『寺院消滅』読了

寺院消滅

寺院消滅

寺院消滅

寺院消滅

どうも日経BP社の本で、同じ日に一斉に書評が出たのが、アレなのですが、
読み終えました。以下後報。
【後報】
確かに悪くない本なのですが、各社一斉に書評が出てしまうと、なんだかな、です。
要するに過疎だと檀家が絶えるのでお寺も経営難で絶える、という話です。
欧州のナントカ会とかナントカ騎士団みたいに、教団組織がしっかりしていて、
そこから全国津々浦々宣教師が派遣されて灯台守よろしく地域の墓地を守る、
ような展開になってないということみたいです。どの宗派も上山とか系列大学で修行するのに、
ヘンですよね。宗教法人で税制の優遇は計り知れないはずなのに。
というところで、まず先制ジャブ。
頁21、宗教法人のお寺へのお布施は課税されないが、その法人に月給取りとして勤める、
住職に対しては、所得税社会保障費が徴収されるんだそうです。
僻地のなり手のいないお寺に入った当該ページの例では、月給額面十五万。
これ、暮らせないと思いました。だから、公務員や教員などの副業兼業、
共稼ぎ、信者からのコメ野菜の差し入れ、などでなんとか凌いでいる例が多いのだとか。
私の近隣自治体にとある強欲和尚がいて、戒名代を高く払わないとネチネチネチネチ…
の噂を聞くのですが、それがいちばん太い収入であるとすると、必死なのでしょう。
だからといって修身的に受け入れがたい坊主さんではあります。その人は。

そんなこんなで、日本最大の既成宗教である檀家仏教の将来は、非常に暗い、
という本ですが、お寺に兵隊を泊めたりする例で町田のお寺が出てまして、
お寺が収入難になった要因のひとつ、戦後マッカーサーの農地改革で、
地主だったお寺がむしられるだけむしられた例でも出てくるのですが、
自分で耕してない農地は小作に取られるルールだったので、そこは是々非々だと思います。

あと、かごんまの廃仏毀釈のところで、それ以前から、一向宗がヤバいので、
島津は耶蘇同様浄土真宗も弾圧しており、それは幕府の方針であった、
というところで、確かに天領だった座間でも、浄土真宗のお寺って聞かないな、
戦後バブル前くらいに本山のキモ入りで新しく作られたお寺があるきりじゃん、
と思いましたが、ねんのため検索してみると、栗原村にひとつありまして、
いい加減な私の推論は崩壊致しました。とにかくお寺は、宗教法人としてのチカラは
あるはずなので、総力を結集してピラミッド型の組織を充実させるべき、
と思います。まあ檀家仏教、葬式仏教だけが仏教じゃないですが、
既成仏教も賑やかであっていけないとは思いませんので。以上
(20015/10/10)