京都で本屋を楽しむ

したきりすずめ (日本傑作絵本シリーズ)


妻子とともに、京都国立近代美術館へ、
「川西英コレクション収蔵記念展 夢二とともに」*1を。
娘は、初美術館。「あー、あー」言っておった。
ゼロ歳にて、夢二体験。末恐ろしい。


暗くなる京の街を少し歩いたりして、妻に連れられ、
京都マルイに行く。全く予備知識なしに訪れたこの書店、
6階にある「フタバプラス」に度肝を抜かれる。
ふたば書房の支店らしいのだが、棚差しの文芸書が、
あまりにもパワフルで恐れおののく。素人目にも、
なんというか、売り上げ度外視の肝っ玉を感じた。


目利きのヒトなら他の本を紹介してこの棚のすごさを
もっとうまいこと表現するのでしょうが、とりあえず、
すごげな本をいくつか。


山田稔の本が、いろいろ。編集工房ノアのものがいくつも。
たとえば、『特別な一日―読書漫録 (ノアコレクション)』が面陳。
中井英夫の文庫版全集は創元ライブラリ、
小沼丹の『黒と白の猫』(未知谷)は箱入り。


関西では見つけられないかと思っていた"計画と無計画"も発見。
松浦弥太郎の『最低で最高の本屋 (仕事と生活ライブラリー)』なんて、DAI-X出版のが、
別々の棚で2冊差してありましたよ。他にも、文庫化されている本の、
親本がしっかり差してあるのを目撃。恐れ入りました。


気になる新刊。(既刊もあるデヨ)
有山達也『装幀のなかの絵 (四月と十月文庫3)』(港の人)
佐野眞一怪優伝――三國連太郎・死ぬまで演じつづけること』(講談社
三島邦弘『計画と無計画のあいだ---「自由が丘のほがらかな出版社」の話』(河出書房新社


購入。ふたば書房 FUTABA+京都マルイ店
西村佳哲いま、地方で生きるということ』(ミシマ社)
サムイル・ヤーコヴレヴィチマルシャーク、ヴラジミール・ヴァシーリエヴレーベデフ、うちだりさこ『アイスクリーム―かんながかんなをつくったはなし (岩波の子どもの本)』(岩波書店
アリカ『京都読書さんぽ』(光村推古書院)


興奮冷めやらぬまま、すっかり暗くなった街へ出て、
向かうは、メリーゴーランド*2。古いビルをリフォームしたのか、
不思議な新旧ない交ぜ感が心地よい建築物の5階へと。
狭い一室のメリーゴーランド、ただの絵本屋さんではない、
もうちょっと年上の児童書や関連書もあるし、オトナ向けの、
それでも地続きになっていそうなラインナップもあって、
鼻の穴が広がる。これ、新刊書なんだろうか。絶版の本も、
混ざってるんではなかろうか。


購入。
石井桃子、赤羽末吉『したきりすずめ (日本傑作絵本シリーズ)』(福音館書店


こないだ奈良県立図書情報館で『画集 赤羽末吉の絵本』をぱらぱらして、
改めて赤羽末吉を意識。おじいさんがなんともかわいらしい。
娘に、読み聞かせてみますか。


久しぶりに京都を訪れた。本屋を回ったのは、
さらに久しぶり。いやー、楽しかった。
いい本屋、まだまだありますね。
また行きたいです。