「インプロ」福岡市赤煉瓦文化館

teru10162013-06-19

19時〜 演劇書を読む会
キース・ジョンストン著、三輪えり花訳
副題に「自由自在な行動表現」とある。 今までインプロとは即興劇のことで演劇の稽古に使われるものかと思っていた。
そうではなく、これ自身が確立されたジャンルであるということが分かった。
ステイタスの章では実生活でも適応できる分析が多々あって、とても興味深く読めた。
たとえば、家庭内における夫婦のステイタスとか会社での上司と部下のステイタスとか。
ひらめき、ナラティブスキルの章は多くのエクササイズが書かれていて読み物としてはおもしろかったけど、また遠くに離れてしまった。
そして仮面とトランスの章ではかなりの衝撃を持って催眠とか憑依とかの現実を読んだ。
しかも参加者の元演劇人の実体験なども聞いてますます驚いてしまった。
恐いイメージを持ったが、ここまでやるのがインプロなのかな、それでも魅力的なものかなと考えた。
九州にもあるというインプロ集団の公演や、先日中洲で公演されていたプレイバックシアターとかいろんな側面からインプロを考えるきっかけになった。
社員教育や病気の治療、教育など各方面で利用されているようだ。
奥深いものだと思う、その入り口だけを知った感じ。

次回の演劇書を読む会の課題本はチェルフィッチュ岡田利規さんの「遡行 変形していくための演劇論」
三分の1ほど読んだが、かなり面白い。私がそう思うのだから演劇をやっているひとたちには相当面白いのではないかと思う。

「池島譚歌」 映画 

1000円  
レディースデイだからではなく、一律1000円、なぜこういう値段設定なのかはちょっとわからない。
そうか、長崎と福岡だけで上映だからかな。
ともかく、私の出身の島だから、映像的に池島を見たいということと池島でどういう話が作れるのかということに興味津々。

諒一(田中達也)は母と母の故郷の池島に引っ越してきた。でもある日突然に母はいなくなった。
島の住民に育てられた諒一はある日、母が集めていた石炭のボタを妙なところで発見する。
母が帰ってきてるのかもと友達と母を探す諒一、どこからともなく現れたほのか(東さや香)も探すのに加わる。
母はみつかるか、石炭の謎は解けるか・・・

諒一とその友達3人の子役がとても愛らしくて、長崎弁も池島の風景もなつかしくて見入ってしまった。
ストーリー的にはちょっと無理のあるファンタジーSFというか、設定的にこれはありえないやろ、という部分も
多々あったのだけど、プロの役者さんの力と子役の可愛さ、島への愛着でプラス評価。
池の鬼、タンコロボックル的なアプローチは夢が膨らんで良かった。池の鬼は堀川りょうさん、有名な声優さんらしい、知らなかった〜

最後は大人になった諒一が映画監督になって戻ってきて、いろんな想いを独白しながら水辺の森公園を歩いていくものだけど、
この移動撮影に使われたのが1kmのレール。といっても、700mのレールを使いまわしての撮影だったのでかなり大変だった模様。
そのときのエキストラも1000人以上いるという話。

地域限定の映画としてはかなり力の入った作品に仕上がったのではないかと思う。
池島を知らない人にどう映るのだろうと心配だったのだけど、全国的なファンもいるようで無償にうれしい。

船での別れは辛い・・・諒一が父親と池島を離れるシーンでは涙が出て止まらなかった。
池島中学校の同窓生とは今でも交流がある。今は「池島譚歌見た?」が合言葉だ。