ハートフルコメディ「ばらかもん」

 うーん、何かつけるとすればと「ハートフルコメディ」としたが、適切に表せているとは言いがたい...
 
 一度壁に突き当たった元気鋭の書道家が、逃げるようにしていった島で、人々と触れあい、様々なものを取り戻し,得ていくお話。
 全てに無駄がなく、かつ緩やかな雰囲気で物語が進んでいくあたり、橘正紀監督とシリーズ構成の横手美智子さんの手腕が光るところ。
 安定した作画と劇伴、中学二年生sたちをはじめとした演技の手堅さが、アニメーションでは難しい「ほんわかハートフル」な世界を、見事に構築させてます。
 描かれる風景がまさに夏,素晴らしい背景群で、リアルタイムで視聴していれば、さらに没入感高まったのではと思うと、後悔がある。
 
 主役の小野大輔さんは、これまで「華がなく主役向きでない」と散々こき下ろしてきたが、書道界を逃げ出した半田清舟をナチュラルな演技で好演した。
 
 未見の方は、是非見ていただきたい一作だ。
 
 ところで、これ、日本テレビの製作にもかかわらず、読売テレビにネットされない、良く目にするパターンとなった。
 関西のテレビ局は、東京のキー局への対抗心からか、派手目のもの以外は放送を嫌う方向にある。
 多くの場合凡作をはじき出すフィルターとして役立っているが、本作もサンテレビ行き。
 決して、目利きで選別してることではなさそうなこと、確認しておきたい。