[トゲソバ(ママコノシリヌグイ)]
『週刊エコノミスト』(毎日新聞社)2012年9月25日
〔名門高校の校風と人脈〕/12
盛岡第一高校(岩手県立・盛岡市)
岩手に理想郷をみた賢治 望郷の想いを詠んだ啄木
- 今年も詩人・宮沢賢治の命日である 9月21日に「賢治祭」が開かれる。それに、今年 4月が没後 100年だった石川啄木。盛岡第一高校を語る場合、2人のこの偉大な文人がまず脳裏をよぎる。
- 啄木の家は貧しく、故郷を追われて転々とし、肺結核で 26歳にして死去した。望郷の念が強く、それゆえにこそ多くの日本人が共感する歌がつくれたのだろう。
- 盛岡一高は、戦前の旧制時代には「政治家か軍人」を志向する卒業生が多かった。海軍大将・海相のあと首相をした米内光政がその象徴である。
- 盛岡一高の校歌は、軍艦マーチに歌詞をつけたものである。また応援団は弊衣破帽、高下駄、はかま姿のバンカラスタイルが連綿と伝わっている。だが、高名な卒業生は文武両面に広がっていることがわかる。
- 2012年の大学入試では、東大に 3人、京大に 2人、東北大に 57人が合格している。(猪熊建夫)