「ファミリー・シークレット」読了。

 柳美里著「ファミリー・シークレット」(講談社)読了。著者の本はかなり昔に「家族シネマ」か「ゴールドラッシュ」を読んだような気がするけれど、全く記憶がない。
 自分はどうして愛する我が子を虐待してしまうのか―。その原因が自身の親子関係にあると考えた著者は、臨床心理士長谷川博一氏のカウンセリングを受ける。その内容を詳述するとともに、畠山鈴香酒井法子と自分との共通点を考えたり、虐待をしてしまった女性を取材したりしながら、己の心の闇と真正面から向き合おうとしている。
 痛々しいが、母親として、作家として、真摯な態度が感じられる傑作ノンフィクション。ほかの著作も読んでみたくなった。

ファミリー・シークレット

ファミリー・シークレット