ソーサリアンNext(模擬提案書)Ver.4.8
現在、5.0β(http://d.hatena.ne.jp/sorcerian/20151007)を検討中です。かなり根本的な思想が変化していますので、合わせて参照してください。
ソーサリアンNext案(目次)
- CHAPTER 01:ソーサリアンシステムの複雑さ/矛盾を解消
- CHAPTER 02:ソーサリアンの原点ARPGに回帰
- CHAPTER 03:ネットワーク/ハードウェア活用で新たなユーザ体験を
- CHAPTER 04:製品展開/ビジュアル/ペンタウァの街など
- CHAPTER 05:ソーサリアンNext シナリオ
- APPENDIX:設定一覧
- 更新履歴
はじめに
本文書は、「新しいプラットフォームで、新しいシステムで、新規購入層に対して新しいソーサリアンを作るとしたら」という命題に対して、個人的な見解をまとめたものである。
ソーサリアンは名作であるが、初版1987年から既に25年が経過しており、ゲームシステムとしてはあまりに古臭くなっている。実際、昨今の移植では旧作の回顧層が購入の中心となっていると思われ、新規ユーザが積極的に参入しているように見受けられない。
問題の本質は、以下の点にあると思われる。
- ゲーム性に直結しない、システムの不要なまでの複雑さ
- アクション、戦闘、イベントのシステムがいずれも大味
- 結果、ゲームそのものが単調であるか、理不尽に難しいことが多い
これを解決するには、ゲーム性に直結しない複雑さは最大限破棄し、逆に、アクション/戦闘/イベントの3要素について、より細かな制御を可能にするための改善が必要であると考える。
以下では、上記を前提に、「現状システムの問題点」と「解決の方策」をまとめる。
前提
上と重なる部分もあるが、本ドキュメントの立ち位置をまとめておく。
ソーサリアンの3つの本質
次世代ソーサリアン展開の可能性
「次世代のソーサリアン」を展開するならば、その力点はシナリオ拡張そのものではなく、システムとコンストラクションセットに置かれるべきと考える。言うなれば、「素人が作り、プロが裏方で支える」(http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140319/261409/)基盤の準備である。
シナリオ拡張ももちろんあって良いが、それは徹底的に部品化され、ユーザーによって再利用されるべき素材や、あるいは、むしろアイデアなどを提供する手段となるべきだろう。たとえば、かつて「アマゾンの剣」などはAVGに特化したシナリオの可能性を示し、「戦国〜」でなんでもありの世界観を具体化し、「ピラミッド〜」ではユーティリティによるシステム拡張の可能性、「宇宙からの〜」以降ではサードベンダーとの連携、「セレクテッド〜」ではユーザーによるシナリオ拡張の可能性など、それぞれに挑戦的な試みを含んでいた。
システムもアイデアを制限しない自由度、中性を重要視したい。あらゆるジャンルのシナリオを包括するという意味で、GURPS(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%97%E3%82%B9)の世界に近いかもしれない。世界観はあくまでシナリオに委ねられるもので、ソーサリアンシステムで実現されるのはルールのみで構わない。
本ドキュメントでも以上の前提でもって各論を展開していくものとする。
以上、2014/04に追記。以下、それ以前の旧内容も残しておく。
ソーサリアンはARPG
ソーサリアンのゲームとしての分類は、アクションRPGである。
しかし、上でも述べたように、アクション/戦闘が大味であったため、むしろAVGと言われることも多かったのが実情だ。
そこで、本ドキュメントでは改めてソーサリアンの原点は「アクション」であるという前提に立ち、アクションRPGとしてどのように進化を遂げるべきかという観点で改善案をまとめていくものとする。
よって、たとえば横視点のアクション形式は崩さない(アクションで視点が変化するのは、そのまま難易度やゲーム感覚の違和感に直結するためだ)。その前提の中で、如何にアクションを細かく制御できるようにするのかについて重点を置く。
なお、この方針は、ソーサリアンのアクションを難しくすることを意味しない。アクション初心者であればレベル上げによって易しくもなるし、難関に挑戦したいユーザであればレベルの低いままでも、「うまくやれば」敵と互角に戦いうるような緻密さを可能にすべきである。
無限に広がるシナリオシステム
ソーサリアンにはさまざまな要素があるが、その本質は
「無限にいつまでも新しいシナリオを自分の育てたキャラで楽しめる」
である。
これを実現するために必要な要素は、
- レベル上げによってゲームバランスを崩さない成長システム
- さまざまなシナリオを受け入れられるイベントシステム
- ゲーム性に直結しない複雑さの解消
という3本柱であると考える。
各論は以降で述べるが、特に3.については要注意と考えている。
既存のソーサリアンユーザにはそれぞれに自分の「ソーサリアンらしさ」があると思われるため、無制限に要素を廃止するのは避けるべきであろう。本ドキュメントでも、できるだけ現状を維持(もしくは、代案で補いつつ)しつつ、代案を見いだせないものについてのみ、廃止という提案を示している。
MORPG/MMORPGは採用しない
ソーサリアンの進化系としてMORPG、MMORPGが提案されることもあるが、本稿ではその立場は採らない。もともとのゲームシステムが複数人数の参加を前提としたものでないため、世界設定が同じだけで、ゲームとしてまったく別ものになってしまうおそれがあるためだ(そこまでやるならば、それこそソーサリアンでなくとも良いだろう)。
もちろん、昨今の風潮としてネットワークの活用や、それに伴う協力型のイベントを完全に排除するものではない。ただし、あくまで補助的な役割にのみとどめる。
[補足]
同じ理由から、本案では課金要素も追加シナリオとアバターのみと、ごく限定している。そもそも旧来のソーサリアンのユーザ層を考えた時に、課金に抵抗が大きいと予想される(旧ファン層がメインターゲットでないにせよ、無視することはできない)。追加シナリオが多少高額になっても、課金を前提としたゲームイベント、しかけは最大限避けるべきだろう。