ついに、それが起きた。待ち望んでいたメッセージが届いたのだ。 これまでの人生のすべてが、この瞬間のためにあったのだと彼には思えた。 彼は真理省の長い回廊を歩いていた。ジュリアからメモを渡されたあの場所に差し掛かったとき、自分より大柄な誰かがすぐ後ろを歩いていることに気づいた。その人物は、話しかける前奏として、短く咳き込んだ。ウィンストンは唐突に足を止め、振り返った。 オブライエンだった。 ついに二人は対峙した。ウィンストンに沸き起こった唯一の衝動は「逃げ出したい」というものだった。心臓が激しく跳ね上がる。声も出せそうになかった。しかし、オブライエンはそのまま歩みを止めず、親しげにウィンストンの…