虚をつかれ、感動したビル・ゲイツ「後半生」の選択

フォーサイト誌8月号「シリコンバレーからの手紙」(119)に書いた「虚をつかれ、感動したビル・ゲイツ「後半生」の選択」
http://www.shinchosha.co.jp/foresight/web_kikaku/u119.html
が、ネット上にアップされました。

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ゲイツは明言していないが、バフェットの意思決定とゲイツのこのたびの決心は深く関係しているように思う。
 バフェットの寄付でゲイツ財団の運用資産は六百億ドルに及び、年間拠出金額は三十億ドル規模にはねあがる。さらにゲイツの個人資産が四百億ドル以上あり、それもいずれは財団基金に組み込まれる。つまりゲイツはこれから先「本当の引退」に至るまで、六百億ドルから一千億ドルの運用資金のもと、年間三十億ドルから五十億ドル規模の拠出金で、世界中のプロジェクト群から選び抜いた慈善事業ポートフォリオ(医療、教育……)を組成し、個々のプロジェクトの成果を厳しく評価しながらポートフォリオを組み替え、投資対経済効果ならぬ寄付対社会貢献効果の最大化を目指すのだ。まだ誰もやったことのないスケールで、未踏の領域に彼は足を踏み入れていくのである。
 カネを稼ぎ増やすよりも、カネを正しく使うことのほうがずっと難しいことを、聡明なビル・ゲイツは理解しているに違いない。これだけの規模でカネを正しく使うには、哲学や思想が不可欠だからだ。
 私は、彼の変貌を素直に喜び、彼の挑戦に心からエールを送りたい。
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