ソーダストリームの偽装表示問題:産地偽装

阪急阪神ホテルズ近鉄ホテルシステムズなどのレストランでの偽装表示の問題が大きな話題となっていますが、ここでは、同系列の阪急阪神百貨店近鉄百貨店などで販売されているソーダストリームの偽装表示問題について改めて指摘しておきたいと思います。

ソーダストリームの本体はパレスチナ西岸地区に不法に建設されたイスラエル入植地マアレ・アドミームで製造されています。多くのパレスチナ人が、今も拡張を続ける入植地によって土地を奪われたり、強制移住させられるなどの人権侵害を被っています。イスラエル入植地をイスラエル領として認めている国は、国際社会のなかでイスラエルを除いて存在しません。もちろん、日本政府も入植地をイスラエル領とは認めていません。したがって、ソーダストリームのパッケージ等にある「Made in Israel」の表示は、この商品の原産地にまつわる人権問題を隠ぺいする産地偽装にあたります。

この問題は、この数年、国際的に大きく取り上げられるようになり、今年6月には、南アフリカで、イスラエル入植地製品の原産地表示が「West Bank: Israeli Goods」とされることとなりました。また、EUでも現在、どのような原産地表示にするのがより適切か、入植地製品に対するガイドラインを検討しているところです。日本においても、本来、ソーダストリームをはじめとした入植地製品に対する厳密な法制上の措置が取られるべきであり、過去に市民団体が関係省庁に要請したこともありますが、今のところ残念ながら放置されたままです。

昨年には、パレスチナ人の資源(死海の泥)を盗んで生産された入植地製品アハバ(AHAVA)が、市民団体の抗議に日本の輸入代理店が応えるかたちで、輸入中止となりました。輸入中止となる前には、いくつかの小売店が、やはり、この商品の背景に人権侵害があることを知り、販売中止を決定していました。ソーダストリームの販売をしている小売企業や、総輸入元であるシナジートレーディングも、自主的に人権侵害商品の輸入・販売を中止するのが、今日強く求められる企業倫理のあり方だといえるでしょう。

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■参考
ソーダストリームが違反している可能性のある国内法規
ソーダストリーム工場の現実:酷使されるパレスチナ人労働者
ソーダストリームのどこが問題?
何ができる?
ソーダストリーム回収キャンペーン:知らずに買ってしまった!という方へ