本日もチラシ撒き大会です!!

本日もチラシ撒き大会です!!
市川準事務所のKさんとチラシ撒きの作戦会議をした後、なんと『私は猫ストーカー』の鈴木卓爾監督と俳優の宇野祥平さんがチラシ撒きに参戦をかって出てくれました。ありがとう！　二人はリュック一杯にチラシを詰めて、事務所を出発して行きました。方やディープ下北沢方面へ、方や谷中方面へ。深夜には、先日のブログを見てくれたMくんが、チラシを取りに来てくれました。快くチラシを置いていただいた皆さん、本当にありがとうございました！

宇野さんです。

宇野さんには奥原浩志監督、東亜優主演の『16[jyu-roku]』にも参加していただきました。

『市川準監督のこと　追悼・市川準監督レトロスペクティヴ』が上映されるユーロスペースで、同じ3/21(土)から宇野さんが出演された白石晃士監督の『オカルト』がレイトショーで公開されています。公開もお隣さんですね。

『オカルト』公式HPは、こちらから。http://www.occult-movie.com/

この『オカルト』には、鈴木卓爾監督も出演しています。

夜も更けて戻って来た鈴木卓爾監督と宇野さんと遅くまで話し込みました。

鈴木卓爾監督は皆さんもご存知のように俳優としても活躍されていて、市川準監督の作品には『トキワ荘の青春』で安孫子素雄（そうです。藤子不二雄Ⓐですね。）役で出演していたり、『ざわざわ下北沢』にも出演されています。

『トキワ荘の青春』は、東京都豊島区南長崎3-16-6に82年に解体されるまであったトキワ荘を舞台に、昭和30年代の寺田ヒロオ、石森章太郎、赤塚不二夫、安孫子素雄など後の漫画界の巨匠たちの青春の日々を描いた作品です。映画は、本木雅弘さんが演じる寺田ヒロオを中心に展開します。“新漫画党"を結成し、寺田の部屋に集まっては、マンガの未来についての話に花を咲かせる日々。学童社の倒産。自分の描きたいものとそれが認められない現実とのギャップ。チャンスを掴んだ者と挫折する者…。

市川監督らしい静謐な映像の中に、若いマンガ家たちの葛藤が描かれます。市川監督は、あえて時代を表現するために、当時の木村伊兵衛さんが撮影した写真をドラマの間に挿入します。ミニマルな映像と木村さんの写真が呼応したいい作品です。そして、寺田ヒロオが筆を折るラストに、見直して思わず涙がこぼれました…。

当時を再現するために、その背景をCGで作り込むのではなく、木村伊兵衛さんの写真を挟み込むことによって、見ているとドラマの部分との間に濃密な想像力が働きます。まるで、本のページを大切にめくっているような作品です。

鈴木卓爾監督とは、『私は猫ストーカー』の次に企画してい作品で、この時代を描くというテーマがあり、『トキワ荘の青春』の方法についてよく話し合っていました。もちろん、市川監督がまだお元気だった頃の話です。それから、『私は猫ストーカー』に関しても、市川監督の『BU・SU』をはじめとする東京の撮り方について話していました。

『buy a suit スーツを買う』の打ち合わせのとき、市川監督に、今鈴木卓爾監督と映画を作ろうとしているのです、とご報告すると、プププと笑って、「似てる」とおっしゃいました。わたしと卓爾監督の顔が似ていると言うのです。大きなお世話ですよ、と笑ってしまったのを覚えています。

宇野さんは、俳優の傍ら、アオイスタジオのカフェでバイトをしているので、よくアオイスタジオでお仕事をしていた市川監督の姿を目にしていたそうです。宇野さんはこっそり、実はカフェのおばさん（いつもお世話になっているのです）が、市川監督のCMに出演しているのだ、と教えてくれました。

市川監督は、そんなふうにキャスティングしたりするのです…。
「人を見る歓び」。
市川監督は、よくそんなことをおっしゃっていました。
監督は、「人を見る歓び」を基準にキャスティングされるのです。そこにおいて、職業俳優であるか素人であるかは問題にはなっていないのでしょう。

『トキワ荘の青春』は、もちろん今回のレトロスペクティヴでも上映されます。

『トキワ荘の青春』

1996年／110分／製作・配給＝カルチュア・パブリッシャーズ　製作協力＝オプトコミュニケーションズ、近代映画協会

脚本＝市川準、鈴木秀幸、森川幸治

出演＝本木雅弘、大森嘉之、古田新太、生瀬勝久、鈴木卓爾、阿部サダヲ

昭和30年代、手塚治虫が住み、明日を夢見る若い漫画家、石森章太郎、赤塚不二夫、藤子不二雄らが青春時代を過ごした実在のアパート“トキワ荘”。彼らの笑い、涙…。寺田ヒロオを軸に、ただひたすらに漫画を愛した若者たちの物語。

上映日:3/21（土）18:30〜・上映前トークあり（ゲスト：小林達比古さん／撮影、橋本泰夫さん／録音）
3/25（水）11:45〜