My Life Between Silicon Valley and Japan このページをアンテナに追加 RSSフィード

2005-07-18

[] Web 2.0RemixMash-ups

淡路島棋聖戦観戦から戻った翌日はちょうど七夕で、朝からはてな仕事。ちょうどその日の午後4時くらいに「はてなマップβ版」

http://map.hatena.ne.jp/

リリースがあった。「Google Maps API」が公開されてからわずか10日。なるほどTim O'Reillyが言う「Remix」の世界とは、こういうスピード感で実現してくるのだなということを実感することができた。「Google Maps API」公開の意味については、「2大ウェブ地図サービスAPI公開で「ハッキング」を呼びかけ」という記事

http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20050708304.html

が参考になる。

グーグル社がグーグルマップスAPIを公開する以前にも、グーグルマップスと外部のデータを組み合わせる新サービス(日本語版記事)はいくつか作られていた。たとえば、ポール・ラーデマカー氏の『ハウジングマップス』は、『クレイグズリスト』のオンライン不動産広告グーグルマップスに重ねて表示する(スクリーンショット)。

グーグルマップスとクレイグズリストの統合は、『ウェブ2.0』[次世代のウェブ]の最初の適用例だ」とオライリー社長は語り、インターネット未来は、オープンなデータサービスを相互に連携させ、常に手を加え改良することで生まれるとする自説を繰り返した。

とある。ところで、Tim O'Reillyが実際にしゃべった言葉は、「O'Reilly: Web 2.0 to be built on the backs of hackers」

http://blogs.zdnet.com/BTL/index.php?p=1565

で読むことができるが、

"Google maps with Craigslist is the first true Web 2.0 application, neither of the sites was involved…a developer put it together," he said. "Hackers are teaching the industry what to do."

この「Google Maps」と「Craigslist」の統合サービスが、Googleでもなく、Craigslistでもない第三者によって作られることこそを、O'Reillyは「the first true Web 2.0 application」と呼んでいることが重要である。こういうことが不特定多数開発者に開かれたことが「API公開」の意味で、その結果の一例として海の向こうで「はてなマップ」が10日後にリリースされ、同時に世界中ハッカーが「Google Maps API」の上で遊んでいる状態が作られたわけである。O'Reillyが「Hackers are teaching the industry what to do.」と言うのはそういう意味である。

Business Weekの「Mix, Match, And Mutate」という記事http://www.businessweek.com/magazine/content/05_30/b3944108_mz063.htm

が、このあたりの話を上手に包括的にまとめているのでご紹介しよう。

まず冒頭で出てくるのが、「Google Maps」と「Craigslist」の統合サービスの話である。

Looking for a place to live last year, Paul Rademacher pored over Silicon Valley rentals on craigslist, the popular online classified-ad site. But the 3D-software engineer grew frustrated that he couldn't see the properties' locations on one map. So Rademacher hacked his own solution -- a Web site that combines craigslist rentals with search engine Google Inc.'s (GOOG ) map service.

つまり、

Suddenly, hordes of volunteer programmers are taking it upon themselves to combine and remix the data and services of unrelated, even competing sites. The result: entirely new offerings they call "mash-ups."

Web 2.0の世界とは、この文章中にあらわれる「Remix」という言葉や「Mash-ups」という言葉に象徴されるように、ウェブ上に存在する無数の無関係なサイトのデータやサービスを、誰もが自由に組み合わせて新しいサービスを増殖させていくことができる世界なのである。

"The Web was originally designed to be mashed up," says Google Web developer Aaron Boodman, the 27-year-old creator of a program called Greasemonkey that makes it easy to create and use mash-ups. "The technology is finally growing up and making it possible."

これがGoogle開発者Aaron Boodmanの言葉だが、「ウェブというのはもともとそういうものだったはずなのだが、ようやく技術が育ってきて本当にそれが可能になった」のである。「技術が育ってきて」ということには「チープ革命」的な要素も色濃い。

Mash-ups portend big changes for software companies, Web sites, and everyone online. No longer just a collection of pages, the Web is morphing into a sort of global operating system, à la Microsoft Corp.'s (MSFT ) Windows. And now, people are learning to program Web 2.0 with much of the same innovative energy of the personal computer's early days. "It's the Wild West all over again," says Alan Taylor, a Monster Worldwide Inc. Web developer who created Amazon Light, a fast-loading version of Amazon's site that also includes services from Google, Yahoo, and others.

この変化について真剣に考え出すとそのインパクトがいかに大きいものかがわかるだろう。引用したこの文章では今をPC登場時と対比しているけれど、PCが登場した結果「OSの機能を自由に使って誰もがPC上にアプリケーションが書ける」可能性が広がった時と全く同じようなエネルギー開発者コミュニティに満ちているのは、「ウェブ上に存在する無数のサービスやデータを使って自由に新しいサービスを作れる」可能性ゆえなのである。「the Web is morphing into a sort of global operating system」つまり、「ウェブ上に存在する無数のサービスやデータ」は、「ある種のグローバルOS」へと変貌していくということである。

むろんこうした大変化が「良い事尽くめだ」なんてことはあり得ない。これだけ大きな可能性というのは、逆にすべての既存のやり方、既存勢力にとって脅威になる「諸刃の剣」のような性質を持っている。たとえば、

Mash-ups often use the data without asking first, then present it in unintended ways.

APIが公開されれば、誰もが「こういうもの作っていいですか?」と問い合わせることなく勝手にぐちゃぐちゃと色々なことをやりだす。これを許容し、そういうこと全体を「自社にとって良い事なのだ」と考えられる会社だけが「Web 2.0」世界を牽引するのだろう。いまのところGoogle/Yahoo/Amazonがそういう流れを引っ張っているが、どういうスケールでどういうスピード感でこの流れが加速していくのかは未知数だ。

勝手な想像だが、日本の「Web 1.0」リーダーであるヤフー楽天は、もうものすごく日本的な会社になってしまっているから、たぶん「Web 2.0」を牽引するようなオープン施策を誰よりも先に打ってくることはないと思う。そうでないことを期待はするけれど。

Hideo KashimaHideo Kashima 2009/04/05 00:15 拝啓 梅田殿 WEB進化論の「Aクラス云々」を体感しております。小生51歳、セキュリティセンサーメーカーで13年働いておりますが、ここ数日、英語会話においても、仕事においても、まさに一大進化をとげている感じです。貴殿は若い方々を対象にいろいろな提案をなさっていますが、我々の年代においても長年の蓄積がある日突然BURSTすることもあり得ます。逆に人生たくさん飯を食ってきた後のバーストであれば、より深いところへ到達できるのではと感じます。現在サンフランシスコに滞在、月曜日にサンタクララで仕事の予定。もしお会いできる機会があればお話ししたいこと、山ほどあります。ご活躍をお祈りしております。

スパム対策のためのダミーです。もし見えても何も入力しないでください
ゲスト


画像認証