14 November 2012 皆既日食

久しぶりに旅日記です。このブログでは初めての旅日記かな。
今回の旅で三つの初体験をした。
皆既日食、砂漠キャンプ、南国リゾート。
とにかくドタバタの旅で、病状とか諸々考慮して、行けないと思っていたが、やはり行きたいと思い立ち、ドクターの許可と薬を処方してもらい全てのチケットの手配完了が、4日前という無茶ぶり。パーティーは10日から16日なので、パーティーには完全に出遅れた形だ。
当然、日食地最寄りのケアンズからのエアーやレンタカーなんてある訳もなく、ケアンズを基準に南下する形でエアーと車を探し始め、Rockhamptonでやっとエアーと車が手配できた。しかも、車のリターンはケアンズ不可でRockhamptonリターンなので、往復約3,000kmを自走しなければならない。

まぁ、とにかく果てしない。北海道もデカいと思ったけどその比じゃない。カーナビの指示が、500km先を左折とか出てるし。
パーティ会場まで一日半で走破して、月曜の深夜に会場入りして、設営のみでとにかく寝る。
次の日朝目覚めてビックリする。

前日、明るい時の最後の景色がMisty Moutainという熱帯雨林だったのが、暗いうちに景色はガラリと変わっていて蟻塚が大量にあるサバンナだったのだ。
日差しは強烈で風が吹けば砂埃が舞う。皆既日食という目的が無ければ二度とごめんだ。 昼間はひたすらタープの日陰でまったりして、体力を温存して夕陽の頃からパーティ会場へ。

トランス、テクノを中心に五つくらいのステージがあるけど、四つ打ち自体あまり聞かない私は、もっぱらジャムやレゲエの生演奏のあるステージに居た。世界中から集まった人々やオブジェを見ているだけでも楽しい。

深夜前にはテントサイトに戻る。砂漠の良いとこは夜がとても過ごしやすいことだ。昼間の太陽は全てを焦がす悪魔そのもので月の砂漠とは言ったものだ。乾燥して空気が澄んでるので星空が凄い。皆既日食に備え月も新月に近いから暗くてより一層よく見える。眺めていて全く飽きないので、寝落ちするまでたゆたっている。
そして、いよいよ皆既日食

会場の一つに観測ポイントがあったが、こういう状況の時に人混みの中、私は見ず知らずの人の感動を間近で受け入れられるタイプではないから、テントサイトから見る事にした。

食が始まった瞬間、遠くから歓声が聞こえた。
そして、鳥達が一斉に鳴き始める。
皆既日食直前、夕陽の様に角度によって陽が弱くなるのではなく、光の量が少なくなるという不思議な感覚だ。
この時、肌寒いくらいになる。
まるで、ゴダールのワンカットのような色彩だ。

そして、いよいよ皆既。
周りを見渡せば360度夕焼けで、星まで出ている。太陽は完全に月に隠れコロナしか見えない。
皆既している二分間沈黙が流れ、終わった瞬間。


※私の携帯では限界があるので参考画像

遠くからの歓声と供にダイヤモンドリング
それを見た瞬間、一筋だけスーッと涙が流れた。
美しいのは間違いないが、何故ゆえ涙が流れたのか。
味覚以外の全ての感覚を刺激する初めての現象に私の感覚が付いて行けないのか。
これが圧倒的な自然現象故にというには違う気がする。
この感覚を確かめる為にも次の皆既日食に行かねばならない。
こうやって1人のエクリプスハンターが生まれた瞬間でもあった。
ごちゃごちゃ言わず、単純にまた見たいという気持ちが殆どだが。

帰りの道中ヒッチハイカーを拾って、危機を脱したのはこちらのエントリーで→Cairns to Rockhampton after eclipse - Psychedelic Travellin’ Sense