雨
昨日からの雨は降り続けている。
沈丁花も蕾を見せてる。
ちょっと早いのでは、と調べてみたら、沈丁花は春分前後に咲く花だと。
この沈丁花は蕾のままで春分まで持つのかしら。
わたしの頭の中では、なぜか沈丁花は梅雨時季のお花と覚えてしまっている。
霧のような煙のような、綿々とした細かい雨が降っていて、沈丁花の香りが漂う。
まだ学生だったわたしは、よくアルバイトの帰りに、沈丁花一枝を切り取って、枕元に生けてた。
それがわたしの生まれて初めての梅雨の記憶となって。
アジサイは梅雨のお花だと、これは正確だけど、
なぜ間違えて沈丁花を?地球の温暖化、もうここまで凄まじく?
知人に話したら、
とにかく雨だから、しかも、しとしとの雨なら、頭の中で勝手に梅雨だと処理してしまったんじゃないかと知人がいう。
なるほど、そうでしょうね。
それまでのわたしには、雨というと、もう暖かい季節にしかないものだから。冬や早春に、霧っぽい雨なんて、所詮ありえない。
だから全部梅雨だとなってしまうんでしょうね。
沈丁花の香り、待ち遠し。
午後、ふみと小学校の入学前のプログラム説明会へ。
保護者は視聴室で、子供は別の部屋。
まず警視庁の方が、登下校の交通安全を。
車や自転車ではなく、必ずお子さんと一緒に歩いて登校道を確認して下さいと何回も強調。
うちは、歩くしかしてないから、ふみは、うん、大丈夫だと思う。一人でも歩いて来られる。うん。
もっと近い小学校があった。でもここがよさそうだから、ここを選んだ。
登校、歩いて15分かかるかな。
ふみは2歳の時から、わたしと歩いて仮園舎まで、片道30分かかって、毎日歩いてました。
保育園が耐震工事してたから。
その一年近くの時間で、ふみは足腰が強くなった。
今のふみの、走り出す時の大人に負けないぐらいのスピートと持久力、全部あの時のおかげかもしれない。
警視庁の方のあと、今度は近くの警察署の方の話し、
まず振り込み詐欺について。
東京都だけ47億円!
なので、知らない人(もちろんうまく親族に装う)からの電話、すぐ反応しない、折り返し電話で確認とか、或いは留守電にするとか。
…
子供たちには、「いかのおすし」を教えてます、とその方がいう。
“い”は、知らない人についていかない。
“か”は、なんでしたっけ?
“の”は、知らない人の車に乗らない。
“お”は、大声を出して助けも求める。
“す”は、なんでしたっけ?
“し”は、なにがあったら學校に知らせる。
時代ですね。
わたしの小さい時、小学校に片道40分で歩いて登校し、道草するなと先生に警告されるが、
それは早くうちに戻って勉強しろとの意味で、防犯ではなかった。
それから入学準備の説明、体操服など、保育園にないものがたくさんあって、またいろいろ買わないと。
防災頭巾も。しかし防災頭巾も個人で用意しなきゃならないんだ。
学校は月に一回避難訓練して、地震など起きる場合、親が来るまで、学校に避難させると。この小学校は、そもそも避難場になってるから。
給食係、保健の先生、順番に話して、それからはあのNPOの方が、あと二ヶ月に小学生になる子供たちに、どういうふうに手助けしてあげるのがよいのかと話す。
さすがにプロの方で、それまでやや緊張する先生方と違って、笑顔や視線、表情、仕草、まー、うまいことうまいこと。
「では、今から三人一組で、この一年間にわが子の成長を3点発表して下さい」
えぇぇぇ、あ、でも、これで少し顔見知りになるね、なにしろこのメンバーでこれから6年付き合わなきゃならないのだから。
二列目に座ったわたしは、一列目と三列目の方と、なんとなく一組になって、
「え、ははは、どうすればいいでしょう、まず、自己紹介?」と一人の方が、
「あ、そうですね」と、わたしともう一人賛成。
