海の覇者トマス・キッドシリーズ

先日、母が来米したときに、旦那と分担して山たら本を持ってきてもらいました。

あまりに重く大きいので、旦那は税関から問いただしがあるのでは思っていたらしいのですが、「本です。」というと問題なく通ったらしいです。

飛行機に載せることができる、しかも、重量超過金がかからない範囲内に押さえるため、本が実家に到着するたびに、母に体重計で量ってもらいつつ、量の調整もしました。

マンガを含め、厳選に厳選を重ねて古本で出ているものはネットで押さえ、新刊(特に出版してすぐのもの)は新刊で探し、出版前で出発に間に合いそうなものは予約注文してと、八面六臂の大活躍でした(笑

(母と旦那はえらく迷惑したと思いますが・・・)

面白かったのは、ブックオフとイーブックオフとご本体がいっしょなのに品揃えが微妙に違うところでした。しかし、それが幸いして、手に入った本もありました。

他には古本市場Amazonにお世話になりました。

諦めるところは諦めて、だいたい揃ったなあと思って、ピックアップリストを見てみると、ぽこっと穴が空いているところがありました。


「海の覇者トマスキッド」7巻「新艦長、孤高の海路」と「ミステリマガジン2008年12月号ー特集:出帆せよ!英国帆船小説」の2冊です。



キッドの新刊は発売前でしたが、Amazonでの予約も受け付けておらず、ミステリマガジンはAmazonでも本屋(ジュンク堂紀伊国屋など)のネットショップでも入手不可となっていました。


しかし、これは諦められない。


キッドがついに水兵から士官になったとこまでは知っていましたが、艦長になるとは!これは絶対見逃せないのです。どのシリーズでもそうでしたが、この海尉艦長(多分そうなっていると想像)に昇進するあたりが作品の分水嶺で、主人公の立場が変わってきて面白くなってくる山場のひとつなのは経験上よくわかっているので、押さえておきたい。

しかも、海洋小説は本体は文庫で小さいながら、だいたい500頁くらいの分厚さがあるので、お値段もそれなりで、日本でそれなりのお値段のものは米国でお取り寄せになるとあれれ?のお値段になります。

ミステリマガジンは同じ早川書房発行ですが、帆船小説が特集で組まれた記憶もなく、これはちょっと見ものです。


私の帆船小説好きは遡ること、中学3年くらいからなので結構なキャリアです。もともと、早川書房の海外ファンタジーを読み漁っていたのですが、ここから発展して、帆船小説へ至ったわけです。本の後ろによくある広告を読んで興味を持ち、実際に書店で見て、最初は美しい帆船の絵のある表紙に惹かれて読みはじめました。


最初はホーンブロワーシリーズ。
次に、ボライソーシリーズ。
そこからは済し崩し的に様々なシリーズを読み漁りました。
日本で翻訳されている帆船小説で読んでいないものはないと思います・・・多分??


結局は、FTよりも帆船小説の方が私のなかでは定着しちゃいました。



さて、
販売拠点で手に入らないなら、元を探れです。

早速、早川書房のHPへ行きました。
おお〜〜!さすが大親分!ありました〜!

両方とも送料はかかちゃいますが、入手可です!
しかも、新刊はどうも発売当日に家に着く仕組みのようです!
スゲーッ!!



昨日、同じ便で持って帰ってきてもらっていたキッドの6巻を読み終わりました。

もったいないのでチミチミ小分けにして読んでいたのですが、途中から我慢出来なくなって、わ〜〜〜っと読んでしまいました。

ついにネルソン提督(英国の実在人物)登場です。
ナポレオンの野望を砕いたあのアブキールの海戦です!
(一般的にはネルソンはトラファルガーの海戦が有名ですが〜著者の言葉を借りれば、アブキールがネルソンにとっての人生の頂点だったのではないかというのも納得です。)

手に汗握る展開です。著者のジュリンアン・ストックウィンの筆も冴えています! いかに英国がナポレオンの野望を押しとどめたか、歴史小説ではないために逆に実際の海戦、今回は特にアクレでの地上戦などは肉薄する勢いでした。いや〜いいものを読ませてもらいました〜


今日から待望の7巻!
キッドは艦長になるのです!我がコトのように嬉しい!
しかし、4等海尉からどうやって艦長になったのかなあ??
すごく気になります。

ミステリマガジンの方はちょい読みをしただけで、もったいないので、まだ置いています。我慢我慢。


6巻の訳者あとがきにあった公式サイトへも行ってみました。
http://www.julianstockwin.com

そこで月間のメルマガを見つけて、早速、参加。
ジュリアンのボースン(水夫長)からメールが月イチで届いています。
読むのには苦労しますが、なかなか良い読み物だと思います。
(日本人の帆船ファンの紹介もありました。)


それで気がついたのですが、米国にも読者は結構いるようですが、米国での帆船小説はまだまだ知名度が低いようです。
図書館でもなかなか帆船小説を見つけることは出来ません。(うちの近所は全滅でした〜)

BodersやBarnes & Nobleといった大きな本屋やAmazonなら新刊は入手できますが、常時ストックで棚置きしているわけではないようです。(うちの近所調べ)

うむ。やはり、帆船小説の本場は英国かあ〜



ボースンのメルマガによると、キッドの10巻目が、この10月に出るそうです!うわ〜どうなってるんだろ??



私は現在翻訳で7巻目。この差は大きいですね〜


英語版オリジナルのキッド、挑戦すべきか?!