地熱の中の人曰く


地熱発電は技術的にオワコンといっている人もいるようだが*1、地熱の中の人(地熱開発事業者)は適切なFIT(固定買取価格制度)が整備されれば、十分にやっていけると考えているようだ。
資本費償却後のランニングコストはすごく安い。
地熱発電は初期費用こそかかるものの償却後は石炭火力の燃料費よりも安い金額で運転できると中の人は見込んでいる。

16年目には、資本費部分が非常に大きいものですからランニングコストは小さくて、2.9円/kWh程度になります。このときに市場価格に任せた場合に、例えば仮に15円/kWhと置いたときには十分な利益が出ますが、これが出力を維持するための追加投資、または新規プロジェクトへの投資の原資になるという考え方です。

規模でコストが大きく違う。

図を見ればわかるように、規模メリットは大きいようなので国立公園内等の地熱資源の豊富な場所の開発が進めば*2、現状の技術でも十分安く開発できるようになるかもしれない。

現存する17カ所、20ユニット、54万kWの地熱発電は、大きいもので6万5000kWから100kWまで規模が大きく異なっていて、スケールメリットによる経済性が甚だしく異なります。従って、規模に乗じた固定買取価格の設定を希望しております。
私どもとしては1万kWと3万kWと5万kWを標準にしまして、グラフを描いております。このグラフで赤い線がy=80.655x-0.3329というべき乗の式で表したものです。私どもとしては、出力に乗じた価格を決めていただきたいということで、このべき乗関数の変数としたらどうかということで、左側に書いていますが1万kWの場合は37円/kWh。38円/kWhで計算したのですが、べき乗関数に入れると37円/kWhになります。

例え現行技術のまま技術開発が進まないとしても、原発の代わりとして一部なりとも地熱発電に変えることはできるだろう。風力・太陽光発電・小水力・バイオマス等とうまく組み合わせて原発分程度は10年程度で代替できるのではないだろうか*3。ちなみに太陽光発電は今年中に日本の総電力量の1%程度をまかなえそうである。

なお、図の引用は地熱発電の買取価格についての要望から、文章の引用は第3 回 調達価格等算定委員会議事録から行った。

*1:例えば地熱発電は詰んだ技術 - Togetter

*2:すぐ自然破壊ガーという反応が来るかもしれないが、原発も国立公園内での大規模開発が行われている。どちらが自然環境を破壊するのだろう?

*3:その間は火力発電が代替するだろう