DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  KT5連勝、NC4連勝

 示範競技は27日で終了となった。2016年公式戦(レギュラーシーズン)開幕は4月1日(金)。


トゥサン 1−0 LG  (ソウル・蚕室)
(勝)ユ・ヒィグァン 2勝1敗  (セーブ)イ・ヒョンスン 1勝3S  (敗)ウ・ギュミン 1勝1敗
 トゥサンは1回表、LGの先発ウ・ギュミンから4番の新外国人エバンス(元東北楽天)のタイムリーで1点を先制した。トゥサンの先発ユ・ヒィグァンは5回まで無失点に抑え、ウ・ギュミンも2回以降追加点を与えず6回表まで投げた。トゥサンは6回裏から2番手ホ・ジュンヒョク、LGも7回表から2番手イ・ボムジュンが登板した。
 LGは7回表途中からチェ・ソンフン、シン・スンヒョン、キム・ジヨンの継投で追加点を与えなかった。トゥサンは8回裏以降オ・ヒョンテク、キム・ガンニュル、イ・ヒョンスンの継投で無失点に抑え、完封リレーで3連勝し示範競技を終えた。トゥサン打線では3番ミン・ビョンホンが3安打と活躍。


SK 1−11 サムソン  (大邱
(勝)チャン・ウォンサム 2勝  (敗)キム・グァンヒョン 2勝1敗
本塁打) SK : イ・ジェウォン 2号  サムソン : チェ・ヒョンウ 5号
 SKは2回表、サムソンの先発チャン・ウォンサムから6番イ・ジェウォンの本塁打で1点を先制した。サムソンは2回裏、SKの先発キム・グァンヒョンから8番イ・フンニョンの2点タイムリーで逆転し、4回裏、SKの2番手パク・ミンホから代打パク・ハニ、9番キム・サンスのタイムリーで2点、5回裏、SKの3番手ムン・グァンウンから4番チェ・ヒョンウの本塁打で3点を追加した。サムソンの2番手キム・デウは6回表、3番手クォン・オジュンは7回表をそれぞれ無失点に抑えた。SKの4番手シン・ジェウンも6回裏を無失点に抑えた。
 サムソンは7回裏、SKの5番手パク・チョンベから途中出場の6番イ・ジヨンの内野ゴロの間に1点、8回裏、SKの6番手パク・ヒィスからキム・サンス、2番パク・ヘミン、途中出場の3番キム・ジェヒョンのタイムリーで3点を追加した。5番手チャン・ピルジュンは8回表、6番手シム・チャンミンは9回表を無失点に抑え、サムソンが首位で示範競技を終えた。サムソン打線では5番イ・スンヨプ(元オリックス)が3安打と活躍。SKは5連敗で示範競技を終えた。


NC 8−3 ネクセン  (ソウル・高尺)
(勝)イ・ジェハク 2勝2敗  (敗)パク・チュヒョン 1敗
本塁打) NC : ナ・ソンボム 3号、イ・ホジュン 4号  ネクセン : パク・トンウォン 3号
 NCは1回表、ネクセンの先発パク・チュヒョンから3番ナ・ソンボムの本塁打で1点を先制し、2回表2番キム・ソンウク、ナ・ソンボムのタイムリーで3点を追加した。ネクセンも2回裏、NCの先発イ・ジェハクから7番パク・トンウォンの2ランで反撃したが、NCも3回表パク・チュヒョン、代わったネクセンの2番手キム・サンスから8番チ・ソックン、1番パク・ミヌのタイムリーで3点を追加した。ネクセンも3回裏5番キム・ミンソンのタイムリーで1点を返した。
 NCの2番手ク・チャンモは5回裏、3番手キム・ソンギュは6回裏をそれぞれ無失点に抑え、7回表、ネクセンの3番手マ・ジョンギルから6番イ・ホジュン本塁打で1点を追加した。ネクセンの5番手キム・テッキョンは8回表、6番手イ・ボグンは9回表を無失点に抑えた。4番手カン・ジャンサンは7回裏、5番手の高卒新人パク・チュニョンは8回裏、6番手パク・ミンソクは9回裏を無失点に抑え勝利し、NCは4連勝で示範競技を終えた。打線では9番キム・テグンが3安打と活躍。