三人で笑顔で自己紹介。お互いに子供の名前の漢字を聞いて、「彗星の彗に下に心ですか、あ、素敵な名前ですね」
こういった当たり障りない話しの間、「はい、時間です」とそのNPOの方が。
三人同時に目を丸くして、そして、笑った。回りに見てみると、結構話し込んでるようなグループも。
「私たち、まだなにも」「ね〜」「ね〜」「あははは」「あははは」。
なんにも話してないような、なんだか距離が縮んだような。
今度は、子供の朝の支度に、どんな悩みがあって、どんなふうに解決したらいいのか、考えを語り合う。
「今度は、さっきと違うグループを組んで下さい、4人で」
(≧∇≦)
今度の4人は、わたし以外の3人の方がわりと積極的に発表してる。
「うちの場合は、とにかくよく誉めること、わー、すごい、よくできたね、えらい、って、そうしたらしぶしぶだけど、なんとなくやってくれてるというか」
「それはいいですね。うちでは朝からダラーっとして、何回言っても動かないから、今度から、そういう表を作って、できたら、シールか何か貼ろうかなって、それは…」
「それがいい、それがいい、子供って、そういうの効くみたい」
「時間です」と言われるまで、
「へぇ〜、えぇ〜、そうなんですか」というだけのわたくしでございました。
(*^o^*)
クラスは40人近く、ふみの同じ保育園のお友達は8人。
男の子が圧倒的に多い。
Tちゃんもこの小学校に。
Tちゃんは、某新興宗教の小学校にお受験をしてた。
ずっと学習塾で猛勉強してたTちゃんは、頭もよくて、しっかりしてる、なのにその小学校を落ちて、公立のこの小学校に。
この前、柔道のK君のママにその話をして、「しかしS小(その新興宗教の小学校)って、そんなにレベル高く、難関なんだと思いませんでしたね」と言ったら、
「いやいや、レベルの問題じゃないですもん、全国の信者さんが自分の子をそこに入れたいですもん。あれだけの信者数あるから。そりゃ半端じゃない競争でしょう。私の知り合いの知り合いが、三代続けて生粋のその信者で、彼女も組織のなんとか秘書をしてる、なのに子供はその小学校に落ちて、彼女、相当のショックで体調崩したぐらいですもん…」
Tちゃんも、そのママも、おばあちゃんも、三代生粋の信者なのかな。でしょうね。
Tちゃんのママ、知的で気さくで、素敵な方。
「Tちゃんは、神様が一番大嫌いといつも言ってるよ」とふみが。
「そう〜、神様が?」
「うん、大嫌いなんだって」
これも生粋教えを受けてる証拠かしら。
この前の親睦会で、Tちゃんは何人かの女の子と、「AKBの歌を披露します」と、ずっと歌って踊って、はしゃいで、明るい子なんだ。
保護者が小学校入学の説明を受けてる時、別の部屋の子供たちは、来てくれた某劇団の団員たちの元で遊んだ。
ストローで竹トンボを作ったり、手足を使って算数の遊びをしたり、
大興奮の子供たちの中で、ふみは意外と醒めてるような感じだった。
叫ぶような声で質問に答える子供の中、黙って団員さんを見ているふみ。
次の誘導に乗らず、関係ない顔でストローを飛ばす。
へぇ〜、一番に騒ぐかと思ったけど。
再来週の日曜、またプログラム②に来なきゃいけない。
小学校を後にして、帰り道はM君の歌手のママと一緒だった。
「土曜日、結構遅くまででしたか」とわたしが聞く。
土曜日の親睦会、飲める人が残って、そのまま二次会を。M君のママも。
「12時まで飲んでた。楽しかったけど、M・U君のママが、最後具合悪くなっちゃって…」
聞いた聞いた、ふみが言った。M・Uのママ、ペロンペロンに酔って、ゲロを吐いて、と。
子供たち、なんでも話題するもんね。こわいこわい。
前回の親睦会で判明、ママたち、28歳の3人、48の一人、あとのは、ほとんど40に行ったり来たりの年齢。
今日の小学校のママたちも、そんな感じかな。
帰りに、雨も上がって、ふみとスーパーに寄る。