音律と鍵盤の配置

僕は小さい頃からピアノをやっていたんですが、ずっと疑問だったことがあります。以下では、標準的な十二平均律のことを言及しています。



なぜピアノには白鍵と白鍵の間に、黒鍵がある音とない音があるのか

例えば、ドとレの間には黒鍵があるのに対し、ミとファの間には黒鍵がありません。
そもそも黒鍵さえなければ音階などが弾きやすくなるのに・・・と憎みながら運指の練習をしていた記憶があります。


ピアノの先生に愚痴ったこともあるはずですが、何と答えられたか覚えていません。恐らく後述のような平均律云々という説明をされたのでしょうが、そもそも子どもの頃は難しい言葉を使って説明されるのが嫌いで、あんまり人の話を聞きませんでしたから。たとえば楽譜に"allegro"とか書いてあっても意味を調べず自分の感性のままのペースで弾いて、間違ってたら直されるスタイルでした。「この曲はロマン派だからもっとこういう弾き方で」とか言われても、「ロマン派?なにそれ、おいしいの?(´・ω・`)」とか言って、そういう考え方を身につけようとしなかった覚えがあります。


その後、高校の物理の授業で、1オクターブが周波数2倍に対応することを習い、オクターブの心地よい和音に物理的な意味があることを知りました。


それでは、1オクターブを12音に区切ることにも、物理的な理由があるのだろうか・・・。
この疑問も、ググったらピタゴラス音律とかが関係していると知り、納得しました。((3/2)^{12} \simeq (2/1)^7が根拠のひとつです)


ふむ・・・そうなのか。オクターブ(8度)を12段階に区切るなら、確かに黒鍵の個数が中途半端になるのも納得だね。仕方ない、真面目に指練習するか!!


・・・と思うような真面目な性格ではない僕は、次に疑問に思いました。


どうして1オクターブは8度(ド-レ-ミ-…が7段階)なの?

「オクターブ」の語頭 octo- はギリシャ語またはラテン語で8を意味し・・・  とかいう説明を求めてるわけではありませんw
言葉の問題じゃなくて、どうして1オクターブに白鍵が(両端含めて)8本なのでしょう? 仮に、「ドレミファソラシド」は歴史的なことに由来し、ネーミングに意味はないとしたら、次のようなピアノを用意すれば弾きやすいじゃん!(C=ド、D=レ、・・・です)

え?指が届かない?(´・ω・`)
だったらこれでどう?

小さい頃オクターブが届かなくて、forteでも細い音しか出せなかったという、誰でもある経験もこれで解決☆
しかも、大人だったらオクターブ+3度も片手で弾けちゃうよね。 オクターブ離れたドとレが引けても嬉しくないけど、オクターブ離れたドとミが片手で弾ければ使い道もあるだろうし、ばっちりじゃん♪♪




こんなこと、僕でなくても思いつくだろうけど、実現しないのは何故だろう?
PCのキーボードの配置がもっと打ちやすくならないのは、これで定着してしまっているせいで、今さら変えると既存ユーザーが混乱するからだと思いますが、ピアノも同じ事情なのでしょうか??


こんなアホらしいこと、調べても載ってなかったので、自分なりに理由を挙げてみます。

  • 使用頻度     大半の曲は、主音は白鍵になっており、さらに多くの調では長3度や完全5度のように使用頻度の高い音が白鍵のみで表現できる。白鍵のほうが弾きやすいので、今の配置になっている
  • ランドマーク     クライマックスなど、音が何オクターブも飛ぶシーンで、鍵盤をいちいち数えなくても、正しい音にたどり着けるのは、黒鍵の位置で音が判断できるから。また、人によっては演奏中にいちいち鍵盤を見るのは煩わしいので、音が飛んでも手探りで正しい音にたどり着けるように、オクターブを1周期とした鍵盤配置のほうが弾きやすい
  • 平均律の問題     平均律による調律では、全ての音を同等に扱えないため、純正律の起点になる音を明示し、弾き手・作曲家にとって音のイメージが直観的に分かりやすいようにする


こんなところでしょうか。
でも、使用頻度とランドマークに関しては、弾きやすさの便利のために過ぎなくて、別に必然的なことではないと思います。黒鍵と白鍵が混ざっても弾けないわけではないし、鍵盤に音の名前を文字で書いておけば音を見失う心配もないです。それよりも難しいのは、曲で時々登場する、同じパターンで半音ずつ下がっていく(上がっていく)ときの指遣いで、こちらを克服できるメリットのほうが大きいんじゃないでしょうか。
それと、オクターブと3度が弾けるか否かは能力の問題ではなく、単純に指の長さの問題なので、これがラクに弾けるようになることによるメリットがかなり大きいと思うのですが・・・。


平均律の問題に関しては確かなことは言えませんが、演奏者が「全ての音を対等に扱っていない」と言う事実だけを知っていれば、あとは作曲家さえ気をつければ、さほど問題にならないのではないかというのが素人考えです。。。



もし上で列挙した以外の理由が思いついた方は教えてください(←レス乞食)


<参考文献>
http://www.archi-music.com/puremusic/hibiki/05MAY/05MAY-04.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E5%9D%87%E5%BE%8B
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%94%E6%AD%A3%E5%BE%8B
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%BF%E3%82%B4%E3%83%A9%E3%82%B9%E9%9F%B3%E5%BE%8B