光と闇のある空間


光と闇のあるスペースは、深い思考を促すんだそうだ。
たとえば、たいていのホテルの部屋は、間接照明や、部分照明が、好きなように取捨選択できるので、そういうスペースに該当する。
反対に、全体が明るいスペースは、人にモノを考えなくさせる効果があるそう。
スーパーマーケットやパチンコとか、コンビニ。これは、考えさせないで、消費を促すためだよね。徹夜稼動が日常茶飯事の会社とかは…深く考えていたら締め切りに間に合わない業務だからか?
ラスベガスのカジノは、明るさに加えて、床のじゅうたんも、複雑か派手な文様にして、下を見ていることをお客の目に疲れさせ、居並ぶスロットマシーンに目を向けさせる。
というわけで、光と闇のあるスペース、ホテルの部屋は、テレビやネットをオフにしてしまえば、たしかに考え事にはぴったりと、気がつく。
日常的な自分の所有物も周囲にないから、余計に。
そういえば、モノを支配し統制するかのようなストイックなデザイナー佐藤可士和氏が、無駄な部分も含めてモノと遊んじゃうようなセンスのプロデューサー、小山薫堂氏と、NHKでSWITCHインタビューをしたとき。
佐藤氏が、整理整頓なデザイン術を提唱し、極度にモノを出しっぱなしにしておくのを嫌っている、その理由の一端がかいまみえた。
思考中に、もしも机の上に、たとえばコップとか消しゴムがひとつ置いてあったら、絶対にそれは思考に影響しちゃうんですよ、みたいなことをコメントしてたの。
ふーん、私なんかは、何かに影響されて自分の内側が変わっていく感覚、好きだけどな。どうがんばったって、自分の中だけからとりだせるものって限界があるから。
ただ、たしかに日常的なモノから離れたほうが、雑念はシャットできるね。
しかし、今回もうひとつ気がついたことがある。
光と闇のあるスペースで、考え事をするときって、ちゃんと、考えるテーマを決めていかないとダメね。
これを考えよう!と決めて、準備していくくらいの。これを読んで考えよう、という本を決めて、もっていくとか。
それをしていかないと、考えなくてもいいことまで、考えがいろいろ浮かんできて、疲れちゃう…。ふう。