下の通りです。
詳細はMarkeZineのページをご確認ください
http://bit.ly/gnxfxe
8. EC
ECサイトで購入数や購入金額を把握するためには注文完了ページに以下のようにコードを挿入します。
<html> <head> <script type="text/javascript"> var _gaq = _gaq || []; _gaq.push(['_setAccount', 'UA-XXXXX-X']); _gaq.push(['_trackPageview']); _gaq.push(['_addTrans', '1234', // 注文番号(必須) 'Acme Clothing', // ショップの名前 '11.99', // 合計金額(必須) '1.29', // 税金 '5', // 送料 'San Jose', // 都市 'California', // 地域 'USA' // 国 ]); // add item might be called for every item in the shopping cart // where your ecommerce engine loops through each item in the cart and // prints out _addItem for each _gaq.push(['_addItem', '1234', // 注文番号(_addTransと同じ) 'DD44', // 商品ID(必須) 'T-Shirt', // 商品名 'Green Medium', // カテゴリー '11.99', // 商品単価(必須) '1' // 個数(必須) ]); _gaq.push(['_trackTrans']); //submits transaction to the Analytics servers (function() { var ga = document.createElement('script'); ga.type = 'text/javascript'; ga.async = true; ga.src = ('https:' == document.location.protocol ? 'https://ssl' : 'http://www') + '.google-analytics.com/ga.js'; var s = document.getElementsByTagName('script')[0]; s.parentNode.insertBefore(ga, s); })(); </script> </head> <body> </body> </html>
複数商品がある場合は以下の部分を商品の数だけ追記します。
_gaq.push(['_addItem', '1234', // 注文番号(_addTransと同じ) 'DD44', // 商品ID(必須) 'T-Shirt', // 商品名 'Green Medium', // カテゴリー '11.99', // 商品単価(必須) '1' // 個数(必須) ]);
詳細はgoogleのページをご確認ください
http://bit.ly/5XQNgA
10.読了時間の計測
ユーザーがちゃんとスクロールをしてページの最後までいっているかを確認できます。
詳細はカグア!をご確認ください。
http://www.kagua.biz/api/gar2e.html
11.データ保持期間
25ヶ月(は保証されています)
3年前のデータも確認できますが、保証はされていないようです。
「買う」と決める瞬間 を読んだ
リアル店舗におけるユーザー行動やインサイト、ベストプラクティスなどを紹介してる本です。
WEBサイトにも通ずるものがあるのかな、と思い読んでみたのですが、大ヒットでした。
リアルでもWEBでもユーザー行動が共通しているところもあり、書かれているな内容をECサイトなどに置きかえてもしっくり来るところが多かったと思います。
以下特に重要だと思ったところ。
買う物を決めるまでの時間が短い程、売上額は高くなる
1本の牛乳を買うために来店した人に、途中で他の商品も買わせようと店を歩き回らせても、さほど意味がないと。
これはECサイトなどでも言えることで、まずはユーザーが買いたいと思う商品をすぐに見つけられることが一番大切で、それ以降に他の商品も見てもらうようなサイト設計が良いのだと思います。
同様に、ユーザーの動きに逆らうのではなく、ユーザーが取りたい思っている行動に沿ったデザインをすることで、売上を増やせる可能性が高まる、とも書かれています。
3つの決定的瞬間
店舗での販売のプロセスは
「リーチ(目にとまる)」「ストップ(立ち止まる)」「クローズ(購入を決定する)」
の3つ。
売上にしか注意を払うのではなく、このプロセス全体を理解する必要がある。
3つの通貨
顧客は店頭で「お金」を使うだけの存在ではない。
「時間」もかければ、「悩み」も抱く。
なるべく早く商品をカゴに入れてもらうようにする。
より多くを買ってもらうことを期待して、店内に長く引き止めるのはNG
購入の決定要因は価格ではない
価格戦略も重要だが、それと同じくらいに商品を探しやすく、商品を選ぶ悩みを解消する無駄のない店舗作りになっていることも大切。
値引きの効果
値引き品を購入した人の51%は、それが値引きされていたことに気付いていない。
