歪んだ欲望の街、秋葉原

もぉ12月ですよぉ!12月と言えば、そう!ボーナス!ボーナスが出たらベースもう1本欲しいなぁ。最近練習してねぇけど。ベース買ったらスクールに通いたいなぁ。スラップ奏法をマスターしたいなぁ。って妄想するけど、ローンで消えるTARです。


そういや、先週の金曜日、午前中に都内で個人的な用事があったので、仕事を休んで用事を済ませ、その帰りに、歌舞伎の中古DVDが売ってねぇかと、一人でプラプラと秋葉原に行ってきた。アキバって、数年前ならPCの自作パーツを買いにしょっちゅう来てたけど、最近はヨドバシのタワレコにCD買いに行くか、飲みにしか来なかったからど〜なってんのか知らなかったけど、・・・アキバ、阿呆じゃねぇの?と、ちょっと呆れた。電気街?大きな通り沿いに家電屋やPC屋がねぇワケじゃねぇけど、ちょっと一本横道に入ると、ドコもかしこもエロい萌えアニメ絵の看板がデカデカと掲げられて、気持ち悪いコト、この上ない。一応”観光地”ってコトで、外国人の家族連れも居るのに、あんなんじゃ「ニポンジン、ロリコンバッカリネ!」って思われるわ!


平日の昼過ぎだってのに、得体の知れないオッサンがウロウロしてるしな。それも、アキバを拠点に裏ビジネスをしてるような中国人ってワケじゃなく、明らかに日本人のオッサン。それもアキバで働いてる風でもない風体。多分、オレより年長じゃねぇかなぁ。「アンタ、仕事、ナニしてる人?」ってカンジ。もちろん、オレみてぇにナニか用事があって会社を休んだのかも知れないけど、オレ、あんなに得体が知れない恰好してねぇよぅ。もちろん、歩いてる人はヲタクっぽい大学生ぐらいの男子が大勢を占めてるんだけど、その大学生っぽい子もある意味”年齢不詳”なトコがあるから、街全体が”怪しい人”だらけ。最近のアキバって大型のオフィスビルもいっぱいあるんで、ビシッとスーツを着て歩いてる人も居るんだけど、ペラッペラのジャンパー着て、リュックサック背負って、大判の紙(多分、予約特典とかのポスター?)を丸めた筒を刺した紙袋を持って歩いてる人が、そこら中に溢れてる。ご想像のとおりの姿をした人ばっか。交差点で信号待ちしてたら、オレの隣で自転車に乗ってた30歳ぐれぇの男性が職質されてた。盗難自転車じゃないかと登録番号の照会されたり、身分証明書の提示を求められたりして、結局は「自転車の防犯登録してね〜」ってカンジで終わってたけど、髪の毛ボッサボサで野暮ったい服着て、明らかに職質されそうなタイプ。なんとなく、職質慣れしてた様子だったのは”ユージュアル・サスペクツ”だから?次、オレんトコに来るんじゃねぇかとワクワクしてたけど、オレはスルー。もし身分証明書の提示を求められたら「あぁん?強制?任意?任意なら拒否します」って言うつもりだったのに。って、いつまでパンクス気分の若いつもりで居るんだか、オレ。


とりあえず、オレも当初の目的と果たそうと、中古DVDって書いてある店には片っ端から入ったんだけど、ドコ入っても「アニメ」「アイドル」「アダルト」のDVDしかねぇ!(コレを嫁に言ったら「トリプルA?」って言いやがった。アイドルは”IDOL”じゃ!)たまに「特撮」「鉄道」のコーナーね。アキバらしいと言えばアキバらしいか。隅っこの方に『ガキ使』とか『すべらない』とかのDVDも置いてあったけど、全体数量から考えると1%未満じゃねぇかな。店内はアニソンかAKBシリーズの曲がガンガンかかってて、1日居たら完全に覚えられるわってぐらい。(ちなみに、乃木坂46の『バレッタ』がパワープレイされてたお陰で、サビが脳内リフレイン)どこにも「演劇・舞台」って書いてあるコーナーがねぇから、店内をウロウロするんだけど、「え?アニメDVDってこんなにリリースされてるの?」って絶句。知らなかったとは言え、度胆を抜かれた。それってつまりは、それだけ”ニーズ”があるからリリースされるんであって、それだけの作品に携わる人も多いし、その作品を買う人も多いってコトでしょ?そんなにか?そんなに世間じゃアニメを観てるんか?どんだけの金が動いてるんだろう?オレだってヲタクやコレクターのメンタリティを理解できないワケじゃないんだけど、DVDボックスって言ったら3万とか4万とかするじゃん?しかも莫大な量の作品が毎月毎月リリースされてる。その全部を買ってるワケじゃねぇだろうけど、結構の額を突っ込んでるコトは確かでしょ?いやぁ、スゴいわ。まぁ、彼らから見たら、ギャンブルやファッションに何万・何十万もかける人の方が「理解できひん!」だろうけど。


平日の昼間なんで少なかったとは言え、メイドさんも数人見た。ちんちくりんで十人並みのルックス。まぁ、あぁいうタイプの娘が、客(=非モテ男子)に劣等感を与えないから重宝されるのかも、とか冷静に分析。彼女達って、寒空の下で生脚を放り出して、ファンタジーの世界に生きてる男子相手にチラシを配って、店では愛想を振りまいて疑似恋愛の相手をするって仕事をどう捉えてるんだろう?割のイイバイト感覚?大して可愛くもなくても、メイド服を着て「にゃんにゃん♪」とか言ってりゃチヤホヤされる。心ん中では「コイツ、キモいわぁ!」って思ってたとしても、仕事って割り切っちゃえば非モテの相手も苦にならないか?ぶっちゃけ、やってるコトはキャバ嬢と同じじゃん。そんなに非モテ男子を甘やかしてど〜すんだろ?ブーの字でも金さえ払えば、ファンタジーの世界にしか存在しない”メイド”やら”幼馴染”やら”女子マネージャー”やらがお相手をしてくれる。ん?逆か?喰いモノにされてる?まぁ、本人が楽しきゃそれでイイんだけどさ。


あとね、なんかのゲームの発売日だったのか、ゲーム屋の前にブースが出てて、そのゲームのキャラのコスプレした娘の前に気持ち悪い男子(オレよりも年上と思われるオッサン含む)がズラ〜っと並んで握手してもらってた。そのコスプレしてる娘の顔、どぉ高く見積もって下駄を履かせても”中の上”ってトコ。確かに11月の末としては、いささか露出の多いコスチュームで扇情的ではあるけれど、並んでまで握手したいとは思わないなぁ。もしかして、そのゲームのキャラクターの声をやってる声優さんだったのかも。いやぁ。普通のルックスの女子もチヤホヤしてもらえる街なんだな、アキバって。そういう意味では、男女ともメリットがあるのか。需要と供給のバランスが取れてるなら、おっちゃんが言うコトねぇわ。


結局、お目当てのDVDなんて影も形もなかったけど、ウロウロしてる間に、結構美味しそうなお店をいくつか見つけた。ただ、街自体がこんなんじゃ、そのお店を目指してわざわざ来る気にはならんなぁ。特に女子を連れて飲みに行くような街じゃねぇな。なんか、異世界。まぁ、アキバの住人には是非とも景気回復・需要拡大に努めていただきたいものですな。