ハンファ 10−5 キア  (光州)
(勝)ソン・ウンボム 2勝  (セーブ)パク・チョンジン 1S  (敗)ジーク 1敗
本塁打) ハンファ : ロサリオ 4号
 ハンファの先発の新外国人マエストリ(元オリックス)は2回裏まで無失点に抑え、3回裏から2番手ソン・ウンボムが登板した。ハンファは5回表、キアの先発の新外国人ジークから1番チョン・グヌのタイムリーで2点を先制し、6回表、キアの2番手ユ・チャンシクから7番シン・ソンヒョン(元広島)のタイムリー、9番クォン・ヨングァンの犠牲フライ、1番チョン・グヌ、2番チャン・ミンソクのタイムリーで6点を追加した。ハンファは3番手キム・ヨンジュ、4番手イ・テヤンの継投で6回裏を無失点に抑えた。
 キアは7回裏、ハンファの5番手アン・ヨンミョン、6番手キム・ギョンテから代打ハン・スンテク、8番パク・チャンホのタイムリー、途中出場の9番チェ・ビョンヨン、途中出場の1番キム・ホリョンの犠牲フライ、2番イ・ホシンのタイムリーで5点を返し、3番手キム・ユンドンも8回表まで無失点に抑えた。ハンファは9回表、キアの4番手ホン・ゴンヒィから4番の新外国人ロサリオの2ランでリードを広げ、チョン・デフン、パク・チョンジンの継投で相手の反撃を断ち勝利した。ハンファ打線ではシン・ソンヒョンが3安打2打点と活躍。


ロッテ 3−5 KT  (水原)
(勝)ピノ 1勝2敗  (セーブ)ホン・ソンヨン 1S  (敗)ラリー 1敗
本塁打) KT : キム・サヨン 6号
 KTは3回裏、ロッテの先発ラリーから相手のエラー、3番ユ・ハンジュンのタイムリーで2点を先制した。ロッテは4回表、KTの先発の新外国人ピノから5番パク・ホンドの犠牲フライで1点を返したが、KTは4回裏7番キム・サヨンの2ランでリードを広げた。ロッテの2番手キム・ユヨンは5回裏を無失点に抑えたが、KTは6回裏、ロッテの3番手パク・チンヒョンからキム・サヨンの犠牲フライで1点を追加した。
 KTの2番手チョ・ムグンは7回表から8回表まで無失点に抑えた。ロッテもイ・ミョンウ、チョン・デヒョン、キム・ソンベの継投で追加点を与えず、9回表、KTの3番手コ・ヨンピョ、4番手キム・ジェユンから途中出場の7番キム・ジェユのタイムリー、9番アン・ジュンヨルの犠牲フライで2点を返した。5番手ホン・ソンヨンが相手の反撃を断ち、KTは5連勝で示範競技を終えた。打線では示範競技10チーム最多の6本塁打を記録したキム・サヨンが1本塁打3打点と活躍。ロッテは引き分け1つを挟み6連敗で示範競技を終えた。

(示範競技、全日程終了)
        試合 勝  負  分  勝率
1.サムソン  16 11 5  0  .688
2.KT    16 10 5  1  .667
3.トゥサン  16 8  5  3  .615
4.ハンファ  16 9  7  0  .563
5.NC    17 8  8  1  .500
5.キア    15 7  7  1  .500
7.LG    17 7  8  2  .467
8.SK    16 6  8  2  .429
9.ネクセン  16 5  10 1  .333
10.ロッテ   17 3  11 0  .214

  第6回  ハンファイーグルス 

 2015年はようやく4年ぶりに最下位を脱出し、シーズン終盤まで公式戦5位以上のポストシーズン争いに残った。名将キム・ソングン監督に対する期待は非常に大きく、5年余り低迷期を過ごしてきたファンたちは、FAでチョン・ウラム、シム・スチャンと2人の投手を獲得、大物新外国人打者ロサリオとの契約などもあり、2016年シーズンは9年ぶりとなるポストシーズン進出をどうしても夢見てしまう。


【投手陣】

〈先発〉 
アン・ヨンミョン、ロジャース、◎マエストリ、ソン・ウンボム、◎キム・ジェヨン
〈リリーフ〉
パク・チョンジン、△クォン・ヒョク、◎△チョン・ウラム、◎シム・スチャン、チョン・デフン、ソン・チャンシク、キム・ミヌ、△キム・ヨンジュ、◎イ・ジェウ


