醸造のための化学 1
醸造のための化学
醸造というのは でんぷん又は糖から 酵母菌のはたらきによって エタノールと二酸化炭素を造ることです
したがって でんぷんと糖に関する 知識が必要です
久しぶりに 高等学校の化学の教科書で 「天然高分子」の勉強をしました
糖類(炭水化物)
いずれも CnH2mOm で表されます
糖類は 単糖類 二糖類 多糖類に 分類できます
単糖類
グルコース(ブドウ糖) gulcose C6H12O6
フルクトース(果糖) fructose C6H12O6
二糖類
スクロース(ショ糖) sucrose C12H22O11
多糖類
デンプン starch (C6H10O5)n
・単糖類の グルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)は 分子式は同じですが 構造式が違います(異性体といいます)
・二糖類のスクロース(ショ糖)は グルコースとフルクトースが 結合した形です
・多糖類のデンプンは アミロースとアミロペクチン(どちらも グルコースが 鎖状につながった化合物)の混合物です
以上は 糖類の一部ですが これだけ知っていれば 十分ですアルコールについて(追補) *1
肝心のアルコールについて 説明を忘れていました
1つの炭素(C)に 1つのOHと 3つの水素(H)がついたものです
メタノール(メチルアルコール)は 有毒です 絶対に飲んではいけません *3
2つの炭素(C-C)に 1つのOHと 5つの水素(H)が 結合しています
私たちが 酩酊のために飲んでいるのは エタノール(エチルアルコール)です
ワインつくりでは 器具の消毒用に エタノールを使います
純粋なエタノールならば 器具に残っていても 問題ないわけです
・私たちが 食料にしている 穀物や果物の主な成分は 炭素の環に 水素(と酸素)がくっついたものです それで 「炭水化物」と言うわけです
・上に出てきた原子記の号は H(水素) 炭素(C) 酸素(O)の 3種類だけです
・これらの3つの原子の 重さは *5
H 水素 1
C 炭素 12
O 酸素 16
です これを覚えておくと あとの計算の役にたちます
・ワインのように 糖から造る酒では 酵母菌の働きで
・ビールのような デンプンを原料とする酒は
そのあとで 酵母菌のはたらきで
写真は 昨日のおり引きの様子です