「弱いつながり 検索ワードを探す旅」読了。

 東浩紀著「弱いつながり 検索ワードを探す旅」(幻冬舎)読了。日頃、思想ジャンルの人の本はほとんど読まないのだが、この本はそういう読者を想定して書かれたようなので、とても読みやすかった。
 デリダとかフーコーとかルソーの名前も出てくるけれど、基本的に、家に引きこもってネットを眺めているだけでは思いつかないような言葉を求めて旅に出よ、という内容。著者はアウシュビッツチェルノブイリに行って、新たな欲望に出会い、福島の「ダークツーリズム」化を唱えるようになったらしい。原発関連の情報を検索しやすくするために、周辺自治体ををまとめて「双葉市」にしよう、という活動にも賛成しているようです。
 「検索ワードを探す旅」、いいですねえ。私は「自分探しの旅」という言葉が嫌いなので、若いときにこの言葉に出会っていたらもっと影響を受けていたかも。「村人」でも「旅人」でもなく、積極的に「観光客」になろう、という意見が気に入りました。

弱いつながり 検索ワードを探す旅

弱いつながり 検索ワードを探す旅