更新滞っていてすみません

最近この日記の更新が滞っていてすみません。GAGのブログの方は本番舞台があったこともあってしっかりメンテしてたんですが、本番舞台の忙しさやら、夏休み前の準備やらでバタバタ過ごすうちに、この日記の更新がおろそかになってしまいました。

ということで、7月の家族の活動をちょっとまとめて。
 
・兄の新刊「最強のふたり 佐治敬三開高健」が刊行

私の兄は評伝作家で、今までに白洲次郎福沢諭吉、川本幸民、安田善次郎西郷隆盛吉田茂、岸伸介など、明治から昭和にかけての日本の偉人の評伝を書き続けています。今回の新刊は、最後の関西の大旦那と言われるサントリー佐治敬三さんと、彼と兄弟以上の絆で結ばれていた作家、開高健の物語。豪胆さと繊細さを併せ持った二つの巨大な精神が、固く結びつきながら高度成長期の昭和を疾走する姿を描き切って、最近の兄の著作の中でも五指に入る力作になりました。開高健さん、というと、私の世代だと、週刊プレイボーイの「風に訊け」というコラムがとにかく印象的。エッチなグラビアをめくるドキドキ感と合わせて、開高さんの人間味あふれた優しいコメントが楽しみでした。本物の大人の扉がそこに開いていて、まだまだお前たちの知らない世界がこんなにあるんだよ、と優しく教えてもらっている感じがした。

読者からの質問に開高さんが回答する、というこのコラムの中で、今でも記憶に残っているのが、開高さんの奥様、牧羊子さんからの質問への開高さんの回答。牧さんからの、「あなたは秘境やら欧州やら飛び回って楽しんでいるようだけど、その時間においてあなたの中で妻というものはどのようなものなのか?」という質問に対して、開高さんが、

ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの
よしや うらぶれて異土の乞食と なるとても 帰るところにあるまじや

という室生犀星の詩をそのまま引用して答えていて、なんだか成熟した夫婦の問答だなぁ、と思った記憶。今から思えば編集者のいたずら企画に開高さんがオシャレに答えている感じなんだけど、今回の兄の著作で、開高さんと牧さんの間の命を叩き付け、削りあうような凄まじい葛藤を知ったうえで、この問答を思い返すと、言葉の最前線にいる夫婦の間で交わされる火花散るウィットの応酬に見えてくるから不思議です。
 
・七夕とか、相変わらず年中行事にはこだわる我が家

六月の結婚記念日、七月の七夕、八月には帰省、土用の丑の日にはウナギを食べて、と、とにかく年中行事にはこだわる我が家。今年の七夕も、いつのまにか女房が笹の葉やら七夕飾りを用意して、しつらえてくれました。

女房は、「とにもかくにも健康でありますように」と書き、私が、「除災招福、家内安全、世界安寧」とえびす様の熊手のようなことを書いた脇で、娘は、「現状維持」と。保守的なんだか今が幸せと言ってくれているんだか、なんだかよく分からないけど、まぁそのまま大きく育ってくれい。


(後ろに見えるのは、我が家の家訓、「いそがない がんばらない なまけない」です。娘はこの家訓をテーマに学校でプレゼンをしたらしい。ははは)
 
・サロンコンサートは無事終了しました

7月26日に、マエストローラ音楽院で開催したGAGプロデュースのサロンコンサート「オペラの中の親子の絆」、何とか無事終了。録画を見ると、頭を抱えたくなるくらい下手くそな歌で、聞いてくださったお客様や頑張ってくれた共演者には本当に申し訳ない限りなんですけど、それでもやっぱりこういう機会を定期的に自分で作っていかないと、下手な歌も上手にならないぞ、と自分を激励しつつ、次の企画を考えている今日この頃。今年の後半には「悪魔のロベール」という大きなオペラ舞台が控えているので、まずはこれに集中することになりますが、それでもGAGプロデュースの公演はこれからも続けていきたいと思っています。

詳しい感想はこちらのブログに書きました。

http://galleriaactorsguild.hatenadiary.jp/entries/2015/07/27
 
酷暑が続く今年の夏、ベランダ菜園の夏の実りもボチボチと収穫されています。とにもかくにも健康に、自分の能力がまだ進化できるのだと信じて、歌やらなんやら色々と頑張っていきたいと思います。


ししとう、きゅうり、しそを栽培中。サツマイモも葉っぱがすごい勢いで伸びてきたので収穫に期待。