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純正律

音楽

純正律

じゅんせいりつ

12世紀の西洋音楽では、同時に複数の旋律をきれいに響かせる必要のある楽曲が作曲されるようになった。特に、長3度の音程(ドとミなど)が多用された。

ピタゴラス音律では長3度の音程は複雑な比率になり、きれいに響かず、うなりを生じる。完全5度だけでなく長3度の音程の周波数比率を4:5と単純な値にして、主要3和音?でのにごりを全て消したものが純正律である。

純正律協和音程は、以下のようになっている。→音程


純正音程の振動数比率

振動数の比音程
1:1完全1度
1:2完全8度
2:3完全5度
3:4完全4度
4:5長3度
5:6短3度
3:5長6度
5:8短6度


純正律では、美しい和音が得られるが、反面、調の変化に弱い。例えば、ハ長調(C Major)に調律した楽器があるとする。その楽器で、長2度上げたニ長調(D Major)の曲を演奏するとき、楽器の調律ハ長調純正律のままにしてあると、二長調主音の完全5度である、DとAの比率が2:3ではなく27:40という複雑な数値になってしまう。

そのため、曲の中で転調する様式が確立されるにつれ、純正律は使われなくなっていった。現在、ピアノなどでは平均律が良く使われている。


また、合唱、管弦楽、吹奏楽などのアンサンブル的音楽分野では、平均律半音を100に分割した単位=セント(cent)を用いて、簡便に微細な音程を表現する方法が発明されている。

セントは、平均律での音の高さを+-0とし、そこから低音に50、高音に50の目盛を持つ、いわば音の定規である。例えば、-14セントといえば、平均律の音よりも、半音の100分の14、音の高さが低いことになる。

以下に、英語音名による、各調の平均律に対しての純正律の音高を示す。なお、ハーモニーディレクターやシンセサイザー等の機械で利用することを考えて、数値は小数点以下第一位まで記載した。アコースティック楽器で利用する際は、小数点で四捨五入すると良い。音階整数値も記載する。

純正律音階整数

階名レ♭ミ♭ファソ♭ラ♭シ♭
セント0+12+4+16-14-2-10+2+14-16+18-12


全調スケール純正律表(英語音名)単位:セント

CD♭DE♭EFG♭GA♭AB♭B
C長調0+11.7+3.9+15.6-13.7-2.0-9.8+2.0+13.7-15.6+17.9-11.7
D♭長調-11.70+11.7+3.9+15.6-13.7-2.0-9.8+2.0+13.7-15.6+17.9
D長調+17.9-11.70+11.7+3.9+15.6-13.7-2.0-9.8+2.0+13.7-15.6
E♭長調-15.6+17.9-11.70+11.7+3.9+15.6-13.7-2.0-9.8+2.0+13.7
E長調+13.7-15.6+17.9-11.70+11.7+3.9+15.6-13.7-2.0-9.8+2.0
F長調+2.0+13.7-15.6+17.9-11.70+11.7+3.9+15.6-13.7-2.0-9.8
G♭長調-9.8+2.0+13.7-15.6+17.9-11.70+11.7+3.9+15.6-13.7-2.0
G長調-2.0-9.8+2.0+13.7-15.6+17.9-11.70+11.7+3.9+15.6-13.7
A♭長調-13.7-2.0-9.8+2.0+13.7-15.6+17.9-11.70+11.7+3.9+15.6
A長調+15.6-13.7-2.0-9.8+2.0+13.7-15.6+17.9-11.70+11.7+3.9
B♭長調+3.9+15.6-13.7-2.0-9.8+2.0+13.7-15.6+17.9-11.70+11.7
B長調+11.7+3.9+15.6-13.7-2.0-9.8+2.0+13.7-15.6+17.9-11.70

関連用語

音律

ピタゴラス音律

中全音律

平均律


参考文献

「音のなんでも小事典」P.122

音のなんでも小事典―脳が音を聴くしくみから超音波顕微鏡まで (ブルーバックス)

楽典 理論と実習」P.13-15

楽典―理論と実習