活字


昔、週刊文春を愛読していたことがある。林真理子さんの連載エッセイが面白くてほぼ毎号買っていた。それだけなら「真理子熱が高じて」と大目に見てもらえそうなのだが、私はバカだった(バカである)ので、週刊誌を読むと、世の中のことがよくわかって勉強になると心から信じていた。
週刊誌の記事にガセネタが多く、覗き見主義であり、扇情的だと気づいたのはここ数年だが、あの頃もすでに大人だったのだから、それを見抜けなかったというか、すべてを真に受けていたのは、まさに、慙愧に耐えない。
それを思うに、若い頃から良書に親しんで想像力を養うことが、私の場合、全く欠落していたのが一因のような気がする。
朝日新聞阪神支局襲撃事件に関する週刊新潮の大失態、大相撲八百長記事での週刊現代の敗訴・・・。週刊誌の凋落には目に余るものがある。
「読まない」のが一番だと思うが、仮に読んだとしても、記事を冷静に判断する目を持つことが、氾濫するインターネット情報も含めて、今後ますます求められるだろう。
遅まきながら、良書に挑戦したいという気概だけは持っている今日この頃。
余談だが、年2回発表される芥川賞直木賞、年1回にしたほうが、淘汰されて「良質な本物」が生まれるのではないだろうか・・・。