早紀江さんの「すごい人生」

takase222015-07-08

写真は横沢入。
少し前まで日本のどこにでもあった里山だ。
人が全然住んでいないと、こうはならない。人の暮らしと自然とのバランスの中にできる風景である。

いいですねえ。
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次から次にやることが出てきて、せわしい時期に入っている。
「やるか?」と言われると、ほぼ自動的に「やる!」と答えてしまうので、自分で忙しくしているのだが。
睡眠時間3〜4時間が続くが、あまり気にならない。
昨夜は、取材のトラブルを処理したと思ったら、友人が大きな事故に巻き込まれたことの相談があり、時差の関係で午前2時過ぎからギリシャに電話し、そのあと資料を読みながら企画書を書いたので夜明かししてしまった。
オーバーワークでポッキリいかないように注意しなくちゃな。

でも、自分はこの状況を楽しんでいると思う。

「忙しくてどうしようもない」「金がなくて困った」「仕事がうまくいかない」、こういうのは最高の幸せですよ!
福島県飯舘村の長泥地区の区長、鴫原(しぎはら)良友さんが言ったことばをときどき思い出す。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20130703
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北朝鮮が、いわゆる拉致再調査の結果報告の延期を通達してきたという。

安倍晋三首相は3日午前、北朝鮮側が日本人拉致被害者らの再調査について結果報告の延期を伝えてきたことを明らかにした。首相は同日午前の閣議後、岸田文雄外相と山谷えり子拉致問題担当相に対し、北朝鮮への働きかけを強めるよう指示。「引き続き対話と圧力の原則を貫き、すべての拉致被害者の帰国を実現すべく、全力を尽くす」と述べた。
 安保関連法案を審議する衆院特別委員会で明らかにした。
 北朝鮮は昨年7月4日に特別調査委員会を立ち上げ、9月には「調査は1年程度を目標」としていた。首相は3日の特別委で「(北朝鮮側から)全ての日本人に関する包括的調査を誠実に行ってきているが、いましばらく時間がかかるとの連絡があった」と語った。2日に北京の大使館ルートを通じて伝えられたという。首相は「政府としては遺憾だが、北朝鮮からの具体的な動きを早急に引き出すべく働きかけを強化する」とも語った。》(朝日新聞
このニュースが不可解だ。
拉致された人たちは監視の中で生きており、いまさら調べる必要などない。「調査」というのは、北朝鮮をテーブルにつかせるためのお約束にすぎない。

http://d.hatena.ne.jp/takase22/20140604
「調査に時間がかかる」というのは「すぐには返さない」という意味だ。待ちかねる家族が、心底がっかりするのも当然である。
北朝鮮側の「時間がかかる」という「連絡」に対して、日本政府は特別な反応なしに、淡々と応じているように見える。まるで、事前に打ち合わせたようだ。

今回、調査の延長という形にしようと日本側がもちかけたのでは・・・・?
何か裏取引があるのでは・・・?
といろいろ考えたくなる、不思議な日本政府の対応だった。

一方で、総連幹部の家宅捜索をしたり、どんな獲得目標を求めているのか。
これについては、またいずれ書こう。

先日、横田早紀江さんからハガキをいただいた。
そこにはこう書かれていた。
《この7月で日朝約束の最終期限です。家族会は老化し疲れ果て、しんどくて息詰まる思いで成りゆきを見守っております。
すごい人生になったなあ・・・としみじみ思います》

《82歳と79歳の老人の心身を神様がどこまで用いて下さるでしょうか。》

日朝協議が始まってからのいまが、これまでで一番しんどいと言う早紀江さんが、しんどさを歎きながらも、奥底には、そのしんどさも含めて、自分の心身は神に用いられているというすべての瞬間への肯定感がある。
それが「すごい人生になったなあ・・」という一見唐突な感懐になるのだろう。

事態が少しでも早く動きますように。