南相馬市の状況(その2)

政府の方針もかなり明確になってきた現時点で(その2)をまとめておきます。
被災前の南相馬市の人口は約72000人でした。8月22日の段階で、約39800人の方が居住。1ヶ月前の36000人(7月25日)と比較すると市内に戻る方が増えている様子がわかります。とはいえ、
①この人数には仮設住宅や知り合いの家に避難している方も含まれる。
警戒区域になっている小高区の人口はゼロ(被災前は12800人)。原発からほぼ30キロ以遠の鹿島区の人口が11800人(ほぼ被災前と同じ)、真ん中の原町区が28000人(被災前は47000人)と大きな偏りがある。
③緊急時避難準備区域内にあるため閉鎖されている原町区の小中学校(生徒は鹿島区の学校に通っている。新学期も8月25日からスタート)12校のうち5校については、緊急時避難準備区域の解除と除染による線量の低下を見極めつつ10月上旬にも再開の方針。ただし、放射線への不安から特に小学生は約1/3に減少している(中学生も約1/2だがこれは総人口の戻り率と同程度)。
④たとえ市内に戻ってきても、仕事場などの大きな課題がある。
という状況です。
なお、南相馬市では8月上旬には「復興ビジョン」をまとめ復興計画も年内を予定しています。8月23日の市議会には「災害危険区域」の指定のための条例(津波被害の大きかった沿岸32地区で住宅建築を制限。実際の指定はこれから)が提案され可決されています。

(その1)