前眼部OCTの紹介

以前に紹介したOCT(光干渉断層計)は眼球の後ろの方(主に網膜)を検査する器械でしたが、今回は前の方(前眼部)を撮影するOCTを御紹介します。前眼部とは、黒目(角膜)、茶目(虹彩)、白目(結膜)などで、これらの構造をOCTでは立体的に把握できます。
その一例として、先日(1/19)の当ブログ中の「浅前房」を取り上げてみます。「浅前房の患者さんは早めに白内障手術をした方が良い」という内容は、一般の患者さんには理解しにくいと思いますが、前眼部OCTをお見せするとすぐに納得していただけますので、説明のときに役立っています。


上の画像が白内障術前、下の画像が白内障術翌日の前眼部OCTの画像です。白内障術前後で前房の深さ、隅角の広さが大きく変化しているのが一目瞭然です。
隅角は眼内の水の出口であり、もしも塞がると急に眼圧が上がります(緑内障発作)。ここが狭い浅前房の患者さんは緑内障発作を起こす可能性があり危険です。白内障手術をすればその危険性がなくなり、まさに一石二鳥ですので、白内障手術を早めに受けるようにお勧めしている次第です。

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