つまり、その人たちにとって、値引きは購入決定にまったく影響を与えていなかった。
値引き商品に気付いていた49%のうち40%は定価であっても購入していたであろうと答えた。
37%は別ブランドからの乗り換え。
通常購入するよりも余分に購入したのは23%程度。
階層的マーチャンダイジング
店舗に来る顧客は「急ぎの買い物」「買い足し」「まとめ買い」に分けられる。
そのそれぞれの行動パターンに対して、魅力的なで分かりやすい動線を作ることが大切。
選択肢(同系統の商品)が豊富にあってもダメ
選択肢を沢山与えると、困って判断がつかなくなり、何も決められなくなってしまう。
あるいは何か決めたとしても、選択肢は豊富にあったのだからより良いものがあったのでないかと、満足できずに悩んでしまう。
実際にアメリカでジャムの実演デモに関するこんな実験結果がある。
ひとつのテーブルには試食用を6種類
もうひとつのテーブルには試食用を24種類
用意した。
どちらも購入できるのは24種類。
24種類試食できるテーブルの方が人だかりができたが、実際に試食するジャムの数は大体同じ結果だった。
ところが、商品を購入するのは
6種類のテーブルでは試食した人の30%に対して、
24種類のテーブルは試食した人のわずか3%だった。
やはり選択肢をたくさん与えると決めるのに苦労するため、決めないことを決めしてまうと。
顧客行動のコントロール
店内で顧客の行動をコントロールすることは難しい。
たとえクーポンなどを使ったとしても、店側が来てほしいと思っている売り場に足を運ぶ顧客の数を大幅に増やすことは非常に困難。
顧客を売り場まで動かそうとするのではなく、商品を顧客のところに持っていく。
正当化行動
明らかに自分のためになると言える商品を買った後ならば、はっきり自分のためになるとは言えない商品を購入しても良い、という許可を自分に与える。
生鮮コーナーでブロッコリーや豆腐を買った後ならば、アイスクリームやケーキ、タバコを買うことができる、というようなもの。
まとめ
冒頭でも書きましたが、リアル店舗に関する本でしたが、ウェブサイトに置き換えても参考になる箇所が沢山ありました。
そして、本書で何度も触れられていたことが、ユーザーを正しく理解することです。
これもウェブサイトでも同じですね。
自分たちの顧客がサイト上でどのように動いているか、どこで迷っているか、どうして購入しなかったのか、などを知ることでサイトの改善につなげることができます。
ECサイトなど、WEB上で購買や申し込みができるサイトを運営している方が読むと、きっと参考になることがあると思います。
- 作者: ハーブ・ソレンセン,テイラーネルソンソフレス・インフォプラン監訳,大里 真理子,スコフィールド 素子
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「予想通りに不合理」を読んだ
前々から、ただツールから出てくる数値(what)を追うだけではなく、なぜ起きたか(why)を分析することがWEBアナリストの任務だと思っています。
それを遂行するに当たっては、ITやマーケティングの知識以外にも経済学や心理学などの知識も必要だと思い、ここ最近はこんな感じの本も読んでるわけです。
そしてこの本を読んだことで、アクセス解析や、そこから導き出すサイト改善案を考える際の何かしらのヒントを得たような気がします。
かなり有益な情報満載だったので、ここでは1つだけ紹介します。
私たちは身の回りのものを常に他のものとの関係で捉えている
以下の図をご覧ください。
有名な図ですが、真ん中の円の大きさは同じにも関わらず、周りの円の大きさによって、小さく見えたり、大きく見えたりします。
また、こんな例もあります。
とある会社が家庭用パン焼き機を販売したところ、消費者はその商品に無関心で、ちっとも売れませんでした。
そこで、マーケティング会社に相談してみると、こんなアイデアが提案されました。
それは、新モデルのパン焼き機を売り出すこと。しかも最初のパン焼き機より大型で値段は1.5倍のモデルにする。
すると、売上が膨らみ始めました。
ただし売れたのは大型のパン焼き機ではなく、当初ほとんど売れなかったモデルです。
この要因は、消費者が2種類のパン焼き機から選べるようになったためです。
一方のほうがはるかに大きく、はるかに高価なため、これまでのように比べようのないまま判断しなくて済むようになりました。
つまり、人間は身の回りのものを常に他のものとの関係で捉えている、ということです。
他にも人間が相対的な比較で行動する例が説明されていたのですが、このような行動は、ウェブサイト上で商品やサービスを売る場合、どのようにして自社の商品・サービスを魅力的にアピールするのかのヒントを与えてくれるような気がしました。
この他には以下の章があり、それぞれの章で人間が不合理に行動することを興味深い実験と共に説明しています。
- 需要と供給の誤謬
- ゼロコストのコスト
- 社会規範のコスト
- 性的興奮の影響
- 先延ばしの問題と自制心
- 高価な所有意識
- 扉を開けておく
- 予測の効果
- 価格の力
予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
- 作者: ダンアリエリー,Dan Ariely,熊谷淳子
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