津堅信之のアニメーション研究資料図書室 このページをアンテナに追加

2016-06-19

アニメ・マシーン

| 01:13 | アニメ・マシーンを含むブックマーク

●「アニメ・マシーン −グローバル・メディアとしての日本アニメーション

 著 者:トーマス・ラマール(藤木秀朗・大晴美 共訳)

 出版社:名古屋大学出版会

 刊行年:2013年

 定 価:6,804円

 

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 先日、日本アニメーション学会の年次大会が終了した。アニメーションの「学会」など、普通の生活をしていたら一生関わりがないだろうし、アニメのいわゆる研究や批評をやっている立場でも、縁のない人が多いだろう。

 会員は主に大学で研究・教育に従事している人たちだが、どういう成果が出されているのか。たとえば、アニメ監督の作家性とか、作品分析とか、アニメの歴史とか、そういう「らしい」テーマが取り上げられることはもちろん多いのだが、その研究のベースとして、ここ数年きわめて顕著なのが、イギリス発祥のカルチュラル・スタディーズの強い影響下にある研究、そして哲学や文化人類学などの海外の理論を発端としたアニメ研究である。

 「ラカンと言われても、ぼくは羅漢しか知らないので」とは、何年か前の(アニメーション学会ではなく)マンガ学会大会のシンポジウムでの夏目房之介さんのジョークだが、私も似たような認識なので、最近の海外潮流の影響下にあるアニメ研究は、勉強にはなるけれど戸惑いも少なくない。内容や方法論以前に、海外の潮流を踏まえないとアニメ研究ではない、と怒られることさえあるからである。

 しかし、作品を客観化するあまり、さらに横糸として海外の理論を入れ込むあまり、伝統的なアニメ研究者から見れば深刻な誤解を含む、あるいはケアレスミスとも言うべき誤りを含んだままで進められている研究が少なくないと映るのである。

 グローバルの名の下での、近年の学会におけるそうしたアニメ研究が、いわば「応用アニメ研究」だとすれば、「基礎アニメ研究」とはいったい何なのか。問い直してみるのも悪くない。

 トーマス・ラマールの「アニメ・マシーン」は、そうした近年のアニメ研究に絶大な影響を与え続けている著書である。

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2016-06-11

日本アニメーション学会大会

| 08:43 | 日本アニメーション学会大会を含むブックマーク

 きょうから2日間、日本アニメーション学会の年次大会。場所は新潟大学五十嵐キャンパス。アニメーション学会の大会では、毎回テーマがあり、今回は「アニメーションにおける身体性」 研究発表では、このテーマに沿った発表と、一般の発表とに分かれる。

 発表題目を書いておきたい。

◆6月11日

研究発表(一般パネル)

・渡部英雄「手描きによる動画作成法について」

・萩原由加里「政岡憲三人魚姫の冠』絵コンテについて」

・新美亮輔・こはらいつとし「定量的手法による宮崎駿押井守細田守のショット長スタイル分析」

・中村 浩「フラッシュラグ効果を媒介とした仮現運動の検討」

・吉村浩一、佐藤壮平「単一対象図形を3コマ打ちで滑らかに動かすための要件:輪郭・背景・運動軌道要因の検討」

・佐藤壮平「動きのジャーキネスを時空間周波数領域の変動量から分析する:実写とアニメーション映画の比較」

◆6月12日

研究発表(一般パネル)

・平野泉「アニメで描かれる「分身」としての玩具――『遊☆戯☆王』と複数化された自己」

野口光一「コンテンツ産業のメディアミックス展開――『妖怪ウォッチ』を中心に」

木村智哉東映動画における初期「研修生」の採用と1980年前後の製作体制」

 

研究発表(テーマパネル)

・山本忠宏「1960年代の時代劇アニメーションにおける身体の表現――『佐武と市捕物控』における血液、切断、音響」

・森友令子「写実的擬人化の可能性について――『ガフールの伝説』にみる感情表現」

・宮本裕子「トレースされた「グロテスク」な身体:フライシャー兄弟によるロトスコープの発明とその使用」

・泉順太郎「『アニメ・マシーン』に対する『シネマ』の適用可能性と不可能性」

・スアン・スティービー「アニメの約束――グローバル化する日本アニメのパフォーマンス分析」

・佐分利敏晴「彼女はなぜそのとき立ち上がったのか――身体、環境、行為、意図」

・萱間隆「日本におけるトーキーアニメーションの誕生――リップシンクアフレコに焦点化して」

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2016-04-30

マチ★アソビ Vol.16

| 11:28 | マチ★アソビ Vol.16を含むブックマーク

 毎年春と秋に徳島市で開催されるアニメ関連イベント「マチ★アソビ」

 私はここ数年毎年参加し、トークイベントで喋ったり販売ブースに入って何やら売ったりしているのですが、徳島という街の「身の丈」に合った心地よいイベントで、楽しんでいます。

 このゴールデンウィークの5月3日から5日にも「Vol.16」として開催されますが、私はこのうち5月3日・4日の2日間、パラソル型のブース(名称はたぶん今回も「アニメビジエンス」)に入って、自著を販売する予定です。

 参加される方々、会場でお会いしましょう。

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2016-04-11

東映社内報「とうえい」

| 12:31 | 東映社内報「とうえい」を含むブックマーク

 4月からフリーランスになって、今年8月刊行予定の単行本の原稿執筆を毎日自宅でやっているわけだが、その仕事の参考文献のひとつがこれ、東映の社内報、その名も「とうえい」(月刊)

 写真の1966年10月号は、東映動画創立10周年の特集が組まれており、設立に関わった多くのスタッフのコメントが掲載されている。

 ただ、この「とうえい」を通しで閲覧できる公共図書館大学図書館などに、私は行き着いていない。写真の東映動画特集号はたまたま入手できたが、東映本社の広報室に問い合わせたら、所蔵はしているが「内部資料なので非公開」とニベもなく断られてしまった。

 どこかでまとめて閲覧できるところがあれば、情報を求めます!

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2016-04-01

近況 その1

| 14:47 | 近況 その1を含むブックマーク

 近況の報告です。

 昨日、つまり3月末で、ちょうど10年間務めた京都精華大学を退職しました。

 今月からは、日本大学芸術学部が、教職の拠点になります。ただし、専任ではなく非常勤です。なので、私の職業は「フリーランスのアニメーション研究家」ということになります。

 当面、関西圏と東京圏とが活動域になります。著作、講演など、仕事はどんどんお受けしますし、フリーになって時間ができますので、今年から来年にかけては、単行本の執筆を集中的にやっていきます。まずは、今年8月刊行予定の単行本の原稿執筆、その後、できれば2冊、企画を通したいと考えています。

 今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

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