俺は何をしてるんだろう……とはもう思わない

クリスマスイブなのに。
いや、クリスマスイブだからエロ小説のレビューを書く自分のことは嫌いじゃない。

恋妹〜彼女はふたご！ / イラスト：安藤智也 / 美少女文庫

恋妹―彼女はふたご! (美少女文庫)

美少女文庫お馴染みの青橋+安藤コンビ。

副会長の先輩にお兄ちゃんを取られそうな双子の妹が、体を使って兄を取り返そうとする話。
タイトルが「恋妹」なのに、妹よりツンデレ副会長のインパクトが強いという、タイトルが詐欺臭い作品。ミステリでもあるまいしそんな引っ掛けいりません。
あらすじを読んでも「副会長」の存在について触れられないミスリードっぷり。双子の妹とのだだ甘作品だと思っていただけに、ちょっと意表を付かれた。
ただ、ツンデレ副会長vs双子妹の構図とガチバトルっぷりは実に良いエロバトルでした。
ストレートなアプローチな副会長と、あの手この手で仕掛ける双子妹が、イラスト効果もあり素晴らしかった。
タイトルの引っ掛けを覗けば、素直な作風に安定して楽しめるジュブナイルポルノでしたよ。

キスキス〜彼女は妹ウエイトレス！ / イラスト：安藤智也 / 美少女文庫

キスキス―彼女は妹ウエイトレス! (美少女文庫)

青橋さんと安藤さんの組み合わせはこのレーベルでは王道だなぁ。

二人の妹が優秀な料理人の兄を取り合う話。
うーん、正直印象に残らない話だったかなぁ。
タイプの違う二人の妹が兄を取り合う割に、二人の妹の書き分けがちょっと印象に残らなかった。
店を背負ってる妹と店を背負ってない妹みたいな組み合わせならもうちょっとメリハリついたんじゃないかなぁ。
エロシーンも、いまいちシチュエーションが単調だったし。
それと最後も決着が投げっぱなしで、ストーリーに中身は無かったのが気になった。

かてきよ!―家庭教師とハーレムレッスン? / イラスト：みけおう / 美少女文庫

かてきよ!―家庭教師とハーレムレッスン? (美少女文庫)

絵師はPINK CHUCHUの中の人。

某国の王位継承者だった主人公が、王位継承のために某国の大学に入る必要が出来て、二人の家庭教師にエッチなごほうび込みで勉強を教えてもらう話。
ああ、これはイイだだ甘エロ小説ですね。
主人公のことが大好きな二人の家庭教師がエロ可愛いし、二人で張り合ってエロ攻勢をしかける部分もたまらん。
二人の家庭教師のキャラも敬語甘やかしキャラとツンデレ幼馴染の、ベタだけどガチな組み合わせでイイネ。
3P描写が少ないのが残念だったけど、シチュエーションは色々でエロさに関しては満足。私の嗜好に合ったシチュでした。
明るく甘くてエロイ。ジュブナイルポルノとしては正統ないい作品でした。

生徒会長はお嬢様 Dear My Princess / イラスト：村上水軍 / 美少女文庫

生徒会長はお嬢様―Dear My Princess (美少女文庫)

村上水軍さんって、昔のエロゲ時代と随分タッチ変わったよねとしみじみ思う。

生徒会長の少女が脅迫されてバージン奪われてM奴隷に調教される話。
主人公の相手役の男性教師にもうちょっと過去の因縁みたいなのがあると思ったら、そこら辺の背景が無くて正直拍子抜けしてしまった。
主人公少女のレイプに何か事情があると思ったら、そこら辺にフォローが無かったし、男性教師のキャラ立てが甘過ぎる。
優秀な生徒会長が堕ちていき、暗黒面が露出する流れにはちょっとゾクゾクするものがあっただけに、一緒に堕ちていく「男性教師の顔が見えない」のは残念だったなぁ。
二人の背徳的な世界が、生徒会長の信奉者の少女へ感染していく流れが、ダークストーリーの落とし方としては割と良かっただけに尚更。
チクショウ、鬼畜なら鬼畜キャラを全うしやがれコンチクショウめ。

恋空 上下 / 単行本

恋空〈上〉―切ナイ恋物語

恋空〈下〉―切ナイ恋物語

映画化もした人気ケータイ小説の単行本。
以下、割とネタバレ満載。というか最初のあらすじでほとんどのストーリーの流れネタバレ。
ネタバレがキライな人はスルーしてください。

少女がとある男と恋愛してキスしてイジメにあってセックスしてレイプされて彼氏に助けてもらってセックスして妊娠して流産して不可解な別れをして別な彼氏と付き合った癖簡単に別れて元彼氏とよりを戻して死に別れる話。
とまあ、↑の1・2行でほとんど全て説明できてしまうような内容の無い話に、単行本上下巻の分量を使った水増し度が非常に高いエロ小説。
まあ、ようは少女コミックの「レイプから始まる恋愛」のようなトンデモ少女漫画や、レディコミのような女性向けエロ文化の影響を受けた感じの、「イマドキ」少女が好む恋愛感の下に書かれた小説。
ケータイ小説で好まれる「セックス」「レイプ」「悲恋」などのキーワードが入ってるので、まあその辺の層に売れるのは分からないでもないけど、単品の小説としてみると稚拙もいいところ。
恋愛部分は余りにベタな展開で全然面白いとは思えないし、これを純愛とか言ってる人が入るけど、私には主人公の自分勝手なところが鼻に付いた。
逆恨みで苛められたりするところは可哀想だとは思うけど、何も問題我無い新しい彼氏をいとも簡単に捨てて元彼のところに走ったところなんかすげー自己中。
そもそも、主人公の一人称（何か書き方おかしいところがあるけど）で語られてるのに、全体を通して主人公に共感出来ない時点で私にはこの小説は楽しめないんだろうね。

うーん、正直映画の主演・新垣を連想しながらエロシーンを楽しむのは関の山の三文小説にしか思えませんわ。かなり下種な楽しみ方だとは思いますけどね。

ずっと一緒の、恋姉妹 / イラスト：丸ちゃん / 美少女文庫

ずっと一緒の、恋姉妹 (美少女文庫)

絵師は色々と物議を醸し出すことのある劣化みつみの方。

両親の再婚で、担任教師の女流歌人と同級生の生徒会長と同居することになった主人公の話。
女教師と肉体関係になる流れは悪く無いんだけど、生徒会長と関係するところで唐突に「奴隷」とか「御主人様」とかいう台詞が出てきて正直戸惑った。
主人公がどちらかというと控えめなタイプなので、突然そんなキーワード出されてもどこか浮いた印象しか残らない。
所帯じみた主人公は割と好きなんだけど、この流れは正直好きになれなかった。

巫女シス お祓いしちゃうぞ！ / イラスト：AM-DVL / 美少女文庫

巫女シス―お祓いしちゃうぞ! (美少女文庫)

AM-DVL氏というとZONEのエロ原画という印象が強い世代なので、何かすげー懐かしい。

疫病神体質の主人公を救うために+単位のために巫女とシスターの二人が押し掛け同棲お祓いに来る話。
うーん、巫女とのエッチが早い割に、シスターとのエロシーン突入が遅いのと複数人での絡みがあまり無いのが気になった。
それと、いまいちエロシーンにバリエーションに乏しくて余り印象に残らないかなぁ。
ストーリーの流れやキャラの設定は思ったよりまとまっており、ラストの落としどころも悪くなかっただけに、エロ面で一押し二押し欲しかった。