『賭博覇王伝零 (1)』(福本伸行/講談社)

福本伸行『無頼伝涯』のリベンジを果たすべく、週刊少年マガジンで連載作の第一巻、なんか最初読んでいるときは、「別にこれカイジでやればいいことじゃん」とか思いながら読んでいたんですが、読んでいって思ったのは、この世界中の資産一兆越えの資本家が集まって、富を集結させる王を決めるギャンブル勝負という設定が、実は『銀と金』で当初やろうとしていたことなんじゃないか? という気がして仕方ないんですよね、あの作品で出てきた「老人の後継者」という謎のまま終わってしまった設定の先というのは、実はこういう勝負だったんじゃないかと感じさせられました。「平井銀二=アカギ」「森田鉄雄=カイジ」という風に見て、『銀と金』で語ろうとしていたことが、他の後の作品で語られているということを感じていましたが、今回の作品も『銀と金』という珠が割れた後の一欠片という気持ちにどうしてもさせられる展開に、今のところなっています。そう思うと『銀と金』って本当に未完の名作だったなと思います。下手に続きとか書かない方が絶対に良さそうです。

賭博覇王伝零 1 (1) (KCデラックス)賭博覇王伝零 1 (1) (KCデラックス)
福本伸行

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