『モーターサイクル・ダイアリーズ』

チェ・ゲバラの若き日の旅行記を元にした映画。

ケルアックの『オン・ザ・ロード』みたいな話かなと思って見始めたのだけど、そこは革命に奉じたゲバラ旅行記共産主義者ハンセン病患者など、弱者と南米の現実が描かれている。

終盤、ハンセン病患者を収容する病棟でボランティアとして働き、彼らやそこで働く修道女たちと仲良くなったゲバラと有るベルトは、名残惜しくもそこを後にするのだけれど、煙が立ち込めて、患者や修道女たち一人ひとりの顔が見えなくなってしまう演出が印象的。

ゲバラにとって彼らは、顔のない人々になってしまったのだろうか。顔のない他者は、特定の他者とどのように違うのだろうかとくにゲバラにとって。