小満初侯

 五月二十一日から二十四節季の小満(しょうまん)です。いのちがしだいに満ち満ちてくるころです。

 七十二侯の小満初侯は、蚕起きて桑を食う。蚕が、桑の葉をいっぱい食べて育つころです。

 この時期にあたる旧暦四月には、木の葉採(と)り月という別名があります。蚕のえさである桑の葉を摘むころ、という意味です。

 水を張った棚田の上にぽっかりと月が浮かぶと、段々になって広がる大小の田んぼのそれぞれの水面に、月影が映し出されていく様子をこう称しています。

 暦日の五月第三金曜からの三日間には浅草三社祭が催されます。今年は十八日から二十日までの三日間です。

  出典 白井明大=文・有賀一広=絵『日本の七十二侯を楽しむ』(東邦出版)