たいけんびじゅつかん「木版画でにじいろ近江八景」を開催しました。
たいけんびじゅつかん「木版画でにじいろ近江八景」を2月23日(土)に開催し、大人と子ども合わせて22人の方にご参加いただきました。
2月のたいけんびじゅつかんは、木版画家のふるさかはるかさんを講師に迎え、現在開催中の常設展「版画の愉悦」の関連ワークショップを開催しました。
「近江八景」とは、室町時代から伝わる滋賀県琵琶湖南西部の景勝地を8つ選んで紹介したもので、その美しさを多くの人が和歌や俳句、絵画等で表現してきました。
江戸時代に歌川広重の浮世絵版画により一般庶民にも広がり、今にも伝わっています。
以南より「石山秋月(いしやまのしゅうげつ)」「瀬田夕照(せたのせきしょう)」「粟津晴嵐(あわづのせいらん)」「矢橋帰帆(やばせのきはん)」「三井晩鐘(みいのばんしょう)」「唐崎夜雨(からさきのやう)」「堅田落雁(かたたのらくがん)」「比良暮雪(ひらのぼせつ)」が挙げられます。
今回のワークショップは、常設展「版画の愉悦」で展示中の黒崎彰さんの木版画《近江八景》を中心に鑑賞した後、近江八景をテーマに、子どもたちが感じた近江八景の情景を、木版画で表現してもらいました。
初めに「近江八景くじ」を引きます。8つの名所の内どれか1つが自分の表現する風景になります。
現在の近江八景の写真と歌川広重の描いた近江八景を見ながら、近江八景とは何かということをみんなで知りました。
展示室では、黒崎彰さんと歌川広重の近江八景を見比べ、共通点と相違点を探しました。
子どもたちは、黒崎彰さんの表現した近江八景をじっくり鑑賞し、それぞれの風景を目に焼き付けました。
下描きの前に、近江八景の作品を思い出すため2分間目を閉じて、頭の中で思い浮かべました。
彫刻刀は初めてという小学1年生の女の子も一生懸命彫っていました。
「粟津晴嵐」に登場する膳所城をモチーフに選んでいます。
ふるさか先生が用意してくれた8色の水彩絵具のうち2色を選択し、グラデーションを作りました。
伝統的な木版画の摺り方を、子どもたちは回を重ねる度に上達していました。
最後はできあがった作品をみんなで鑑賞しました。
どの作品も美しく、それぞれが表現した近江八景は情緒のある風景で、季節や時間までも感じさせます。
近江八景に行ったことがない子どもも多かったようですが、アンケートでは好きな作品について「瀬田夕照」や「あわづのせいらん」と書いてくれていました。初めはよくわからず、無作為に選ばれた近江八景でしたが、子どもたちに興味を持ってもらえたようでよかったです。
子どもたちの作品は3月30日(日)まで常設展入口にて展示中です。子どもたちの感じた美しいにじいろの近江八景をぜひご覧ください。