注 : ◎は新加入、△は左腕
 先発の軸として期待されていた大物外国人投手ロジャースは、ひじの故障で開幕に間に合わず、4月中の復帰が見込まれている。2015年10勝をあげたアン・ヨンミョンが韓国人では最も信頼できる先発投手となるが、大卒新人のサイドハンド右腕キム・ジェヨンに期待が集まっている。3月の示範競技中に契約した新外国人投手マエストリ(元オリックス)も、早く韓国に適応できれば安定した投球が望める。
 先発陣があまり強力ではないため、2015年キム・ソングン監督はクォン・ヒョクを中心とした細かい継投策をとってきた。特にSKで左の中継ぎの柱として活躍してきたチョン・ウラムの加入が大きい。同じくFAで加入したシム・スチャンは先発、リリーフともに起用が可能だ。変幻自在、臨機応変の監督の投手起用に注目したい。


【打撃陣】

〈ベストオーダー〉

1.イ・ヨンギュ(中) △
2.チョン・グヌ(二) 
3.キム・ギョンオン(右)  △  
4.ロサリオ(一) ◎ 
5.キム・テギュン(指) 
6.チェ・ジンヘン(左)
7.シン・ソンヒョン(三)  
8.チョ・インソン(捕)  
9.カン・ギョンハク(遊)  


〈控え〉
(捕手) チョン・ボムモ、ホ・ドファン
(内野手) イ・シチャン、クォン・ヨングァン、イ・チャンヨル、ソン・グァンミン、△ハ・ジュソク
(外野手) △イ・ソンヨル、◎△チャン・ミンソク、△コ・ドンジン、△ソン・ジュホ

注 : △は左打者。◎は新加入。
最大の注目はメジャーリーグベースボール(MLB)・コロラドロッキーズで主軸として活躍してきた新外国人ウィリン・ロサリオで、示範競技も好調だったため4番を任されると思われる。主砲として活躍してきたキム・テギュン(元千葉ロッテ)にも発奮材料となるだろう。経験豊富なイ・ヨンギュ、チョン・グヌの1-2番コンビは健在で、キム・ソングン監督の作戦を忠実に遂行するであろう。
 2015年はレギュラーを固定できなかった三塁は、示範競技で25歳のシン・ソンヒョンが一歩他の選手よりも抜きんでている。2015年9月軍から除隊され復帰した22歳のハ・ジュソクも打撃には自信があり、面白い存在だ。捕手も40歳のチョ・インソンだけでなくチョン・ボムモ、ホ・ドファンなどとの併用となり、レギュラーを固定せず競争をあおることによってチーム力を高めていくことが考えられる。


 キム・ソングン監督によって投打ともに的確に補強されてはいるが、経験不足などもあり上位争いに踏みとどまれるかは懐疑的な部分もある。2015年6位に終わり、あと一歩及ばなかった公式戦5位以上のポストシーズン進出が変わらぬ目標となるであろう。4月1日、敵地・蚕室でのLGとの開幕戦は3塁側ハンファ応援席があっという間に売り切れるほどの熱気にファンが覆われている。2015年同様、プロ野球ファンたちの話題の中心となるような快進撃を期待したい。



本拠地
 大田・ハンファ生命イーグルスパーク
 
 大田(テジョン)は韓国中西部の地方都市で、ソウルから南部への鉄道・高速道路の分岐点と交通の要所にあり、1970年代以降ハイテク産業が発展し人口140万人を超える韓国第5の都市に成長した。ハンファは1986年の球団創設(1993年までピングレイーグルス)以来大田を本拠地としている。2012年以降、野球場の大規模な改修工事により内野2階席が増設され、グラウンドが拡張されるなどリニューアルが続いている。2015年シーズン開幕を前に、ハンファの主催試合では「ハンファ生命イーグルスパーク」の愛称で呼ばれることになった。
 2016年シーズンより、ハンファの応援ステージがライト外野から1塁内野席へ戻ることになった。8回裏ハンファの攻撃の際、1アウトから応援団長の笛の音だけで「チェ!ガン!ハン!ファ!」と大声でファンが叫ぶ応援が名物となっている。応援団が派遣されないビジターのハンファの試合でも、8回表にファンたちが自主的に叫んでいることもある。

 なお、主催試合は大田より40kmほど北の地方都市・清州(チョンジュ)で開催されることもある。











[交通アクセス]

【大田・ハンバッ総合運動場野球場】
Korail、大田地下鉄1号線大田駅からバス(111-1番など)、タクシーで10分程度。
大田地下鉄1号線・中央路(チュンアンノ)駅から111番バス、タクシーで5分程度。

(文責 : ふるりん