ニセ科学「批判」からニセ科学「対策」へ

という訳で菊池誠教授にメールを送った。


はじめまして。
ハンドルネーム東方不敗と申します。しがない自営業者です。

菊池様が取り組んでおられるニセ科学問題についてメールをさせて頂きます。
最近インターネット上では、ニセ科学に問題意識を持ち、批判の意見を表明する人が増えています。こうした流れを、より有効なニセ科学「対策」へ役立てるには、どうすべきか、是非この分野に詳しい方に考えて頂きたいのです。

まずネット上でニセ科学批判が盛り上がった背景をみますと、昨今テレビで健康や医療のテーマにからんでニセ科学がもっともらしく取り上げられ、またインターネット上でもニセ科学の支持者によってその主張が喧伝されるなど、我々の日々の暮らしの中で、この問題にしばしばぶつかること、が考えられます。

特に医療分野では、米国などで近代医学の不足を補う代替医療(CAM)の重要性を訴える動きと連動して、医師たちの言うところの「機序の解明されていない」治療法が国内でもカルト的な人気を集めています。こうした傾向が過去数年で特に顕著になった、とする定量的なデータは示せませんが、しかし今や「気功治療」などの看板を掲げた店舗は都市部で堂々と営業しており、あるいはCAMの推進団体が設立され、一部の医師などから支持ないし受容の声が出ている事実は、看過しがたい面があると思います。

一方で、ネット上のニセ科学批判に積極的な人々のあいだにも、問題意識を持った医師や学識経験者が多くおりますが、相互の連絡組織、共通する明確な活動目標は見受けられず、ただ個人の枠内で呼びかけや啓発のための文章を発表するにとどまり、しばしば独善的、あるいは実効性がないといった批判を受けています。

このような現状は、例えばCAMの推進団体がCAMを実施する事業者について、保険医療機関と同等もしくはそれに準じる地位を獲得しようと努力を続けているのに比べ、きわめて運動として脆弱と考えています。

また、ネット上のニセ科学批判そのものに、一種のブームというか、過熱した興奮状態がみられ、こうした風潮は逆に一定期間のあとでは、急速な沈静化、すなわち「飽き」が訪れるのではないかと憂慮しています。とすれば、それまでに費やしたニセ科学批判の努力を無に帰すのではなく、成果を形にしておくべきと考えています。

私は、これまでのニセ科学「批判」について、その啓蒙の役割、つまりニセ科学を受容しないという意識を個々人の中に醸成しようとした目的を否定するものではありませんが、一方で新たな段階としてニセ科学「対策」を、早急に準備すべきと考えています。

すべきことは沢山あります。適切な科学教育の再確認のために教育委員会への呼びかけることや、マスメディアに対する記者会見、プレスリリースを通じた問題提起、国会、地方議員への社会的利益の観点からの提言、自治体がニセ科学による詐欺の片棒をかつがないよう注意すること、あるいはニセ科学対策マニュアルの策定。

ネット上でのニセ科学批判をとっても、例えばより網羅的で、より多くの読者にとって分かりやすい(少なくともニセ科学そのものと同じくらいには分かりやすい)解説サイトの構築に、問題意識を持った多くの人が取り組むでべきではないでしょうか。

またニセ科学による詐欺の被害者団体との情報交換を密にし、理論のみで実践に欠ける現状のニセ科学批判に、ケーススタディによる重みを加えるべきです。これらは被害者団体の代表を講師とし、ニセ科学批判に熱心な医師や学識経験者を受講者とする勉強会の開催が考えられます。

菊池先生は、すでに教育者、研究者として個人でさまざまな活動をなさっておいでだと思いますが、今後は団体なり組織なりとしてのニセ科学対策に取り組まれるお気持ちはおありでしょうか。

もちろん、そのような団体活動が必ずしも有効とはいえません。そこに束縛されることで自由な動きが制限されたり、団体の活動目的が偏向し、ニセ科学団体と同様に有害なものにならないと保証できるものではありません。

しかしながら現状の熱心ではあっても散漫なニセ科学批判に新たな方向性を与え、目に見える成果を残すための具体策は必要とされていると思います。

長文、乱文失礼いたしました。よろしくご検討のほどをお願いします。

東方不敗
URL:
http://d.hatena.ne.jp/touhou_huhai/
http://blog.goo.ne.jp/touhou_huhai_blog/
 
