【レビュー】第1節　大分戦＠九州石油ドーム

アルビレックス新潟

大分トリニータ 1-1 アルビレックス新潟
はい、大分より帰ってまいりました。とりあえず開幕戦で、アウェーで、勝ち点1。うん、いいんじゃないでしょうか。そして何より内容の充実。非常に今後にポジティヴな印象を与えてくれる内容だったと言えますな。という訳で、振り返ってみたいと思います。
まず、この試合でキーになると思われたセンターMFの凌ぎ合い。これに関しては圧勝とは言えないまでも、ほぼ勝ちと言っていいだろうね。去年から継続しているシルビーニョと寺川の縦関係がこの試合も見事に機能していた。特に寺川は出色。大分の時間帯が結構長かった試合展開だったけど、それでも大事には至らなかったのは寺川がバイタルエリアのケア、サイドバックのフォロー、と獅子奮迅の守備を見せたのが大きかった。それとアウグストからのボール奪取の多さ。持ちすぎる傾向のあるアウグストをまず最初に潰すプレーは、間違いなく大分のリズムを崩していたね。
ただ、残念ながら相方のシルにちょっとミスが多く前線へのフォローが少なかったために、全体としてのラインの押上げが出来なかった印象。（守備では非常に効いていたんだけど）もしシルが絶好調だったら「快勝」と表現できる試合になっていた可能性もあったと思う。ま、これからもっとコンディション上げてきてね。
そしてこの試合のもう一つの、というか今シーズンの大きな注目点は新しい4バック。坂本、永田、千代反田、内田。結論から言うと、非常に素晴らしかった。冒頭の「内容の充実」ってのはここを見ての感想です。
大分の最も顕著な攻め手は2つ。根本と高橋大輔の両翼からの展開、それと高松のポストプレー。その2つに対してどうするか。まず両翼への対処は坂本と内田が本当に気の利いた守備を見せ、それにサイドハーフがフォローしていくという関係がほぼ完璧に機能していた。坂本は後半開始早々の新潟のいい流れを見逃さずに、高橋大輔をぶっちぎって連続で突破を見せる（1回目は貴章の酷いミスで潰れ、2回目は貴章の素晴らしいプレーで見事結実ｗ）というクレバーな部分を垣間見せてくれたし、内田はオーバーラップこそ影を潜めたものの、守備では根本を完璧に封じていた。この試合のMVPを決めるとすればこのサイドバックのどちらかだろうね。
そして大分の両翼を押さえ込んだら、彼らの攻め手は高松へ当てる事に集中するわけだけど、そこに対しては永田と千代反田の2人がキッチリ対応。特に永田が高松に対してほぼマンマーク気味についていたんだけど、高松に全く自由を与えなかった。足が攣ってしまい途中で交代となったけど、この試合の永田は本当に素晴らしかった。年代別代表からA代表まで上り詰めたって経歴はやっぱり伊達じゃないと痛感。草津戦では判断面でちょっと不安定なところを見せたけど、2週間でここまで戻してくるのは凄いよ。後は90分走りぬく体力と感覚を取り戻せば、もう一度A代表を狙えると心から思う。あとやっぱかっこええ(*´Д｀)ﾊｧﾊｧ
失点のシーンは千代反田曰く「マークが1枚外れていたので叫んだんだけどそこをつかれてしまった」との事。これはもう一度確認を。あとこの失点は後半の終盤に連続でCKを取られたのが大きな原因だと思うんだけど、あの時間帯で求められるのは一度流れを切るプレーだったように思う。こういった大人のプレーが出来ないのは去年からの課題だけど、今年もまだ消化されていないみたい。ここは今後坂本や深井と言った「声を出せる」選手に期待したいところだね。
それと攻撃面。深井と慎吾のサイドハーフは先述の通り、守備面で相手の両翼をサイドバックと連動して潰すというミッションをしっかり遂行してたし、攻撃に移れば真っ先に走り出す。本当にこの二人の運動量には恐れ入る。慎吾に2回、深井に1回決定的なシーンがあったけど、ああいった形を開幕戦から作れたってのはいい事だな。
あと貴章とエジの2トップ。まずは貴章が「日本代表」という肩書きが正式についてどう変わるかって事が注目だった、っていうか「もしかして劇的に変化してるかも」なんて思ってたんだけど、決定的な2回のチャンスを潰す大失態と、「普通」じゃない変なゴール、尋常ではない運動量とファーストディフェンスの意識。とまあ、何も変わってなかったなｗｗでもあのゴールは本当に素晴らしい。でもその前のシュート決めろよ！！！っていうアンビバレンツとモヤモヤ。うん、やっぱり今年も貴章が大好きだｗｗ
それとエジは草津戦に続きめちゃくちゃコンディションが良かったね。ボールの収まりのよさ、そこからパスを配給するタイミング、果敢な突破。体がすごく軽く見えるのが何より去年との違いって感じかな。決定的なシュートシーンはそれほどなかったし、愚かな退場もしちゃったけど、今の感覚を忘れないように数試合休んでくださいな。上本が狡猾だったとは言え、もうやっちゃだめだぜ。
という訳で、久々にポジティヴな気分でホームの2節目に臨めるのが本当に嬉しいね。浦和は横浜FC戦を見る限りまだまだ成熟度はさほどじゃないし、水曜日にはACLもある。ここで勝ち点を是非拾って勢いをつけて欲しいものです。