ニペソツ山スピードハイク 

ニペソツ


9月のハイキングは毎年特別に大事にしている。澄んだ空と冷たい空気が好きである。今年は、ずっと行ってみたかった山、東大雪の2000m峰の鋭鋒ニペソツに行くこととした。期限到来前のマイルを使った経済山行で半日日帰り。
帯広空港到着は少し遅れて20時過ぎ。20代の頃バイクツーリングで来て以来だ。帯広市内で食糧を調達して、レンタカーで真っ暗な道を上士幌経由、糠平湖北の十六ノ沢林道の杉沢出合を目指す。星空とはいえ、未舗装の林道は怖い。23時05分、20台ほどの車の泊まっている林道終点にそっと駐車。「サッポロクラッシック」を一缶飲んで、就寝。ヴィッツの前席リクライニングはやや窮屈であるが、それでも熟睡できるのは特技。
5時起床。すでに薄っすら明るく周りは出立準備中。自分もカウベル&熊スプレー(今回新規調達!)を装備して6時発。杉沢を渡りいきなり急登開始。針葉樹林の中に赤や黄色の紅葉が広がる。小天狗岳まで600mの登り。年配のハイカーに挨拶しながら先に行く。小天狗からは表大雪、トムラウシの眺望を楽しみながら一旦コルに下り、前天狗に登り返し。薄曇となったがニペソツの大きな塊と鋭いピークが目に飛び込む。
表大雪遠望
本峰を望む

天狗岳を巻いてニペのコルに降り立ち、ここから300mの登り返し。風は結構強く、霜柱や立派なツララもあって、晩秋の趣である。急登で一気にニペソツに向かう。先行者2名に続いて8時50分にすっきりとピークに到着。
今回のお供は片桐の布ザック
滑降記録のある東壁

目の前にウペペサンケ山、表大雪からトムラウシの稜線、十勝連峰、遠くに夕張岳方面も見わたせる(親切な北海道の岳人が教えてくれた)。帰りは夕刻の飛行機なので、時間はたっぷり。ゆっくりと山頂の時間を楽しむ。徐々に登ってくる人があったが途中1度、たった一人でピークを独占する時間もあって満足した。9時40分、下山開始。途中前天狗のあたりで先行者から鳴きうさぎがいるのを教えてもらう。数メートル先に小さな姿。
笹や樹林が深く、結構迷いそうになりながら、熊がいないか気になりつつ進む。紅葉がきれいである。山頂一番発ちの方に最後に追いつき、本日一番で下山。12時5分。
紅葉の盛り
針葉樹林の中に

林道を戻り、車で10分ほどの幌加温泉に行く。木造校舎のような小さな建物(失礼ながら閉まっているのかと思ってしまった)で、硫黄泉と塩水泉の2つが滾々と涌くだけの静かな温泉。シャワーなどない昔ながらのスタイル。ここもしばし貸切で、窓の外の紅葉を眺めつつ疲れを取った(入湯料300円)。
後は空港に戻り、順調に帰宅した。
幌加温泉
窓から紅葉
硫黄泉と塩水泉

(行動記録)
十六ノ沢 杉沢出合 (1030m) 6:00
前天狗 8:00
ニペソツ山頂(2013m) 8:50 / 9:40
杉沢出合 12:05

(登り・下り高度差)延べ登下降高1200m
(地図)一般ルートにつき省略