MAIL:touhou_huhai@gemini.livedoor.com


id:genbに「語りかけている対象が違う」とか言われたからさぁ、じゃぁ俺は、ニセ科学批判のリーダーに語りかけてみたよ。これで「そんな熱意があるなら自分でやれば?」とか返されたら、じゃー俺が唯一知ってる社民党共産党の議員にそれとなくメールしたり色々…やってらんねー。向こうも労働問題でしっちゃかめっちゃかだし。id:Pz-4が「半可通」とか言ってウットリしてたのを思い出すけど、実際、俺みたいにしがない自営業者が、この問題に取り組んだらやたらハードルが高い。専門知識も地位も声名もないチリアクタが、なにかの組織を立ち上げたり、対策のリーダーに立つのは難しい。もちろん悪マニの管理人みたいに、血ヘド吐きながら泣き言いわずに頑張ってる人もいる。

だから、いわゆるインテリというのはその地位に見合うだけの責任があるんだ。俺みたいなルンペン・プロレタリアートと違って、運動を始めるにあたっての閾値が低いんだから。

なぁid:Pz-4の若旦那よ。お前さんはこの問題に精通してるだろ。俺を半可通と呼んだからには、かなり自負するところがあるはずだ。だったら「身の回りだけ守ってればいい」なんていわずに、その知識を使って戦え。俺よりも素早く動き、実績を積み上げ、堂々とそれを公表して、そのうえで「半可通」ってせせら笑えばいい。そしたら俺なんかグゥの音も出ないぜ。悔しくて床の上に転がって悶絶するぜ。

動け。動け。動け。動け。あんたらが動かないと。じわじわと「そういうtouhou_huhaiが動いてないじゃん」って誰が言わなくても自分が動かない罪の意識でどうしようもなくなる。そうしたら、こんなに貧乏で、チベット問題でもウイグル問題でも何の役にも立てず、ロシアの弾圧も米国の戦争も止められず、首きり地獄も止められないこのちっぽけな俺が、動かなきゃいけない気持ちになってくる。こんなの不合理だ。そうだろ?

「他人をののしってれば社会や自分の暮らしがよくなる」っていう2ちゃんねる的論理が通じないなんて、まったくなんて不合理なんだ。

くそったれ!分かってるよ。本当は役立たずな自分をののしってるんだ。最初からアチャラパーの若旦那になにか期待してる訳じゃない。同じネット上にたむろするゴミなら、他人より自分の方がまだしも変えやすい。

【追記】2009/03/01
そういやid:OguraHideoは、ネット規制問題で「自らのできることをする」とか言ってたっけ。そうだな。いきなり俺が学者や医者を集めて「しょくん、我が輩の指示にしたがって、詐欺の温床たる悪しきニセ科学を撃滅せよ!」なんて考えること自体がおかしい。

俺のできることか…。なにができるだろうな。少なくともブログにだらだら批判を書いて事足れり、って訳にはいかん。
カンパ…苦しいけど可能だ。それを必要とする団体があるなら。関連するパブコメを見かけたらきちんと提出すること、テレビ局に抗議すること…それだけ?そういう個人の枠にとどまる活動だけじゃだめなんだよな。


【追々記】2009/03/01


数学やるとモテる」?! NHKがドラマで誤解招く描写を謝罪
http://bogusne.ws/article/114981207.html

NHKでは「抗議を真摯に受け止めドラマの登場人物設定を変更する」方針。これにより同番組は次週から

「EOF 送信終了」

と改題。三十路にして毎日欠かさずblogを更新する魔法使いの中年が、世の中の大多数の人にとってはどうでもいいネタでネチネチと他人を攻撃し続けるサイコホラーに模様替えする予定だ

なんて読むと…急に恥ずかしくなるよな…サイコホラーか。確かに。へこむ…。
実際、世の中の大多数にとって、ニセ科学なんてどうでもいいよな。俺だって個人的感情がなかったら、どうでもいいし。目くじら立てるのは、ただ単に昔のできごとからくる、うしろめたさでしかない。本当はなにかしてるフリをして、自分がヘタレじゃないと思い込みたいだけなんだよな。

だとしたら…そんなくだらないものを、なにか「意味のあるものにしよう」と考えるのだって、はじめから、かっこつけというか、ただのゴマカシなのかもな…。
なんてな。bogusnewsのバーカ。バーカ。バーカ。いちいち胸に刺さるんだよ!ウンコ。