世界は環境問題をどう見ているか(36)

36 Three Million Gallons of Contaminated Water Turns River Orange in Colorado
  300万ガロン(約11,000m3)もの廃液がコロラド州のオレンジ川へ流出

今回は、米国の河川汚染の問題です。とにかく写真が衝撃的です、こんな真っ黄色な川にカヌーが3漕浮かんでいます。この流域の漁業はもちろん、農業、工業そして人々の暮らしまでが壊滅状態でしょう。あまりにも悲惨です。何故こんなことになったのか?出典は米国Yahooです。

https://gma.yahoo.com/three-million-gallons-contaminated-water-turns-river-orange-145919486--abc-news-topstories.html#

2015.8.10

<本文要約>
米国コロラド州アニマス川が流出した毒性物質の影響でオレンジ色に染まり、それが下流へ流れ続け他の州にも達している。8月5日、コロラド州のゴールドキング鉱山から、米国環境保護庁の職員のチームが誤って300万ガロン(約11,000m3)の廃液を放出したとのことである。最初は、100ガロンの1/3程度であると見積もられた。その汚染された水には鉛やヒ素などの重金属が含まれており、くすんだオレンジ色や黄色に染まっているとABC支局のKMGHは伝えている。
「我々は知っている。これと同じようなダムのような古い鉱山がたくさん存在していることを。そしてそこへ遡ることにしている。」コロラド州政府のジョン・ヒッケンルーパー氏はKMGHにそう語った。「人々は、コロラド州のこの空や風景そして流れる川について思案している。彼らは川をオレンジ色にしてほしい訳ではない。」この汚染を浄化するための計画はまだ出来ていない。ヒッケンルーパー氏はそう言って、責任の所在を決めるのにも時期尚早であるとも付け加えた。
水はサンファン国立の森を流れ過ぎて、サンファン川がその汚染水を運んでユタ州を通り最終的にパウエル湖に流入するだろう。専門家はそう語った。

<コメント紹介>
コメント数は何と3,831件です。しかも長文コメントが多いです。米国の方々がいかにこの問題に関心があり、不安を持っているか良くわかります。

ここでは3件紹介します。

「私が記事などを読んだ範囲では、その排水を放流するに至った理由が全く見つからないよ。いったいどうして放流したんだ? EPAは、こうすることで何かよいことがあったのか。」

「水中の全ての生物は死んで、動物たちはその水を飲んでいる。誰もこの水を飲めないし、これがいつまで続くかわからない。何てバカなことを!これらの化学物質のおかげで洗濯もできない。そしてどうやってこの水をきれいにしたらいいんだ。そしてこの近くに私が住んでいたら、安全な水を得るのにどうしたら良いかわからないこの厄介な状況に悲鳴を上げるだろう。」

「私の姉と兄は先月ニューメキシコ州アルバカーキへ移動したし、私もそこへ移動したい。でも有害物の多量流出による全ての物への長期の悪影響は計り知れない。ところで政府の役人や当局は全員クビにすべきだ、彼らが調査を終えて浄化も終わった後でもいいから。州は自身の手で、ここで起こることをコントロールすべきだ。」

<解説>
 本文によれば、鉛やヒ素になどの重金属による汚染のようです。工場排水なら中和と沈殿分離で対処できますが、公共の河川に流出したとなると極めて難しいです。少しずつでも酸またはアルカリを投入して中和するのでしょうか、でも気の遠くなるような時間のかかる浄化方法です。
 日本でも水質汚濁の公害は昔から存在しますが、現在ではいずれもほぼ解決に向かっています。しかし福島第一原発からの放射能汚染水の流出は、まだ解決には遠い状態です。そしてその問題の成り行きを、世界中が注目しています。国を上げて全力で取り組んではいるのですが‥‥‥。